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2026年08月31日

「死んだらどうしようと思った」学校に行かない選択肢 不登校の子どもを救う、病院経営のフリースクール(2026年08月29日放送)

全国で不登校の児童生徒数が過去最多を更新し続ける中、フリースクールの存在がいま注目を集めている。
宮崎市にある児童思春期専門のデイケア「ふりすく」は児童精神科を営むクリニックが4年前に開設した、全国でも珍しい病院運営のフリースクールだ。
国家資格を持つ専門スタッフによるケアや医療的支援を受けながら、子どもたちは心身の回復を図っている。
学校に復帰することがゴールではない、家でも学校でもない第3の居場所のあり方とは----。

過去最多を更新する不登校の現状

全国で学校に通うことができない子どもたちの数が年々増加している。
2024年度の不登校児童生徒数は全国で35万人を超え、過去最多を更新した。
宮崎県内の公立学校においても3187人に達し、こちらも過去最多となっている。(小学校:1053人、中学校1742人、高校392人)

こうした中、学校以外の学びの場として注目されているのがフリースクールだ。
フリースクールは、子どもたちの学習をサポートしたり、他人と関わることでコミュニケーションを学んだりすることができ、学校によっては出席扱いとして認められる場合もある。

01 デイケア「ふりすく」

宮崎市にある児童思春期専門のデイケア「ふりすく」
さまざまな事情で学校に通うことが難しくなった子どもたちが集う、全国でも珍しい医療機関が直接運営する施設だ。

子どもが安心できる居場所を

ふりすく」は児童精神科の診療を行う「みよしクリニック」が運営している。
孤独や不安を抱える子どもたちが安心して過ごせる居場所を作ろうと、4年前に開設された。

02 三好良英院長

  • みよしクリニック 三好良英院長:
    子どもの自殺が問題になっていて、年々数が増えている。自分自身を傷つけてしまう、あるいは自殺を選んでしまう。その子たちをずっと見ている中で、学校に行っていない、学校を休んでいる子が不安が強かったり、自分を傷つけたり、あるいはもう死んでしまおうと行動してしまう場合があるので、何か子どもが安心できる居場所が作れないかというところから始まった。

03 専門スタッフ

施設には、看護師や作業療法士、精神保健福祉士など国家資格を持つ専門スタッフが複数常駐している。
子どもたちの発達特性や状態に合わせた個別ケアを行いながら、定期的な面談を通して目標設定や学習計画を個別に作成している。

  • 精神保健福祉士:
    以前、死にたいとかそういう気持ちがあったって言ってたけど、最近どうですか?
  • 利用者:
    薬が変わってから、思うことが少なくなった。
  • 精神保健福祉士:
    実際に行動にうつすことはないですか?
  • 利用者:
    大丈夫
  • 精神保健福祉士:
    1年後、高校生になっているときは、どんな高校生になりたいですか?
  • 利用者:
    メリハリがちゃんとしてて、自分なりにいい高校生になっていればいいかな。

04 「ふりすく」に通う児童の母親

「ふりすく」に通う児童の母親は「学校併設のフリースクールがあるというのを知って、病院を受診したのがきっかけで通い始めた。『学校に行かせなきゃ』と思ってた気持ちが、『学校ではないけど外に出られることになった』ということで、私の気持ちがちょっと楽になった」と話す。

不登校の背景には、友人関係や学業のつまずき、身体症状など多様な要因が存在し、中には原因がはっきりしないケースもある。

05 さまざまなカリキュラムを提供

ふりすく」では個別学習やコミュニケーションの訓練、月2回行われる体育館活動など、さまざまなカリキュラムを提供している。
子どもたちは勉強したり遊んだりしながら、それぞれのペースで日々を過ごす。

06 1人で黙々と過ごす子どもも

周りとコミュニケーションを取ることができず、1人で黙々と過ごす子どももいる。

心の安心を取り戻した子どもたちと保護者

07 定期診察

利用者は全員クリニックで医師の定期的な診察を受けており、医療的ケアを併用しながら心の回復に努めている。

デイケアの利用は外来診療の一環となるため、医療費の助成や保険適用の対象となることも大きな特徴だ。

ふりすく」に通うことで、子どもたちの心には大きな変化が生まれていた。

08 デイケアの利用者

小学5年生のとき教師とのトラブルがきっかけで不登校になった生徒Aさんは、「学校がすごく好きなので、授業を受けたいし友達にも会いたいけど、体が言うことを聞かないから、『なんで私行けないんだろう』みたいな。そこで自己嫌悪になったりした」と当時を振り返る。

