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特集
2026年08月17日
「働く姿が美しくて」移住カメラマンが老舗豆腐店を事業承継 創業70年を背負う覚悟と笑顔(2026年08月15日放送)
ファインダー越しに見つめた、78歳の夫婦が二人三脚で豆腐と向き合うひたむきな姿。
その姿に魅了されたカメラマンは、創業70年を迎える老舗の豆腐店を事業承継する決意をした。
伝統の味を受け継ぎ、豆腐食堂という新たな一歩を踏み出した男性の温かな挑戦を追った。
心に残った風景
宮崎県新富町で活動するカメラマンの中山雄太さん(32)。

8年前、地域おこし協力隊として熊本県から新富町へ移住し、地域のカメラマンとして町の風景を写真に残してきた。
そんな中、ある風景が中山さんの心に残った。

「梶原とうふ店」の梶原夫妻が懸命に豆腐を作っている姿だ。

- 中山雄太さん:
おふたりとも78歳で身体を酷使されていて、お父さんは体調が優れない中、梶原とうふ店を守るために豆腐を作り続けていた。お母さんはお父さんのサポートを長年されていて、そんなおふたりが豆腐を作っている様子がものすごく美しかった。こういう風景がこれからどんどんなくなっていくのではないか、これはどうにかして残したいなという気持ちになって、そのときは「継ぎたい」というよりも「継がなきゃ」という気持ちだった。
中山さんは熊本県にある実家が豆腐を扱う飲食店だったこともあり、幼少期から豆腐が身近な存在だったという。

梶原とうふ店は、梶原篤子さん(78)と夫の憲明さん(78)が長年二人三脚で営んできた。
しかし、夫の憲明さんの入院や体力的な面からお店の今後について考え始めていたという。
- 梶原篤子さん:
やめたくないけど体力的にも駄目だし、どうしようか悩んで、辞めるのにも勇気がいるなと思っていた。そこに彼が来てくれて、本当に嬉しかった。私の知っていることを教えてあげて、自分も頑張ろうと思った。
梶原とうふ店のように、物価高や高齢化、それから人手不足に悩む事業者というのは決して少なくない。
県内の廃業、休業について帝国データバンクのデータを見ると、2025年に休業・廃業・解散を決断した事業は576件だった。
創業70年の味を守る挑戦
2025年10月、中山さんが正式に「梶原とうふ店」を事業承継することが決定した。

朝4時30分。週に3日、中山さんは師匠である篤子さんから、梶原とうふの作り方を学んでいる。
篤子さんは「失敗もしないと成長しない」と、温かいまなざしで中山さんの挑戦を後押し。

こうして師匠と弟子の二人三脚で出来上がった70年変わらない木綿豆腐は、新富町と宮崎市の2店舗に卸している。
豆腐の購入者からは「原料がいいから加工してもすごくおいしい」「他の豆腐より甘みがある気がする。伝統の"新富の味"が引き継がれるのはすごくいいこと」と好評だ。
豆腐食堂で新たな挑戦
事業承継から約9か月が経過した2026年7月、中山さんは伝統を守るだけでなく、新たな取り組みに着手した。

新富町商工会のチャレンジショップ制度を活用し、サッカー場の隣に豆腐専門の飲食店「梶やんのとうふ食堂」をオープン。

「おぼろどうふの厚揚げ御膳」や「麻婆豆腐定食」、「梶やんのとうふ御膳」など、できたての豆腐を様々な食べ方で楽しめる。

- 中山雄太さん:
お豆腐を一番美味しい状態で召し上がっていただきたくてオープンした。お客様には、うちの豆腐の味をしっかりと味わっていただいて「豆腐って美味しいんだな」と思って帰っていただけたら何よりだし、個人でやってるお豆腐屋さんが、もっともっと全国で活躍していけるように盛り上げていけたらと思っている。

- お客さん:
豆腐が好き。こんなに料理がたくさん出てくるのはすごいなと思う。美味しい。 - お客さん:
美味しかった。ちょっと麻婆豆腐もピリ辛で一番好きな味。
71年目の目標
梶原とうふ店の71年目は、32歳の新米オーナーに代わってスタートした。

- 中山雄太さん:
目標は、ここのお豆腐をたくさんの方に食べていただいて、しっかりと売り上げも立てていって、梶原さんご家族を北海道旅行に連れていきたい。人生を謳歌していただきたいので、元気でいてください。 - 篤子さん:
ありがとう。

一つ一つ職人が向き合いながら手作りする、昔ながらの風景。
今日もまた、梶原とうふ店の1日が始まる。
■梶やんのとうふ食堂
営業:11:00 ~ 15:00
休:火曜日
予約:Instagram:https://www.instagram.com/kajiyan.tofu/
(テレビ宮崎)






