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特集
2025年07月14日
もうひとつの甲子園「全国高等学校定時制通信制軟式野球大会」東九州予選(2025年07月12日放送)
定時制(昼間部・夜間部)、そして通信制の2つの教育課程がある宮崎県立宮崎東高校。
令和7年5月1日現在で定時制課程に238人、通信制課程に796人の生徒が在籍し、それぞれのライフスタイルに合わせて高校教育を受けています。
定時制夜間部に通う佐藤史人さん(25歳)。
東京の中学を卒業後すぐ社会に出て働いていましたが、22歳で宮崎に移住し、自らの意思で定時制高校に通う道を選びました。
「先生の話を聞いて問題を解くことが、今は面白く感じます」と話す佐藤史人さん
夜9時、授業が終わったあと佐藤さんが向かったのは宮崎東高校体育館。
中では軟式野球部の練習が行われていました。宮崎東高校にはグラウンドがないため、限られた時間のなか、工夫しながら体育館で練習をしています。
6年ぶりの挑戦!
もうひとつの甲子園「全国高等学校定通制通信制軟式野球大会」東九州予選に挑戦!
今年6月、宮崎県合同チームは「全国高等学校定時制通信制軟式野球大会・東九州地区予選」に6年ぶりに出場。
生徒数の減少により学校単独チームでの参加が難しい中、宮崎東高校定時制・宮崎工業高校定時制・延岡青朋高校定時制・延岡青朋高校通信制・勇志国際高校の5校が協力して14人の選手が集まり、合同チームを結成。
延岡青朋高校定時制の森純雄教諭は「仕事をしている生徒も多いので、皆が集まっての練習は1回しか出来なかったが、なかなか連携がとれている」と話します。
対戦相手は、福岡県予選を勝ち上がった強豪校「並木学院高校福岡校(通信制)」
「野球が教えてくれる、仲間と挑む楽しさ」
勇志国際高校2年の齋藤陽音さんは、学校にグラウンドも体育館もないのでバッティングセンターでひとり練習をつづけてきました。
今大会が小学生以来7年ぶりの公式戦出場になるため、入学以来この日をずっと楽しみにしていたといいます。
「一人じゃできないことも、チームがいればできる。みんながいた方が楽しい」と話す齋藤さん
試合は初回から連続フォアボールで失点してしまうなど、練習不足と慣れない公式戦で厳しい戦いを強いられますが、時間が経つにつれ緊張がほぐれ、チーム内に笑顔が広がっていきます。
結果は 25 - 0 で並木学院高校福岡校が勝利。
試合は残念な結果に終わりましたが、彼らの表情には悔しさとともに、確かな「達成感」が刻まれていました。
佐藤さんは「数年前の青春時代に戻った気分です。まだ言い表せない感情があります」と爽やかな表情
各学校の先生は、今後より多くの生徒が軟式野球部に入り、来年も大会に参加し、全国大会を目指せることを願っていました。