ふりすく」に通うようになり、さまざまな子どもたちと接する中で、気持ちに大きな変化があった。

  • Aさん:
    年上の子たちが多くて、そこで色々教えてもらったりとか。同年代としか接してこなかった分、年の幅の広い子たちと関わるのがこんなに楽しいんだってことに気づけて。全く学校に行ってなくて誰とも接してなかったときに比べたら、めちゃめちゃ明るくなりました。

その変化は保護者も強く感じている。

  • Aさんの母:
    よかったなって本当に思いました。生きててよかった。極端だけど、本当に、死んだらどうしようと思ってたから。

進学実績と社会につながる居場所

ふりすく」が目指すゴールは、必ずしも学校に通えるようになることではない。家でも学校でもない第3の居場所として、子どもたちの心に寄り添うことを大切にしている。

09 定期的に教室を巡回

病院がフリースクールを運営するケースは全国的にも珍しく、「ふりすく」では院長自ら定期的に教室を巡回し、子どもたちの状態を観察している。

学校に行っていない子どもの数は年々増えていて、不登校の児童生徒数は県内で3187人。
5年前と比べ倍近くに増えている。

  • みよしクリニック 三好良英院長:
    よく言われるのは、不登校が選択肢に入ってきた。学校に行かない選択肢が出てきたっていうのはあるんだろうなと思う。コロナ禍を経ての変化なのかなと思いながら見ている。友達とここで接していって、勉強を頑張ったり、コミュニケーションができてくる中で「学校にチャレンジしてみよう」あるいは、「中学校はしんどかったけど高校にはしっかり行きたい、高校に進学したい」というふうに思えるお子様って結構多いなと思う。

ふりすく」は宮崎市教育委員会などと連携し、通所することで小中学校の出席扱いとして認定も可能な仕組みが整えられている。

県教育委員会では不登校対策としてスクールカウンセラーやソーシャルワーカーを配置するほか、民間のフリースクールなどとも連携し、子どもたちが学びの機会を得られるよう支援体制の強化に取り組んでいる。

10 春田一樹指導主事

  • 県教育庁 人権同和教育・生徒指導課 春田一樹指導主事:
    不登校の児童生徒にとって、フリースクールという場所が学校以外の大切な学びの場で、社会とつながる貴重な居場所だと認識をしている。一人一人に合った多様な選択肢の確保と考えると、子どもたちの健やかな成長には不可欠な場所であると考えている。

こうした民間フリースクールに加え、県では不登校の生徒などを対象にした学びの多様化学校を各地に開校するほか、小中学校内に校内教育支援センターを拡充するなど対策を進めている。

学校だけが居場所じゃない

ふりすく」では開設からの2年間で171人が利用し、中学卒業まで継続して利用した15人は全員が高校へ進学した。

11 中屋輝紀さん

小学6年生から中学3年生まで「ふりすく」に通い、今年4月に全日制高校へ進学した中屋輝紀さんは「学校と違うペースで、自分の行きたい日に行けることが結構心が楽で、自分のペースで勉強ができるから苦しくもなくて。いろんな年齢の子がいるから、いろんな価値観に触れられた」と当時を振り返る。
現在、充実した高校生活を送っている中屋さんに将来の夢を聞くと、「自分が不登校のときは中学生が一番しんどかった。相談もしづらい年頃なので、そういうのに寄り添える仕事がしたい」と話してくれた。

それぞれに悩みを抱えながら少しずつ前を向いて進んでいく子どもたち。みんなにとって、このフリースクールはどんな場所だろうか。

「自分にとって居場所。困ったときに頼れる人が多い」
「自分探しもできるし、自分の苦手なことを克服したりもできる場所」

  • 中屋輝紀さん:
    学校っていう場所だけじゃないから、フリースクールやオンラインで通えたりするところもあるから、ダメだなって自分を責めすぎずに、色んなことをしてみるのがいいと思う。自分のペースで。

子どもたちが安心して過ごし、自ら選んだ次の一歩へ。学びと居場所を支える柔軟な支援のあり方が求められている。

(テレビ宮崎)

不登校に関する相談窓口

■宮崎県精神保健福祉センター
宮崎市霧島1丁目1-2【MAP
TEL:0985-27-5663
受付時間:平日 午前8時半~午後5時15分
HP:https://www.seihocenter-miyazaki.com/

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