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特集
2026年09月07日
創業70年以上、宮崎県えびの市の地域に愛される小さな食品店(2026年09月05日放送)
宮崎県えびの市に、創業から70年以上にわたり地域の人々に愛され続ける「川畑食品店」がある。
戦後、リヤカーの行商から始まった小さなお店は、現在、3代目の川畑博志さんと妻の芳美さん、母の正子さんの家族3人で営まれている。
早朝からの高校の寮食作りや移動販売、保育園や病院への食材配達など、地域に寄り添う温かな日常と、100年企業を目指す家族の歩みを追った。
霧島の麓で70年以上続く川畑食品店
霧島の麓、田園地帯が広がる宮崎県えびの市・水流地区。

稲穂の中に立つ赤い鳥居が印象的な菅原神社が鎮座するこの地に、長年地元の人々に親しまれてきた「川畑食品店」がある。


お店は、食材の仕入れや配達を担当する3代目の川畑博志さん、厨房でお惣菜や料理を任されている妻の芳美さん、そして忙しい2人に代わり店番をする母の正子さんの、家族3人で運営されている。

川畑食品店は戦後、博志さんの祖父である栄一さんが鹿児島県で仕入れた魚をリヤカーに乗せて、えびの市内で売り歩いたことから始まった。
1950年に現在の場所にあった空き家を改装して店をオープンして以来、精肉や鮮魚、野菜、日用品などを取り揃え、70年以上にわたり親子3代でお店を守り続けている。
早朝の寮食作りと、食の安全を届ける日課
まだ日が昇りきらない午前5時。妻・芳美さんの朝は、県立飯野高校男子寮の寮食作りから始まる。

- 川畑芳美さん:
今から寮食の朝食を作ります。(Q:何人分くらい?)普段は11食。(Q:毎朝1人で?)1人で作っています。
午前6時、博志さんは出来上がった朝食を車に積み込み、男子寮へと配達に向かう。
午前7時、配達が終わると小林青果市場を訪れ、新鮮な野菜・果物の仕入れを行う。
- 川畑博志さん:
鮮度の良い野菜・果物を寮生やお客さんに提供できるように努めています。

一方、芳美さんは、地元の保育園の給食・病院の食事等で使う食材を毎朝届けている。
なかよし認定こども園の調理員は「新鮮な野菜を毎日いただけるので子どもたちも喜んでいるし、私たちも見ていて"今これが旬なんだな"と感じることができ、とても助かっています」と話す。

- 川畑芳美さん:
病院の患者さんや保育園の子供たちが食べるので、食に対する安心安全は大事にしている。宮崎県産の食材を地元の子どもが食べることは大事だと思ってます。
移動販売と店番で繋ぐ地域との絆
日中、お店の留守番を任されているのは母の正子さん(74)。

川畑食品店の2代目だった夫・幸一さんが亡くなった後も、毎日店に立ち、営業を支え続けている。
- 買い物に来た常連客:
買いやすいですよ。奥さんがいいから。ストレス解消で会話を楽しんでいます。スーパーに行ったらそういうことはないです。そこがやっぱり地域の店のいいところかな

午後2時、博志さんは移動販売に出かける。
毎週火曜日と水曜日にデイサービスや個人宅を回り、買い物に困っている高齢者に商品を届けている。

利用者は「本当に来てもらって助かります。人間が良いからね。息子のようです」と笑顔で話す。

幼い頃から店を手伝うことや、店でお客さんと話すことが好きだったという博志さん。
中学校に入学する頃にはお店を継ごうと決めていたという。
高校卒業後に関西のホテルで接客を学び、20歳で調理師学校へ入学し調理師免許を取得。
その後、地元に高齢者が多いことから病院に就職して病院食を学んだ。
そして2019年1月、父・幸一さんが急逝したため、えびの市へ戻り店を継いだ。
- 川畑博志さん:
帰ってくる前に父と祖父が言っていた「田舎で自営業はすごく難しい」というのを少しずつ実感してきている。子供のときからこのお店を継ぎたいというのが夢だったので、ちょっと先はまだ暗いかもしれないけど、僕個人としてはすごく楽しみな事も多いです。
「うちの子なんですよ」寮生と育んだ温かい繋がり
早朝5時から寮の朝食を作る芳美さんは、その後、午前中はお店で販売する総菜の調理を行い、午後からは寮の夕食を作っている。

- 川畑芳美さん:
(Q:毎日寮食を作るのは大変?)私が作るご飯を食べてるってことは、寮生はもううちの子なんですよ。親が子供にご飯を作るのは当たり前のことなので、そう思えるようになると全然、苦じゃないです。

その温かい思いは、生徒たちにもしっかりと届いている。
今年3月に卒業した1期生からは、「川畑さんの料理のおかげで、3年間親元を離れてやってこれました」と声をかけられたという。
- 川畑芳美さん:
もうそれで、全てが報われました。「あ、この瞬間のために私は頑張ってたんだ」って思えました。

夕方、男子寮に温かい夕食を届けた博志さんを、生徒たちが笑顔で出迎える。
「めっちゃ生姜焼きがジューシーで、米とすごい相性がいいです」「川畑さん、いつも美味しいご飯ありがとうございます。卒業までよろしくお願いします」と、活気と感謝の言葉が行き交う。
次の30年、100年企業を目指して
大きくて何でも揃うスーパーが増える現代において、川畑食品店のような地域に根ざした商店は、人と人との繋がりを生む場所となっている。
- 川畑博志さん
僕の個人的な目標の1つで、川畑食品店を100年企業にしたいというのがあって。あと30年、元気で明るいお店、川畑食品店を続けていきたいなと思ってます。
家族の温かな絆と、地域の人々の笑顔に支えられながら、川畑食品店は次の未来へ向けて今日も歩みを進めている。
(テレビ宮崎)






