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2018年12月03日

個性の認められる時代へ 性的マイノリティ(2018年12月1日放送)

今回の特集は性的マイノリティについて考えます。
マイノリティとは少数派という意味。
この性的マイノリティにはLGBTも含まれています。
LGBTのLは女性同性愛者、Gは男性同性愛者、Bは両性愛者、Tは性別違性同一性障がいを示します。
この他に自分がどの性なのか自分でもわからないという方や、男性でも女性でもその性には当てはまらないという方はクエスチョンのQをつけてLGBTQとも言われています。
これら全てを合わせて性的マイノリティと呼ばれています。

当たり前のこととして受け止める人もいればそうでもない人もいる世の中。
周知、認知はまだまだ難しい現状で、性的マイノリティの方達が暮らしやすい社会になっているとは言えません。
そこで今回の特集では、一人一人が認め合う社会を作る為に今わたしたちができることは何かを考えます。

LGBTの説明

「努力すればするほど認められるわけじゃん。可愛いとか綺麗とか。ちやほやされるわけじゃん。今までの人生、ちやほやされて生きてきてないからやっぱ嬉しいじゃん。」そう話すのは大阪のみひろちゃん。
彼女の本名は有馬大起さん。彼は性的マイノリティです。

みひろちゃん

日本の人口の約7%が性的マイノリティと言われるこの時代。
あなたはどれだけ彼らのことを理解できていますか?という質問に
「近くにいないからわからない。」「見た目が変わらなければ近くにいても分からない。」「言葉は知っていても実際にどう接すればいいのかわからない。」という人がほとんどという現状です。

性的マイノリティの人たちの為に今私たちにできることは何なのでしょうか?

宮崎市に住む有馬逸さん・順子さん夫婦。二人は大起さんの両親です。
12月31日に生まれた大起さんは生まれた直後に心臓を手術し、病弱な子どもでした。
「小さく生まれたので名前の漢字は大きいの大を入れ、転んでも自分で起き上がって欲しいと願いを込めて起という字をつけた。」と順子さんは話します。

有馬逸さん/順子さん

大切に育てていた可愛い一人息子。しかし、大起さんが成長するにつれて両親には小さな疑問が生じます。
「男の子なので年頃になった時にキャッチボールをしたら全く受け取れなかった。小さい頃から他の男の子に比べて運動が苦手だった。」と両親は話します。
そして大起さんが大人になり疑問が確信へと変わりました。
「ある日大起さんのアパートに行くと女性の下着があった。誰か忘れていったのかなと思ったが違った。そこでこの子は女の子だったんだなぁと思った。」と逸さんはその時を振り返ります。

大起さんの両親

6年前、32歳の時に大起さんはトランスジェンダーであることをカミングアウトしました。
女性みひろとして生きていくことを両親に告げました。

順子さんはその時の気持ちを「最初聞いた時はびっくりしたけれど、それよりも何よりもカミングアウトするまでにどれだけ子どもが悩んだのだろうという思いが先に走った。まず辛かったね、辛かっただろうね、というのが私の最初の言葉でした。そして帰った後に子どもがいなくなってしまう、遠くに行ってしまうという感情が湧いて涙が出た。」と話します。
みひろさんの決意を聞き、それを受け入れた両親。

32歳でカミングアウトした時の大起さん

しかし世間の理解を得るのは簡単ではありませんでした。
生活のため男性の格好をして仕事をしていたみひろさん。
「いまは女装の格好が本来の姿で、男性の格好は仕事の間だけ演じる格好。だから仕事の格好はぜんぜん楽しくない。」と話していました。
この後、会社側からトランスジェンダーであることを理由に退職を余儀なくされたそうです。
これが性的マイノリティの人たちが直面している厳しい現実の一つです。
こうした差別を無くそうと世界中が動き出す中、県も啓発活動に力を入れています。
さらに民間団体によるイベントやフォーラムでも社会的な認知の必要性が何度も訴えられています。

民間団体によるイベントやフォーラムでも社会的な認知の必要性

宮崎公立大学の四方由美教授は「性的マイノリティのみなさんのことを総称してLGBTと呼んでいるが、こうこういった言葉が言われるようになったのはごく最近なのでまだまだ問題を発見している途中だと思う。仕事の中身も違うし、それぞれの方が抱える困りごとも違うのでできるだけ柔軟にそれぞれの組織の中で考えていくことが大事だと思う。」と話します。

