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酒井晋一郎

天気のサカイ目

今年の7月の台風発生数は? 2020年08月03日

先週金曜日の「天気のサカイ目」のコーナーで、「このまま7月に台風の発生がなければ統計開始以来初」と解説していました。

7月31日18時の段階で、台風になる可能性がある熱帯低気圧があったものの、最終的に台風へと発達したのは日付が変わった8月1日のこと。

統計開始以来「7月の台風発生数0個」という記録が誕生しました。

 

7月に入って夏本番となると、気温や海水温が高くなり、台風が発生しやすくなります。

平年の月別の発生数を踏まえると、

 

5月:1.1個、6月:1.7個、7月3.6個、8月5.9個、9月4.8個、10月3.6個
※上述以外の月は省略

 

となっているように、7月から急激に発生数が増えて、8月~9月にかけて発生の最盛期を迎える傾向を見せています。

 

台風がよく発生するのは北緯15度前後の低緯度帯で、フィリピンの沖合付近が多発地帯となっています。
この海域の海水温は今年の7月も十分に高く、台風が発生する条件を満たしているのですが、なかなか発生しなかったのは、フィリピンから遠く離れたインド洋の海水温が関係しています。

200803台風が少ない理由1.jpg

今年はインド洋全体の海水温が平年より高くなって海水が蒸発しやすくなり、上昇気流も強まっています。
上昇した空気はどこかで下降するのですが、その下降した先が台風の多発地帯であるフィリピンの東の海上となりました。
台風の成長には暖かい海水温のほかに上昇気流も必要なので、下降気流が強まると、上昇気流が抑えられて台風も発生しにくくなるんです。

200803台風が少ない理由2.jpg

なお、台風は8月に入って3号、4号と立て続けに発生しており、海域は異なりますが、メキシコ湾やカリブ海では異例の早いペースでハリケーン・熱帯低気圧が発生しています。
台風は熱帯の熱を極地方へ運ぶ役割があるため、今までの発生が少なかったとしても、本来は多発する時季となっています。

 

新たに台風が発生した場合は、必ず予想進路などの台風情報を確認するようにしてください。

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