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特集
2026年04月20日
部員わずか7人。積み上げてきたのは確かな強さとチームワーク。「この7人がいる、だから強い」快進撃で挑む九州大会への道(2026年04月18日放送)

宮崎県西都市の妻中学校と三納中学校による男子バレーボール合同チーム。部員はわずか7人。
平均身長は158センチと小柄ながら、緻密なコンビネーションと深い絆を武器に県大会準優勝を果たし、九州大会への切符を掴み取った。
学校再編により「西都中学校」へと統合される直前、合同チームとして最後の大舞台に挑んだ選手たちの軌跡を追う。
わずか7人の快進撃
宮崎県西都市の妻中学校・三納中学校合同バレーボール部。部員減少を背景に、二つの学校の生徒が一緒に活動している。部員はわずか7人だ。

- 【話:妻中学校2年(取材時)長友桜佑さん】
隣にいる翼の影響でバレーを始めた。みんなで繋ぎ合ったボールを、いろんな攻撃のパターンで決められた時が一番嬉しい。

チームは2026年1月に行われた県大会で強豪校を次々と破り準優勝。九州大会への切符を掴み取った。
学校再編を控え、合同チームの名前で挑む最後の大会に。
チームを結成した最初の大会(秋の中体連)では初戦敗退。彼らにとって今回の結果は大きな喜びとなった。

- 【話:妻中学校2年(取材時)土屋敬大さん】
(準決勝は)皆と笑顔で楽しく試合ができたらいいかなと思ってたので、勝った時はすっごく嬉しかった。 - 【話:妻中学校2年(取材時)西川京佑さん】
準優勝したことは自信に繋がった。人数が少ないからこそ他のチームより絆はあると思うし、託される部分も多い。勝ててとても嬉しい。

チームを率いるのは、指導歴45年の緒方俊郎監督(67)。
- 【話:緒方監督】
「よくやった!」と。
「小さいけどバレーって楽しいよね、小さくてもバレーができるんだよ、ということを皆に伝えられたらいいね」という話をしていて、それを実現してくれたこの子たちは本当に凄い。一人一人の思いが一つになった大会だったんだろうな。本当に子供たちに感謝
妻中6人と、三納中1人のチーム

チーム7人のうち、6人が西都市立妻中学校に通う。

ただ一人、三納中学校からチームに加わる、河口煌騎さん。
中学生からバレーを始めたが、当初は十分にプレーができなかったという。
- 【話:三納中学校2年(取材時)河口煌騎さん】
バレーをしている1つ年上のお姉ちゃんに誘われてやり始めた。三納中には男子バレー部がなかったので、女子バレー部に混ざってやっていた。試合はマネージャーとして行っていた。試合ができて楽しそうやなと思って見ていた。
煌騎さんの母・法子さんは、よりバレーを楽しめる環境として、妻中学校でのプレーを勧めた。
煌騎さんは「誰も知らないチームに行くのは不安だったけど、行ってみたら楽しかった。練習では上手く打てた時は皆がすごく褒めてくれるし、失敗したら改善点を教えてくれる。きついけど嬉しい」と話す。

煌騎さんがチームに加わったことについて、チームのメンバーは・・・
「自分たちの仲間が増えると思って、嬉しいと思った。(入ってくれて)ありがとう」「煌騎がチームの雰囲気を変えてくれる。煌騎がいると試合中、皆の顔に笑顔が溢れる。必要な存在だなって思う」

- 【話:三納中学校2年(取材時)河口煌騎さん】
嬉しい。みんなは面白くて頼もしい存在。妻中学校バレー部に入って良かったなって思う。
日本一のにぎりめし
練習には引退した先輩たちや地元の小学生が駆けつけ、7人をサポートする。

- 【話:上新田小学校6年(現・上新田中学校1年)林田暖さん】
学ぶところがたくさんある憧れの先輩。僕も先輩たちに負けないくらいバレーを上手くなりたい。 - 【話:穂北小学校6年(現・西都中学校1年)井上豹芽さん】
JA共済杯の(準優勝した)試合を見に行って、このチームなら僕も楽しくバレーをできると思った。

