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2025年07月14日
被災地に"おいしさ"と"ぬくもり"を届ける 宮崎のフードトラックが担う新たな災害支援(2025年07月12日放送)
イベント会場などで見かけるフードトラックが、災害時の食支援の担い手として、注目を集めています。
その中心に立つのが、「宮崎フードトラッカーズ」のリーダー・仙田勝(せんだまさる)さんです。
普段はソフトクリームなどを販売していますが、災害が起きると、彼のトラックは"食の支援拠点"へと変わります。
故郷の被災から始まった支援の道
きっかけは9年前、仙田さんのふるさと・熊本県益城町を襲った熊本地震。
地元の人々を少しでも支えたいとの思いから、うどんや炊き込みご飯、おにぎり、手作りのおかずなどを提供。
計8回の炊き出しを行いました。
その後も、熊本県人吉市の水害や、宮崎市での竜巻被害など、多くの現場で食の支援活動を行ってきました。
「できたてのごはんを食べた時の"おいしい"という声が嬉しかった。」と話す仙田さん。
温かいものが心まで温めてくれることを実感したといいます。
災害時の"日常"を支えるフードトラック
宮崎フードトラッカーズには現在34社が加盟。
今年3月には宮崎県と「災害時におけるキッチンカーによる食事提供等に関する協定」を締結。
被災時には自治体の提供する食材や自前の食材を使って、温かい食事を被災者に届ける仕組みが整いました。
5月には「宮崎県防災の日フェア」にも出展し、非常食のドライカレーやパンをアレンジして提供。
「美味しく食べる工夫」も紹介されました。
仙田さんは「夏には冷たいもの、冬には温かいもの。被災地でも『美味しい』と感じられる食事を届けたいんです」と話します。
国の制度化へ・・「災害対応車両」としての役割
このようなフードトラックの機動力と支援力に注目し、内閣府は「災害対応車両登録制度」をスタート。
事業者が車両情報を国へ登録し、許可が下りるとデータベース化。
災害時には自治体がそれぞれのニーズに合った車両を検索し、スムーズに支援を受けられる仕組みです。
被災時、人は心身ともに大きなストレスを抱えます。
そんな中、フードトラックが提供する温かな食事や笑顔は、人々に元気と希望を与える存在になります。
仙田さんは今後、支援体制をさらに広げるために仲間のトラックオーナーたちを募集中です。