そんな中性的マイノリティに対する差別をなくそうと動き出している企業があります。
NTT西日本では全社員参加のダイバーシティに関するテストを実施していて、性的マイノリティに関するテストも含まれています。
その他にもNTT日本では同性のパートナーも扶養手当や福利厚生の対象にする制度が始まっており、匿名での直通ヘルプラインを常設していて一人一人の相談を受けられるような体制を整えています。
さらに専門家を招いての性的マイノリティに関する講演会を定期的に開催し、毎回管理職をはじめとする多くの社員が参加しています。
NTT西日本宮崎市店 ふれあい促進室長坂本さんは「今回のセミナーで当事者の方達のお話を実際に聞くことができて、当事者の方達の分かち合えた時の喜びや自分らしく生きられた時の充実感が伝わってきました。みなさんの心に寄り添えるようなマネジメントをしていきいきと自分らしく働ける職場にしていきたいと思った。」と話します。

宮崎公立大学の四方由美教授/NTT西日本宮崎市店 ふれあい促進室長坂本さん

そして誰もが自分らしく生きられる社会を作ろうと活動を続けているのは企業だけではありません。
海外で性的マイノリティの現状を学んだ宮崎国際大学の学生たちです。
差別撤廃に向けた挑戦を始めたのは宮崎国際大学のサークル「虹色カフェ」。
性的マイノリティの啓発のために学生たちが自主的に作ったサークルです。
虹色カフェの藤山佳菜子さんは「LGBTの問題にもっと意識をもって欲しい。MIC(宮崎国際大学)の生徒だからこそできることを見つけて欲しい。」と話します。
藤山さんがサークルを作ったきっかけは留学先のアメリカでは当たり前のように性的マイノリティ用の教室や相談窓口が準備されていることを知ったからです。
藤山さんが実際にLGBT人にインタビューをした時に彼らが自信を持って「生きていることが楽しい」と話していたことに感銘を受け、日本もアメリカの様に色々な個性を求め合える人が増えれば良いと感じたそうです。
みんなでアイディアを出し合い啓発を続けている虹色カフェ。
中にはこんなユニークな発想もありました。それはレインボーパンケーキです。
まだ日本ではレインボーカラーがLGBTのシンボルカラーだということが知られていないので、レインボーカラーのパンケーキを通してみんなに知ってもらいたいと考えました。
藤山さんは「これからの社会を私たちが作っていくものだと考えているので影響力のあるサークルにできたらいいなと思う。みんな平等でみんなが幸せでみんなが生きていていることに自信を持って楽しいと言える社会が実現すればいいと思う。」と考えています。

宮崎国際大学の虹色カフェ

様々な場所で広がりを見せる性的マイノリティへの理解。
女性としての人生を選んだみひろさんも新たな生活を始めています。
現在は大阪市内で2軒のバーを経営しています。
「この世界だとものすごく輝いていられる。そうゆう輝く自分を認めてくれる場所が男性だった。エスコートしてくれたり優しくしてくれたりした時にすごく居心地が良くて、今までにない感覚を味わった時にだんだん女性である自分を好きになっていった。」と話します。
一方で「お父さんとお母さんをずっと安心させてあげられないまま両親は亡くなっていくことになる。それがすごく申し訳ないと思う。」と涙を浮かべ奥深い胸の内も語ってくれました。

みひろさん

しかし逸さんと順子さんは「子どもの決断を尊重してあげるのが親だと思う。その時に何が一番手助けになるかと考えるのが親。自分はこれで生きていきたいという道を見つけてそれで生きていってくれれば親としてはこれ以上幸せなことはない。色々な苦労があってそれを乗り越えて人間は成長する。
だから本人にとってものすごく良かったんじゃないかな。」と笑顔で話します。

<みひろさんの手紙>
「泣きたいのは母さんの方だったよね。私ばかり泣いててごめん。中身は変わらないよ。父さんと母さんがかけてくれた大きな大きな愛情も忘れない。いつまでも二人がしっている私だから安心してほしい。父さんと母さんの子どもで良かった。本当にありがとう。」

家族写真

人は生まれる時性別を選ぶことはできません。
ただ、生き方を選ぶことはできます。
誰もが生きやすい社会を作る。
今私たちにできることがきっとあるはずです。

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