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2025年05月05日
四季折々の美しさ ~ 五ヶ瀬町「浄専寺のしだれ桜」(2025年05月03日放送)
五ヶ瀬町の桜の名所として知られる「浄専寺のしだれ桜」。
春になると多くの見物客が訪れ、その美しさに心を奪われます。
実はこのしだれ桜は春だけでなく、四季折々の異なる表情を見せてくれる特別な存在です。
今回、UMK延岡支局のカメラマンが1年間かけて取材した、その四季の移ろいと、地元の人々の想いをご紹介しました。
【春】咲き誇るしだれ桜
江戸時代に9代目住職が京都から持ち帰った苗木が成長したものと伝えられている「浄専寺のしだれ桜」。
その樹齢はなんと300年。長い時を超えて、今もなお見事な花を咲かせ続けています。
桜の開花時期には、毎年大勢の人々が訪れ、その壮麗な姿を楽しんでいます。
住職の寺本さんは「毎年きれいに咲いてくれるか心配ですが、今年もたくさん花をつけてくれて喜んでいる」と話します。
夜にはライトアップも行われ、幻想的な光景が広がります。
また、先月6日には赤ちゃんや子どもたちの健やかな成長を願う法要も開催され、満開の桜を背景に家族写真を撮る姿も見られました。
【夏】新緑と盆踊り
桜の季節が過ぎると、しだれ桜は鮮やかな新緑をまといます。
その清々しい景色は、また違った美しさを感じさせてくれます。
さらに、夏にはしだれ桜の下で盆踊りが行われ、地域の人々が集まり伝統を楽しむひとときがあります。
地元の方は「地元の人たちが集まる機会が少なくなってきたが、盆踊りは特別なもの。大事に続けていきたい」と話します。
【秋】紅葉の彩り
昨年は暑い日が続き、秋の訪れが少し遅れました。
しかし、境内ではモミジやカエデが美しく色づき、桜の葉が落ちた後も境内を華やかに彩ります。
しだれ桜の枝と紅葉のコントラストは、訪れる人々に静かな感動を与えます。
【冬】雪化粧と水墨画のような世界
冬の境内では、数回の積雪が訪れ、しだれ桜は雪化粧をまといます。
その姿はまるで水墨画のような幻想的な世界を生み出し、見る人の心を魅了します。
【守り続ける想い】治療と手入れ
樹齢300年のしだれ桜を守るためには、治療と手入れが欠かせません。
20年前、しだれ桜は一度枯れそうなほど弱っていましたが、樹木医の手厚い治療により、見事に復活しました。
住職の寺本さんは「受け継ぐことのプレッシャーはあるが、地域の人たちに出会えて自分も救われている」と話し、その使命感と感謝の気持ちを込めて桜を守り続けています。
【300年の時を超えて】未来へつなぐ桜
「いつまでも、この桜を次の世代に引き継ぎたい」
地元の人々の愛情と住職の努力が実を結び、今年も満開の桜が咲き誇りました。
見物客の一人は「五ヶ瀬の桜を見ると元気が出る。樹齢300年の桜、これからも頑張ってほしい」と話し、毎年この場所に足を運ぶそうです。
五ヶ瀬町を訪れる際には、ぜひ四季折々の姿を楽しんでみてはいかがでしょうか。