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2020年06月01日

日本初の巨大アーチ式ダム 上椎葉ダム建設の記録(2020年05月30日放送)

01 上椎葉ダム

椎葉村にある上椎葉ダム

日本初の巨大アーチ式ダムとして昭和30年に完成し、静かに人々の暮らしを支えてきました。
2020年5月26日、この上椎葉ダムが完成65周年を迎えました。

02 九州電力(株)宮崎支店 小島和久技術部長

昭和21年、当時日本全国の電力事業を担っていた日本発送電(株)が椎葉村に調査所を設置し、ダム建設に向けての調査を始めました。

  • 【話:九州電力(株)宮崎支社 小島和久技術部長】
    「第二次世界大戦後の日本は、復興と産業の発展が進み電力需要が急増していきました。それに伴って電気を安定的に供給するには大きな発電所が必要となりました。耳川水系は県内でも有数の雨量が多い地域であることと、地形的特色から椎葉村に大規模な水力発電所建設が決まりました。」

03 工事開始・ダムの概要

昭和25年、4年間に及ぶ調査が終わり、いよいよ工事が始まりました。
工事計画は高さ110メートル、長さ341メートル、貯水量9155万立方メートル(福岡ドーム約52杯分)の巨大ダムを建設すること。
建設費は当時の金額で140億円。作業員延べ250万人を動員。
着工から完成まで3年の歳月を予定しました。

当時髪椎葉ダムは重力式ダムを建設する予定でしたが、大規模建設になることから調査や研究を重ね、経費削減と工期短縮が見込める「巨大アーチ式ダム」を日本で初めて建設することが決まりました。

04 工事の様子

工事はダムを支える両岸岩盤の掘削作業から行いました。
しかしこの作業は困難を極め、転落や落石により多くの作業員の命が失われました。

05 水没する地域の住民への説明

ダム建設計画が正式に発表された昭和23年、もう1つの計画が伝えられました。
ダム建設に伴い、水没する地域が明らかにされたのです。

  • 【話:椎葉村尾八重地区在中 甲斐了英さん】
    「村会議員と九電職員が一緒に家々を回り、ダムを建設することが椎葉村を救うことに繋がると説得しました。水没する地域の方々は 村の発展のためにと、73戸515人が村外へ移転しました。ダム建設のおかげで村全地域に電気が通ったことはとてもありがたかったが、尾八重地区では約半分の住民が移転し伝統芸能などの伝承が難しくなってしまいました。」

06 ロープウェイ輸送の様子

昭和28年10月、本格的なダム建設工事が始まりました。
大量に必要となったコンクリートは延岡の倉庫に集められ、ロープウェイを使って延岡市~椎葉村まで約60キロ、セメントや砂が輸送されました

07 古川三アヤ子さん

  • 【話:椎葉村尾田山中地区 古川アヤ子さん(78)】
    「私は母子家庭だったが、ダム建設が始まったことで母がお金を稼げるようになり、美味しいものを食べさせてもらい、高校にも通わせてもらえました。」

08 かつての椎葉村の様子

ダム建設当時(昭和20年代後半)の椎葉村の人口は約1万人、さらに村内の寄宿舎では約8000人の建設作業員が暮らし、村には映画館(2軒)やパチンコ店・商店などが並び、かつてない賑わいを見せていました。

09 建設現場の様子

日本初の巨大アーチ式ダム建設は苦難の連続でした。
度重なる事故や、台風の襲来により上椎葉ダム建設の犠牲者は105人にものぼりました。
それでも日本初の偉業への挑戦は続き、工事開始から5年、昭和30年5月26日に上椎葉ダムは完成しました。

10 建設に携わった人たち

このダム建設で得られた知識や技術は、その後のダム建設に大きな影響を及ぼし九州最大の一ツ瀬ダム、そして、日本最大の黒部ダムの建設に生かされました

11 観光放流

2019年11月16日、九州電力(株)と上椎葉村が協力し実施ダム完成以来、初めて観光として放流が行われました。
集まった400人もの人々は、間近で見る放流の瞬間に歓声が上がったそうです。

12 観光放流(今年の予定)

九州電力は今後も観光放流を行っていきたいと考えています。
(今年の開催は新型コロなウイルスの影響で開催はまだ未定です。)
詳しくは九州電力の HP(サイト内検索「上椎葉ダム」)をご覧ください。

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