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2025年12月08日
県内でインフルエンザが急拡大 "早すぎる流行"の背景に変異株の影響も(2025年12月06日放送)
今回は、県内で感染が急拡大している「インフルエンザ」についてお伝えしました。

県によりますと、11月30日までの1週間に報告された患者数は1,064人でした。
定点医療機関あたりの患者数は 38人 で、今シーズン初めて 流行警報レベルの基準を超えています。
インフルエンザの発生状況を見ても、今シーズンは昨シーズンと比べて流行が3週間も早く警報レベルに到達しており、異例のスピードで流行が進んでいます。
小児科では高熱の子どもが次々と受診
宮崎市のさとう小児科では、午前中だけでも高熱を訴える子どもたちの受診が相次ぎました。
医師によりますと、今年も症状の特徴に大きな変化はないものの、突然の39~40℃の高熱、強い倦怠感、関節痛・筋肉痛といった典型的な症状が多く見られるということです。

同院では、11月25日から29日までの5日間に50人 をインフルエンザと診断しました。
前年同時期の患者は 3人で、大幅に増加しています。
流行の早まりに影響した可能性のある"サブクレードK"

ウイルス学が専門の峰松俊夫医師は、流行が早まった背景として「サブクレードK」 と呼ばれる変異株の存在を挙げています。
サブクレードKはインフルエンザA型(H3N2ウイルス)の変異株で、今年6月頃から欧米で流行しました。
今年のワクチンのワクチン株を選定するのは4月頃だったため、「今年のワクチンは、サブクレードKへの感染予防効果が十分ではない可能性があるため、流行が早まった」と峰松医師は指摘しています。
一方で、次のようにも話しています。
- サブクレードKは異常な重症化をしやすいタイプではない
- 今年のワクチンでも 重症化を防ぐ効果は期待できる
- 大人はH3型への免疫を持つ人が多いため軽症になりやすく、軽症のまま子どもへ感染を広げる可能性がある
そのため、少しでも体調に違和感がある場合は早めに休養し、必要に応じて受診してほしいと呼びかけています。
学校では学級閉鎖が相次ぐ
インフルエンザの感染者は15歳未満が全体の7割を占めており、県内の小中学校・高校では、感染拡大を受けて学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいます。

宮崎市の大宮小学校では、11月から児童が校内放送で手洗いや換気を呼びかける取り組みを始めました。
同校では、11月17日に1年生の2クラスで欠席者が3割を超え、教育委員会と協議した上で2日間の学年閉鎖を行いました。
学校では家庭に対しても、「朝に体調が悪い場合は無理をさせず、早めに受診してほしい」と注意を促しています。
年末年始は人の移動が多くなるため、感染がさらに広がる可能性があります。
大人が気づかないうちに感染を広げないためにも、一人ひとりの意識が重要です。





