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2025年06月02日
巧妙化する特殊詐欺 若者も狙われる"次の標的"に(2025年05月31日放送)
特殊詐欺の被害が宮崎県内で急増しています。
警察の発表によると、2023年の1年間での被害件数は74件、被害総額はおよそ2億円でしたが、2024年は4月末時点で既に43件、被害額も約1億9895万円に達し、昨年の総額に迫る勢いです。
身近に迫る詐欺の手口
街頭でのインタビューでは、実に9割近くの人が、怪しいメールや電話を受け取った経験があると答えました。
中にはQRコード決済の残高が一気にゼロになったという被害例もあり、ますますその巧妙さと被害の深刻さが浮き彫りになっています。
最近特に目立つのが「警察官を名乗る詐欺」です。
例えば、10代の女性が受けた詐欺電話では、警察官を名乗る男から「あなたの電話番号が麻薬取引やマネーロンダリングに使用されている」と告げられ、不安をあおられる内容でした。
女性が警察官であることを証明するよう伝えると、男はLINEに誘導してきました。
冷静に対応した女性は騙されることなく通話を終了しました。
高齢者だけでなく若者も標的に
こうした詐欺は若者にも広がっており、以前のように高齢者だけが狙われるという前提は崩れつつあります。
今月中旬には、小林市の90代男性が「詐欺捜査の協力」としてキャッシュカードをポストに入れるよう指示され、2枚のカードと合わせて1081万円を騙し取られるという被害が発生。
警察によれば、今年だけで既に13件、被害総額は1億6555万円に達し、昨年1年分を超えています。
予防のために私たちができること
警察は「警察官を名乗りSNSやビデオ通話へ誘導してくる行為は詐欺」と明言しており、「警察がお金の話をすることも基本的にない」と注意を呼びかけています。
違和感を覚えたら即座に通話を切り、自分から正規の警察の番号に連絡すること。
SNSやLINEでのやり取りに応じないことが被害を防ぐ最も有効な手段です。
一人ひとりが「自分だけは大丈夫」という油断を捨て、詐欺に対する警戒心を持ち続けることが、これ以上の被害を食い止めるカギとなります。