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2026年10月19日

孤立しがちな育児に「心の声を聞く」パペットがひきだす親子の本音(2026年10月17日放送)

日々の育児に追われ、子どもとのコミュニケーションに悩む親たちの間で、手を入れて動かす人形「パペット」を使ったカウンセリング手法が注目を集めています。
宮崎市を拠点に活動する日本パペットカウンセリング協会の長友かなさんの取り組みや、実際にパペットを通じて不登校の娘や多感な子どもたちとの対話を深める家庭の姿から、家庭の空気を和らげるヒントを探ります。

人形を介して本音を引き出す

01 長友かなさん

宮崎市で活動するパペットカウンセラーの長友かなさん。
2年前に設立した日本パペットカウンセリング協会に所属する九州唯一のカウンセラーです。

  • パペットカウンセラー 長友かなさん:
    パペットカウンセラーとは、パペットを使って心の声を引き出すカウンセリングです。対人だと身構えたりしますが、パペットはふわふわで柔らかいので、すっと心に入っていけるような存在かなと思います。相手とカウンセラーが人形を交えて対話する方法と、自分が人形に語りかける"セルフカウンセリング"の2つの方法があります。

資格がなくても誰でもすぐに始められるカウンセリング。
長友さんのセミナーに参加するほとんどの人が、今、子育てに奮闘するお母さんたちです。

02 セミナー

セミナーは日頃の悩みや不安を共有する場にもなっています。

  • パペットカウンセラー 長友かなさん:
    実際に、私の子どもがこのパペットの存在に救われたっていうのがあって、その結果、私もすごく気持ちが楽になったので、「もしかしたら、お母さんたちの子育てに役立つんじゃないかな」と思って、こんな方法あるよと伝えています。

不登校の娘が心を開いた相棒

約1年前に不登校になり、フリースクールに週3日通っているうららさん(8)。
母の枝里子さんは、うららさんが学校へ通えなくなった出来事を機にパペットカウンセリングを取り入れました。

03 ぬいぐるみ「ゆきぴ」

30分のドライブに必ず同乗するのが、大きな犬のぬいぐるみ「ゆきぴ」。

04 パペットカウンセリング

パペットカウンセリングの方法は、パペットになりきって話すことです。激しい言葉は使いません。

  • ゆきぴ(母・枝里子さん):
    うららちゃん、抱っこしてくれてありがとう。ゆきぴ、抱っこしてくれると、ギューッて幸せな気持ちになるの。
  • うららさん:
    そうなんだ。オラフみたい。
  • ゆきぴ(母・枝里子さん):
    今日はすっと起きられて偉かったね。
  • うららさん:
    うん。

小学2年生の頃、学校に行きたくないと話すようになったうららさん。そんな時、枝里子さんは母親として厳しく接していました。

05 日髙枝里子さん

  • 母 日髙枝里子さん:
    保育園の頃からすごく自由な子で、自分はこうしたい、今はこれしたいという主張が激しかったんですよね。でも私は、わがままを許してはいけないと思って、どうにか学校に行ってもらおうと結構がんばらせてしまったんですよね。どこまでがわがままなのかが正直分からないんですよ。迷走状態ですよね。何言っても聞かないし、「ママなんて嫌い。分かってくれない」って、どんどん心が離れていってしまってるなっていうのを感じた時期に、学校も行かないとなってしまったので不安しかなかったですね。

そんな日々の中、ゆきぴが来てからうららさんに変化があったと話します。

  • 母 日髙枝里子さん:
    「何で嫌なの?」って聞いても、今までは答えてくれなかったんですけど、少しずつ自分なりに嫌な理由や、今日はどうしても動きたくない理由を話してくれるようになりました。聞きにくかったことをゆきぴを通してちょっとずつ聞くようになって、少しずつうららのことが理解できるようになっていったと思います。

