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酒井晋一郎

天気のサカイ目

意表を突く質問 2019年03月15日

先日小学校でお天気講座を行った際に、生徒たちからたくさんの感想が届きました。

感想をすべて読みましたが、その中で特に面白かった質問があります。

  
その質問は、

 
「台風などで気圧が1hPa下がると海水面が1センチ上がると聞きました。

では、反対に気圧が1hPa上がると海水面は1センチ下がるんですか?」

 
というものです。

 
「気圧が下がると海水が上昇する」というのは、「吸い上げ効果」と言われているのですが、反対のことは考えたことがなく、意表を突く質問で驚きました。

 
あらためてこのメカニズムを紹介すると、台風や発達した低気圧の影響で気圧が大幅に低下すると、強い上昇気流の影響で、海水も上空に引き上げられます。

中心の1点に向かって海水が集中するため、台風周辺の狭い範囲で海面が上昇し、特に中心付近で最も海面が高くなります。

これは「吸い上げ効果」という現象で、高潮の原因となります。

190315吸上げ効果の逆1.jpg

では、反対の場合はどうでしょうか。

高気圧の影響で気圧が上昇する場合でも、同じ原理で海水は海底に向かって押し下げられる効果があります。

ただ、押し下げられた海水は周辺のすべての方向へと分散していくため、海水は最終的に太平洋の全域へと広がってしまいます。

このため、計算上は0.0000何センチ海面が下がるかもしれませんが、ほとんど変化はないんです。

190315吸上げ効果の逆2.jpg

 
ただ、周囲に開いている海洋とは異なり、閉じている湖であれば湖面が高気圧の影響でへこみ、押し出された湖水が湖岸に押し寄せているかもしれません。

 
物事や現象を別の角度から考えてみる、ということは科学にとって大切なことだと思います。

とてもいい質問だったので、これからもこの観点を忘れずにいてほしいですね。

 



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