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2025年12月08日

えびの市に300年以上続く「田の神舞(たのかんめ)」 愉快で温かい伝統神楽の魅力(2025年12月06日放送)

今回の特集では、宮崎県えびの市に伝わる田の神さぁが舞う神楽「田の神舞(たのかんめ)」を紹介しました。

01 田の神さぁ

えびの市は県内有数の米どころで、霧島連山から流れる水と肥沃な土壌に恵まれています。
地域では古くから、田畑の豊作を見守る神様として「田の神さぁ」を大切にしてきました。
伝承によると、田の神さあは 冬は山の神となり、春に里へ降りて田畑を守り、収穫を終えた秋に山へ帰る とされています。

えびの市水流地区に伝わる「田の神舞(たのかんめ)」

02 田の神舞

その田の神さぁが登場する神楽が、水流地区に伝わる「田の神舞(たのかんめ)」 です。
300年以上前から続く水流神楽の演目のひとつで、かつては33番まであった神楽も継承が難しくなり、現在は田の神舞のみが残っています。

03 上水正喜さん

舞い手を務めるのは、上水正喜さん
およそ25年前、地区の飲み会で長老たちから「田の神舞を継いでほしい」と頼まれたことがきっかけでした。
上水さんは当時を振り返り、「飲んでいた勢いもあり"はい"と言ってしまいました。それからずっと続けてきました」と笑いながら振り返ります。

04 公民館

継承には"集まること"が大切と考えた上水さんは、地元の住民と毎月1回の稽古や集会を欠かさず続けてきました。
おしゃべりや飲み会が中心でしたが、それが良かったのだと思います。今では若い人たちも参加してくれて心強いです」と話し、伝統を守る手応えを感じています。

285年の歴史を持つお面とともに舞う

05 菅原神社

田の神舞が奉納されるのは、約600年の歴史を持つ 菅原神社。
菅原道真公を祀るこの神社で、毎年11月23日の秋の例大祭に田の神舞が奉納されます。
秋の例大祭では、その年の収穫に感謝し翌年の豊作を祈ります。

06 神楽面

上水さんが舞う際につける面は、1740年(元文5年)285年前に彫られたもの。
面には「元文五年(1740年)三月」と刻まれています。
上水さんは、「この面をつけると、自分自身が田の神さぁになっていきます。先代たちから285年伝えられてきた面を大事にして、作った人の思いも引き継いでいくべきだと思っています。」と語りました。

お茶目で優しい、地域に愛される神様

09 舞いのようす

田の神さあは地域ではとても身近で、親しみやすい神様として知られています。
上水さんは、「子どもがいたずらしても絶対に怒らない、子どもが大好きな優しい神様。ホラ吹きでお人よし、300歳を超えるちょっとお茶目なおじいちゃんのような存在なんです」と、その魅力を話します。

07 お茶目で優しい、地域に愛される神様

舞の最中には観客から茶々が入るのもこの神楽ならでは。
神様に茶々を入れるのは、みんなから慕われている証拠だといいます。

08 観客から茶々が入る

実際に初めて田の神舞を見た住民からは、「とても面白くて、神様が身近に感じられました」「静かな神様だと思っていましたが、とてもユニークでした」といった声も聞かれ、会場は笑顔に包まれていました。

上水さんは、「体が動く限り舞い続けたいです。自分たちの地域を継続させていくため、みんなで地域を盛り上げるための祭りであり続けてほしい」と語り、次世代へ伝える思いを強くしていました。

春分の日と勤労感謝の日に奉納

水流地区の田の神舞は、

  • 3月20日(春分の日) ... 白鳥神社《春季例大祭》
  • 11月23日(勤労感謝の日) ... 菅原神社《秋の例大祭》で奉納されています。

また、各地のイベントに招かれれば舞を披露することもあります。
古くから住民に愛され、見る人を笑顔にしてきた田の神舞。
今後も多くの人の心に届き、地域の宝として受け継がれていくことが期待されます。

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