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特集
2025年11月10日
宮崎の秋を彩る伝統行事「宮崎神宮大祭」の歴史(2025年11月08日放送)

11月1日・2日にかけて、宮崎市で秋の風物詩「宮崎神宮大祭」、通称「神武さま」が開催されました。
神武天皇をまつる宮崎神宮の例大祭として知られ、毎年1000人を超える行列が市内を練り歩く華やかな行事です。
その中でもひときわ注目を集めるのが、行列の華とも呼ばれる「ミスシャンシャン馬」。
今年はテレビ宮崎から、ディレクターの今栖那菜さんがミスシャンシャン馬として参加しました。
神話に由来する「神武さま」の行列
「神武さま」は、神武天皇が宮崎から出発し、奈良・橿原で即位したという神話を模した行列です。
1909年ごろに現在のような隊列形式が整い、以後100年以上にわたり県民に親しまれてきました。
行列は「御神幸行列」と「神賑行列」で構成され、神賑行列の中でも特に華となる存在が「ミスシャンシャン馬」。
江戸時代中期~後期頃から始まったといわれる新婚夫婦の鵜戸神宮参りを再現したものです。

日南市の鵜戸神宮は安産祈願の神として信仰を集め、当時の新婚夫婦は宮崎市から鵜戸神宮まで続く「鵜戸街道」(現在の道路で約40kmの道のり)を3~4日かけて往復したと伝えられています。
高低差のある海岸や峠を越える「七浦七峠」と呼ばれる道のりは、結婚生活の「山あり谷あり」を象徴する、まさに夫婦の旅のはじまりとされていました。
親子二代に受け継がれる「ミスシャンシャン馬」
ミスシャンシャン馬は76年前から行列に登場。
現在は県内企業から選ばれた8人の花嫁役が務めています。
かつては市町ごとの代表制で、笑顔や仕草にも厳しい作法があったといいます。
1974年に田野町代表として出場した渡邊真利子さん(73)と、娘の友子さんも1999年に同じく 親子二代でミスシャンシャン馬を経験。
「もう一度乗りたいくらい、感動した」と当時を振り返りました。
今栖ディレクター 初めての挑戦、そして本番へ

本番3週間前、宮崎神宮で初めて馬にまたがり練習。
県内はもちろん熊本・鹿児島からもやってくる8頭の馬の中から、今回ペアを組むことになったのは、都城市山之口町の中西文夫さんが大切に育てている"はなこ"。
「おとなしいのは天下一品」という頼もしい相棒とともに、45分の練習を無事に終えました。

本番当日は、黒留袖に角隠しという伝統の装いで登場。
着物や帯の柄・色は、一人ひとりの雰囲気に合わせて美容師が厳選し、早朝から着付け・メイクが行われました。
「出発直前まで何度もやり直してくださるほど、皆さんの思いがこもっていました」と今栖さん。

沿道から手を振る観客に笑顔で応えるミスシャンシャン馬たち。
今栖さんは「一人ひとりとアイコンタクトができて、皆さんの笑顔が本当にうれしかった。多くの人に愛されるお祭りだと実感しました」と感慨深げでした。

100年の歴史と宮崎の人たちに愛され続けている神武さま。
その伝統は未来へと受け継がれます。





