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2023年07月03日
宮崎市独自の児童相談所を開設へ(2023年07月01日放送)
宮崎市は今日、こども家庭支援課に児童相談所設置準備室を設置しました。
- 【児童相談所】
児童家庭福祉に関する専門的な知識や技術を持つ相談支援機関。
十八歳未満の全ての児童を対象に、何らかの理由で養育が困難になった場合や虐待を受けた場合などの養護相談や育成相談など、多岐にわたって受け付けている。
2021年度に県内の児童相談所に寄せられた相談件数は4145件で、このうちの半数以上にあたる2110件が、児童虐待の相談を含む養護相談です。
児童相談所での対応
児童相談所には「福祉司」という職種の職員が相談の窓口になり、調査します。
児童に関する名前、年齢、住まいなど世帯の状況について確認した後、学校や保育園に普段の様子を伺うなどの調査を進めます。
児童が今どのような状態なのかを確認。
ケガをしていれば児童の安全を最優先に身柄を一時的に児童相談所で預かる「一時保護」の対応を最優先にすることもあります。
県中央児童相談所の飛鳥井祐二所長は、「全国で痛ましい事件がなかなか後を絶たないという状況のなか、身近な地域においていつ起きてもおかしくないという意識で危機感を持って対応に努めている」と話します。
宮崎県の3つの児童相談所
県内には、中央・都城・延岡の三つの児童相談所があります。
このうち、宮崎市を管轄しているのが「中央児童相談所」で、宮崎市 以外にも 2市7町1村を管轄しています。
今年3月、宮崎市の清山知憲市長は独自の児童相談所の設置に踏み切ると発表しました。
2021年度県が運営する中央児童相談所には988件の児童虐待に関する相談があり、このうちおよそ7割にあたる671件が宮崎市からの相談でした。
現在は児童相談所の相談を受けたら、県と市が連携を取り、子どもにとってより良い方法を検討していきますが、独自の児童相談所を設置することで市単独で判断することが可能になりスピード感をもって対応することができます。
「専門職の育成・配置」のプロジェクト
今週始まった宮崎市議会の一般質問の最初の質問が、「児童相談所の開設」についてでした。
清山市長は、7月1日に「児童相談所 設置準備室」を設置し、これを起点に、市役所内の関係部局による検討組織の立ち上げや学識経験者などによる検討会議を始めることを市議会に示しました。
この中で開設までに時間がかかることとして挙げられたのが、「専門職の確保」。
児童福祉司を始め、児童心理司、医師、保健師など様々な専門職60人以上が必要になると想定しています。
清山市長は、「まずは専門職員の育成・配置が重要」と述べ、中核市の設置・保健所の開設・周辺町村との合併に次ぐ大きなプロジェクトであると考えていると話しました。
専門職の育成には、子どもたちの心のケアに努める児童心理司の研修など時間がかかるため、清山市長は児童相談所の開設までに5年程度かかると見ています。
また設置場所については、アクセスしやすいなど利便性が高く、関係機関と連携が取りやすいなど、様々な角度から検討するとしています。