06 うららさん

  • うららさん:
    (Q.どうしてゆきぴがいいなって思った?)かわいいから。寝るときにいっぱい話す。ゆきぴのことが大好き! 
  • うららさん:
    (Q.学校が終わったらゆきぴに何を話す?)「つかれた」って言う。ゆきぴは、「つかれたね」って言ってくれる。

家庭内の衝突を和らげる存在

セミナー受講者の河野由佳さん。中学3年生の娘と、中学2年生の息子がいます。由佳さんは2年前に相棒のパペットを迎え入れました。

07 河野由佳さん

  • 河野由佳さん:
    まず自分を癒やしたい。癒やされない過去があって、それがうやむやになってたり、家族のこと、子どものことで悩んでたりとかで、いつも頭が整理されない、「大丈夫だよ」っていう言葉をかけられることもない感じだったから、人をカウンセリングする前に、自分をカウンセリングできたらいいなって思いました。

由佳さんが選んだのは、自分を抱きしめることができる、手の長いパペット「マニモ」です。

08 パペット

  • 河野由佳さん:
    心の中で「マニモ、ママ今日も疲れたし、辛かった」って言うと、マニモが最初は何も言ってなかったけど、どんどん「ママ大丈夫だよ」って「ママ大好きだよ」「ママそれでいいんだよ。大丈夫、大丈夫」って言ってくれる。それが癖づけみたいな感じになって。夜寝る時間にマニモと対話することで、元の自分に戻れる。

自分の気持ちを大切にできるようになった由佳さん。家族との関わりの中でもマニモを登場させるようになりました。

  • 河野由佳さん:
    「ママが悪かった」って謝ったとしても、「別にいいし」って冷たい返事が返ってきて、「何その言い方」ってまたさらにそこからケンカ。で、結局空気が悪いまま、次の日持ち越すっていうのが繰り返されて、結局解消されないことが多かったんですよね。そこである時突然マニモを使って、「お姉ちゃん何で怒ってんの?」とか「お姉ちゃん出てきてよ」とか、むすっとしてる子供たちの前に登場させて、変なことをしてみたりして、笑わせるまでしつこく話しかけるようにしました。

09 娘 希望さん

  • 娘 希望さん:
    (Q.最初、どう思いました?)しつこいなって思ってました。でも途中からケンカがなかったぐらいに、面白くなってきて、空気が和む感じです。
  • 河野由佳さん:
    マニモをケンカに登場させるのはめっちゃ勇気いります。一か八かという時も多い。

10 カムカム

やがて、希望さんにも「カムカム」という相棒が加わりました。カムカムには、工事現場での夜勤のアルバイトと、飲食店の受付をしているという独自の設定もつくりました。パペットは家族間の緊張をユーモアに変える存在として定着し、日常会話のきっかけとなっています。

  • 娘 希望さん:
    (Q.パペットたちはどんな存在?)家族の中の友達。
  • 河野由佳さん:
    もっと早く自分に取り入れたかったし、もっと早く娘たちが小学生の時に取り入れることができたら、親子の関係も良かっただろうし、私がいろいろ子供たちに助言とかアドバイスとかできたことも変わっただろうなって思います。

悩みを抱える母親へ送る言葉

長友かなさんは、孤立しがちな育児の中で葛藤を抱える保護者に対し、「一人ではない。皆が悩んでいる」と話します。

11 長友かなさん

  • パペットカウンセラー 長友かなさん:
    「もう1人じゃないよ、みんな悩んでるよ」って言いたいです。悩んでることは悪いことじゃなくて、子どもに真剣に向き合ってるから悩むんですね。もっと良くしたいとか、もっと改善したいとか、もっと子供の笑顔を見たいって思うからすごく悩むんですけど、「十分やってます。100点」って言いたいです。ちょっと疲れたなって思ってるお母さんの顔に笑顔が戻るとか、そういう瞬間があったらすごくいいなと思います。

(テレビ宮崎)

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