保護者も積極的に練習に参加する。「7人しかいないので、保護者がボール拾いをしないと練習時間が減ってしまう」と話す。

チームのスローガンには、「日本一のにぎりめし魂(こころ)」を掲げている。
- 【話:緒方監督】
「日本一のにぎりめし魂(こころ)」を旗印にしている。1つにまとまる。保護者の人は塩だったり、おかかだったり、明太子だったり..地域の人たちはノリになって包んでいただいて。どこのチームよりもまとまったチームを作る。「にぎりめし」のようなチームになる。
高さで勝てないなら、速さで勝負
チームの持ち味は、コンビネーションを活かした「速攻バレー」だ。
7人の平均身長は158センチ。170センチ以上の選手を揃える強豪校と比べると、決して高いとは言えない。そこで、いろいろなところにトスを上げてブロックを惑わせ確実に点数を取る、速攻バレーで相手を翻弄する。
- 【話:緒方監督】
技術的には向こうが圧倒的に強い、高い。とてもうちは太刀打ちできない。だからセッターの琉斗くんがどこにトスを上げて、速いバレーをどう展開してくれるか、セッター勝負。

わずか7人のチームでは、小柄な選手も攻撃に参加し、全員で戦う。
- 【話:緒方監督】
土屋敬大くんも、身長が小さかったんだけど、打つ人がいないから「スパイクをして」って言って。うちは前衛に2枚しか攻撃がいない時は、彼に頑張ってもらわないといけない。小さいけど、7人しかいないので、全員が攻撃してもらわないといけない。準優勝できて、このプレースタイルが通用するということが分かったので、この子たちの自信になったと思う。
練習を重ね、「自分たちでも勝てる」という、確かな強さを積み上げてきた。
保護者は「7人しかいないので、一人一人が『自分が欠けたらいけない』という思いや、相手を思う気持ちを強く持ってると思う。そこが少ないチームなりの強みなのかな」と話す。

- 【話:妻中学校2年(取材時)野添翼さん】
人数が少ないので練習時間も長いし、皆と一緒にプレーできる時間が多い。とてもいい。
「7人しかいない」ではなく、「この7人がいる」 だから強い。
強豪集う九州大会
いよいよ九州大会だ。

試合前日のミーティング。
- 【話:緒方監督】
この時を持ってきたのはあなたたちだからね。自分たちを褒めてやらないといけない。この場と時をあなたたちが勝ち得たんだから。明日はやるしかない。一点一点を取っていこう。とにかく一点に喜ぶ。笑顔で。

第43回九州中学校バレーボール選抜優勝大会には、九州各県から上位3位までのチームが沖縄県に集まった。
決勝リーグに進むには、予選リーグで1位通過が条件となる。

1回戦の相手は鹿児島県代表・隼人中学校。
結果はストレート負け(25-22・25-22)。
勝利まであと一歩のところで、惜しくも敗れた。それでも接戦を繰り広げ、その強さを十分に示した。
2回戦の相手は沖縄県代表として1位で勝ち上がってきた、SFIDA沖縄。平均身長の差は14センチだ。
スタンドには同じ宮崎県代表、日向学院中学校の生徒が応援する姿も。
結果はストレート負け(25-14・25-15)。予選リーグ敗退となったが、最後まで粘り強く戦った。
部員は試合を振り返り、「JA杯では頑張ったな、やりきったな、っていう感じだったけど、九州大会では自分のプレーに満足できなくて、思った結果が出せなくて、悔しいっていう思いが大きかった」「もっと頑張って強くなって、九州一取りたいなって思った」と話す。
新たな校名で次なる夢へ
この春、西都市内の学校再編に伴い、妻中学校と三納中学校を含む5校が統合され、新たに「西都中学校」が誕生した。

形は変わらずとも、西都中学校バレーボール部として、改めて一つになった7人。
中体連ではコンビバレーを活かして決勝で木花中にリベンジ、この7人で再び九州大会へ出場してベスト4入り。そして全国大会に出場することを目標にしているという。

そして、この春、7人のバレーボール部に、新1年生が6人入部する予定だという。
人数の少なさや体格の差は関係ない。
7人で積み上げてきた確かな実力で、真向勝負。九州大会で悔しさを知り確実にパワーアップした彼らは今、「勝ちたい」という思いを胸に今度は全国大会というさらなる高みを目指して走り始めている。
(テレビ宮崎)





