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特集
2026年06月22日
「課題は可能性とイコール」空きビル再生や、移住者と古民家をDIYリノベでつなぐ仕掛け人「美想空間」鯛島康雄社長(2026年06月20日放送)
中心市街地に佇む空きビルや、移住者と地域の架け橋となる古民家再生。サーフィンをきっかけに宮崎に魅了されたひとりの仕掛け人が、空間をリノベーションするだけでなく、人と人との「間」を紡ぎ、街の未来を切り拓いていく。美想空間・鯛島康雄さんの取り組みに迫る。
街の経済を再生する「公民館」
宮崎市の中心市街地にスタイリッシュなシェアオフィス「新公民館VOL(ニューコウミンカンボリューム)」がある。

橘通り沿いにあるビルの3階と4階をリノベーションした施設だ。

大阪を拠点にリノベーション事業などを展開する「美想空間」の鯛島康雄さんが手掛けた。
- 鯛島康雄さん:
基本的にはシェアオフィスという形になっていて、会員さんが複合的にいろんなサービスを受けられるような、民間がやる新しい公民館みたいな感じです。
この施設には、イベントスペースやコワーキングスペース、レンタルオフィス、仮眠ルーム、ポッドキャストの収録ブースなどがある。
鯛島さんは「ポッドキャストの収録は自宅でも作業ができるが、わざわざブースに来て機材を使って収録することで気分が上がり、継続して情報発信をしていってほしい」と話す。実際に、たくさんの人が収録ブースを使っているという。
ちょうどよい使い方
施設の使い方は多岐にわたる。

施設内には、鯛島さんこだわりのサウナを完備。会員はサウナを楽しむことができる。
- 鯛島康雄さん:
裸の付き合いじゃないですけど、結構本音が出やすいので「サウナ会議」としての使い方もできます。

小学生や高校生に英語を教えている、入居して約1年の「塾ビビビ」の吉田晴哉さんは「街中でテナントを借りると初期投資が高くなるので、都度ミーティングルームを借りながらやっていくのがちょうどいいかなと思う」と話す。
きっかけはサーフィン
大阪を拠点に全国で住宅のリノベーションや空きビル再生事業などを展開する美想空間が宮崎で事業を始めたのは、鯛島さんの趣味であるサーフィンがきっかけだった。

- 鯛島康雄さん:
30数年前から宮崎に来るようになって、人の感じとか、気候とか、ご飯の美味しさとか、いろんなものにめちゃくちゃ魅力を感じて。じゃあ事業を持ってこようと。僕ら建築とリノベーションが本業なので。
2015年に鯛島さん自ら宮崎に拠点を作り、リノベーション事業を始めた。

鯛島さんは、宮崎市のビルが抱える「上層階の空室」という課題に着目している。
仮にビル1棟で60万円の経済を成り立たせる場合、1階30万、2階20万、3階10万で経済を作るべきだという。
しかし3階、2階に入らないので、1階の家賃が50万円、60万円となり、宮崎の会社ではなく都市圏にあるナショナルチェーンなどが入ってしまっていると話す。

- 鯛島康雄さん:
ビルの屋上からみるとよくわかります。上の階はほとんど空いているし、屋上も全くメンテナンスされてない。課題が可能性とイコールなので、どうやって活用するのかという話ですよね。
鯛島さんはリノベーションでビル全体の経済を健全化することで、宮崎らしさを取り戻そうとしている。
DIYと移住支援で育む地域の未来
鯛島さんの活動は、ビルの再生に留まらない。

行政と連携したセミナー「宮崎街中リノベ会議」を開催している。
宮崎市の中心市街地に点在している空きビルや空き家といった低未利用地について、地域の人や民間事業者、学生などを対象にリノベーションを推進し、街の活性化を図るものだ。
- 鯛島康雄さん:
中心市街地には古いビルなどがたくさんある。これは民間がやるべきことではあるけど、民間だけでできないことは、商工会議所や行政と連携しながらやることを実装したい。
移住者と地域をつなぐ取り組み

宮崎市青島に移住した鯛島さんは、自身の移住経験を活かし、土地勘のない移住検討者が最短1カ月から最長6カ月まで滞在できる仮移住施設「トライアルステイ木崎浜」を展開している。
鯛島さんは「移住するにあたり、土地勘のない状況で初手を打つと難しくなるから、一旦、手ぶらで来れるところがあるといいなと、前々から思っていた」と話す。

現在は、宮崎市と連携した新たなプロジェクトが進行している。明治時代に建てられた古民家をオーナーから引き受け、リノベーションして移住者の住居にする「古民家再生プロジェクト」だ。

今回は、DIYで古民家のリノベーションを手掛ける「コミュニティ大工」の加藤潤さんと一緒に、一般の人が参加できる「DIYワークショップ」でコミュニティを作りながら空き家を再生させていく。
- 鯛島康雄さん:
ちゃんと直すと費用がすごくかかるので、こういったワークショップで、DIYっていう手法を使ってやっていく。明治に作られた建物が受け継がれながら、移住者さんと空き家を結びつけて、オーナーさんも嬉しい、移住者さんも嬉しい、空き家も活用されてきっちり利益が出る、空き家も減るみたいな。これは第一弾目です。

参加者からは「アパートを借りて住む予定だったけど、古民家再生の話を聞いて面白そうだと思ってこちらに決めた。知り合いもできたので、またここから発展できたらと思う(移住者)」「どうやって古民家を再生していくのかみてみたかった。同じものづくりとして、良い経験になると思う(内装業)」「こうした場でコミュニティができて、移住者の方と関われるのがすごく良い(宮崎市都市戦略課)」と、さまざまな声が聞かれた。

- 古民家のオーナー 椎康一さん:
こういう風な形で残してくれたということは、ご先祖様からも感謝されるんじゃないかな。鯛島さんは想像力や発想、企画力のある人だなと感じた。

- コミュニティ大工 加藤潤さん:
鯛島さんのやっていることにすごく賛同するところがあって、お金も生めるように古民家を使うことがすごく大事。そこに行政の方とか地域の方も一緒にやっていくみたいな。僕もそこに協力しながらやっていけたらと思います。
世界へ広がる宮崎のポテンシャル
人と人、人と場。その「間」をリノベーションの力で紡ぎ、新しい価値を生み出していく鯛島さん。

- 鯛島康雄さん:
宮崎はポテンシャルがすごくある。会社としては、海外で展開しているリノベーション事業を宮崎とつなげたい。外貨を稼げるようにすることが今後、日本では必要かなと思っているので、宮崎でそれをできたらいいな。
関わる人すべてが今より豊かになること。そして自身が魅了された宮崎を、もっと魅力あふれる街へ。
その思いを胸に、鯛島さんは今後も新たな「間」を紡ぎ続ける。
(テレビ宮崎)






