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特集
2025年07月28日
被災地・輪島市南志見地区 宮崎の力で復興応援(2025年07月26日放送)
宮崎県日向市が誇る「橘ひょっとこ踊り保存会」の皆さんが、石川県の被災地を訪れました。
訪れたのは、令和6年元日に発生した能登半島地震、そして度重なる水害によって甚大な被害を受けた石川県輪島市南志見地区。
そこには、復旧作業に汗を流す宮崎人の姿がありました。
南志見地区は、輪島市中心部から車で約40分。
山間の静かな集落に、かつては600人以上が暮らしていました。
今ではその人口も半分以下に減少し、ほとんどの住民が仮設住宅での生活を余儀なくされています。
そんな地で約1年前から解体作業を担っているのが、宮崎市出身の湯地泰夫さんと長田弘さん。
他にも宮崎からは約20人のメンバーが、日々、住み込みで壊れた家屋の撤去作業に汗を流しています。
「解体=復興ではない。解体が終わってからが本当の復興です」 と語る湯地さん。
彼らは今、"壊す"だけでなく、"創る"ことにも力を入れ始めています。
地元に笑顔を - パン屋をはじめた理由
湯地さんたちが次に取り組んだのは、「パン屋」づくり。
理由はとてもシンプルでした。仮設住宅に住む人たちが買い物に行くには車で30分以上かかるため、「それなら作ってしまおう」と、被災地になかったパン屋を立ち上げたのです。輪島市のパン屋に協力してもらい、営業を始めました。
「パン屋さんができたことで、外に出るきっかけができた。人と話す機会も増えた。本当に感謝しています」と、住民の方々も笑顔に。
店番には地元住民に入ってもらうことで、住民の就労の場の提供にもつながっています。
仮設住宅の住民は「解体業者の皆さんのおかげで救われた。湯地さんはすごい方だと思う」といい、湯地さんも「地元の方々に良くしていただいた。元気になってもらって、地元の力で立ち上がってもらいたい」と互いに感謝の気持ちを口にします。
「家も田んぼも畑も全部めちゃくちゃになって、終わりだと思った。でも、解体業者の方が毎日『おはよう』『頑張って』って声をかけてくれた。それだけで気持ちが変わった」
湯地さん達が目指すのは「心の復興」。
地元の人たちを元気づけるために、この夏大きな企画を準備していました。
「ひょっとこ踊り」が南志見地区にやってきた!
南志見の観光名所を目指し、復興を願って、湯地さんたちが住民と共にひまわりの種をまいた「南志見ひまわり畑」。
「ひまわりのように上を向いてまた歩き出してほしい」という想いが詰まっています。
この場所で湯地さんたちが企画したのが「南志見ひまわり畑 満開祈願祭り」。
「オール宮崎」をテーマに、地鶏や宮崎の餃子など宮崎グルメの出店が立ち並びました。
当日は、震災後初めてのイベントに近隣地区からも多くの人が訪れ、かつての南志見地区のにぎわいが戻ってきたようでした。
この祭りを盛り上げるため、宮崎からやってきたのが橘ひょっとこ踊り保存会の8人です。
「地元を離れた人も戻ってきて、昔のようなにぎわいを取り戻してほしい」 という想いのもと、応援にやって来た「橘ひょっとこ踊り」のパフォーマンスに、住民たちも笑顔に。
最後には、住民と輪になって踊り、地域に笑顔の華が咲き誇りました。
これからも続く支援のカタチ
「復興は、最後は地元の皆さんが立ち上がらないといけない。今日がその第一歩になったと思います。」 と湯池さん。
南志見に住民たちが戻ってきて、地区全体がまた栄えていくことを目標に、宮崎のメンバーの活動はまだ続きます。
8月2日には日向市で恒例の「ひょっとこ夏祭り」が開催予定。
前夜祭と当日には、石川県輪島市復興支援の募金活動も行われます。
現在、仮設住宅に暮らす人々の散歩道に沿って、地域の人と一緒に育てた満開のひまわりが咲き誇っています。