NOW ON AIR !

番組表
HOME 天気のサカイ目 ステイホームと天の岩戸

酒井晋一郎

天気のサカイ目

ステイホームと天の岩戸 2021年01月11日

年末の「UMKスーパーニューススペシャル みやざきこの1年」では、高千穂町で取材を行い、天気のサカイ目スペシャルを放送しました。

昨年はコロナウイルスの感染が拡大し、「3密」や「ステイホーム」、「ソーシャルディスタンス」、といった新しい言葉が生まれました。
その中で注目したのが、「ステイホーム」。いわゆるおこもりです。

最も古いおこもりを巡って辿り着いたのが、神話の舞台である高千穂町。
神代の時代に天照大神が天の岩戸にこもったと言われる、岩戸隠れの場所です。

210111天安河原.jpg

↑神々が集まって相談をした天安河原

 

神話や伝説として後世に伝わっている出来事は、現実に起こった出来事を表していることがあります。

岩戸隠れは、須佐之男命の乱暴に怒った天照大神が天岩戸の洞窟に隠れてしまったことを伝える神話ですが、ある天文現象を伝えるものだと考えられます。

 

太陽の神様が隠れてしまう出来事、ということで察しがつくかと思いますが、その天文現象とは「皆既日食」です。

 

例えば、古事記や日本書紀に記されている表現に、

「長鳴き鳥を鳴かせる」

とありますが、これは急に暗くなって動転した鳥獣たちが騒ぎ出す現象と重なります。

 

また、天照大神が「天の岩戸を少しだけ開ける」シーンは、皆既日食が終わって再び太陽が現れるときに出現するダイヤモンドリング現象に通じています。

国立天文台HP(2009年7月22日の皆既日食)
https://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/image2009.html

 

NASAのHP(https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEpubs/5MCSE.html)では、紀元前2000年から紀元3000年までの皆既日食の日時や発生場所を計算しているのですが、これによると古墳時代には九州で見られた皆既日食もあったようです。

 

高千穂町内では土器や石器類が多数出土しており、古代から人々が定住生活をしていた痕跡が見つかっています。
太陽が隠れる不思議な天文現象を目の当たりにした当時の人々が、その記憶を語り継ぎ、後世に記録として残されたのかもしれませんね。

アーカイブス

一覧を見る

Top