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2025年11月17日
広がる"マンジャロ・ダイエット" 専門医が警鐘を鳴らす危険性とは(2025年11月15日放送)

2型糖尿病の治療薬である「マンジャロ」。
本来は医療用の注射薬であり、インスリン分泌の促進や食欲抑制といった作用を持つこの薬が、いま若い世代を中心に"痩せ薬"として注目を集めています。
SNSでは「1週間で10キロ痩せた」「最終的に14キロ減量した」といった声も見られますが、その一方で専門医は"極めて危険な状況"と警鐘を鳴らします。
マンジャロとは
マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認された注射薬。
皮下に自分で打つタイプで、インスリン分泌の促進、胃腸の動きをゆっくりさせ満腹感を持続、食欲の抑制といった作用から、治療中に体重が減るケースも多くなっています。
この"副次的効果"が注目され、健康な若者が美容目的で使用するケースが急増しているといいます。
街頭インタビューでは「SNSでよく見る」「ダイエット薬のイメージ」と答える声が多数ありました。
宮崎県内でも認知度は高く、オンライン診療などで気軽に入手する人も増えています。
専門医は「全く不適切。筋肉・骨も減少する」と警告
宮崎大学医学部附属病院の上野浩晶医師は、ダイエット目的でのマンジャロ使用について「全く不適切」と強く批判しています。
「特に、正常体重やや痩せ型の若い女性が、さらに痩せようと使うのは非常に危険。脂肪だけでなく筋肉、大切な骨量まで落ちる。ホルモンバランスも崩れる。(危険な副作用を)知らずに使って急病センターに駆け込むという人を何人も聞いている」といいます。
主な副作用

また「やめたらリバウンドした」という声も多く、 上野医師も「途中でやめれば必ずリバウンドする」と明言しています。
使用者の声「痩せたが、人には勧められない」

4か月で14キロ痩せたAさんは、「食の楽しみが消え、大好物だったものも美味しく感じなくなった。胃もたれ・二日酔いのような頭痛・倦怠感などの体調不良があり、マンジャロを打った翌日には会社を休むという人もいる」と話します。
別の男性は低血糖で集中力が切れ、運転中に危険を感じたといいます。
「効果はあったが、人には絶対にすすめられない」というのが共通の意見でした。
また、半年使用した人は費用が数十万円に達したといいます。
美容目的では保険適用外のため、決して"気軽にできるダイエット"ではありません。
製薬会社も「2型糖尿病以外の使用は未確認」

また、製造元の日本イーライリリー社は、「承認された適応は2型糖尿病のみ。その他目的での安全性・有効性は確認されていない」 と明確に回答しています。
上野医師は「標準体重の人が最も長生きする。安易に薬に手を伸ばさないでほしい」と訴えています。
マンジャロはあくまでも糖尿病治療薬であり、美容目的で使うのは極めて危険です。
副作用やリバウンドリスク、そして高額な費用も無視できません。
"簡単に痩せられる薬"に惑わされず、健康を第一に考えることが大切です。





