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2022年12月05日
修学旅行の新たなカタチ(2022年12月03日放送)
コロナ禍で各学校が独自の修学旅行を行っている中、今回は、「思い出作り」プラス「さまざまな学び」がある修学旅行を紹介しました。
五ヶ瀬町小学校の修学旅行
10月9日、宮崎大学を訪れたのは五ヶ瀬町内4つの小学校の6年生20人。
大学を見学したあと、子供達は法被を羽織って手作りのプレゼンテーションを披露!
自分たちが暮らす五ヶ瀬の魅力をPRしました。
この日のために、半年間準備してきたというこどもたち。
町内の小学校では五ヶ瀬の魅力を学ぶ「G授業」を1年生の頃から行なっているそうで、大学生からの質問にもしっかりと対応していました。
- 【話:大学生】
ブドウの写真がありますが、これは五ヶ瀬でとれるブドウですか? - 【話:五ヶ瀬町の子どもたち】
上組地区でとっているブドウです。そのブドウでワインを作っているので美味しいです。飲んだことないけど・・・
Q:学生の反応はどうでしたか?
- 【話:児童】
結構手応えありました!(学生たちの)大体は来てくれると思います。
ふるさとの魅力を自ら調べ自分の言葉で伝える。修学旅行で街の小さなセールスマンたちが活躍していました 。
東京からの修学旅行生を受け入れる都農町
都農町の商店街を散策する高校生たち。
商店街の課題について説明を受けたり商店主に話を聞いたり、熱心に話を聞く彼らは・・・
- 【話:高校生】
私は杉並っていう所に住んでいます。
彼らは東京都の新渡戸文化高校の高校生。
この高校では去年修学旅行を大改革!名称を「修学旅行」→「スタディーツアー」に変更しました。
行き先はこれまでの京都や奈良から、全国15の地域から選ぶスタイルに変更。
回数も、高校生活で一回だったものを1年と2 年時に2回ずつの計4回行い、生徒自らが選べる旅に変えました。
- 【話:新渡戸文化中学・高校 山藤旅聞(さんとうりょぶん)副校長】
今までの修学旅行は未来を考えることにつながる教育になっていたのか?ということを全職員で考え直し、未来につながる修学旅行にしていこうかと。
今回都農町の商店街を選んだ3人は、都農町でまちづくり会社を経営する中川敬文(けいぶん)さんから商店街の課題について説明を受けました。
- 【話:まちづくり会社イツノマ 中川敬文さん】
日本の商店街の特徴でもあるんだけど、通りの正面はお店なんだけど、その奥に住宅が続いている。
店は閉まっちゃってるけど奥には(人が)住んでいるから、「ここの空き家を貸して」と言ってもなかなか貸してくれないの。トイレが共有だったりするから。空き家題の本質は、僕は「貸してくれる人がいない」てことだと思ってる。
- 【話:東京から来た修学旅行生】
かっこいい大人の人がたくさんいるなって。
憧れというか、そういう大人に会えるっていうのがスタディツアーの魅力。
商店街を見た後は、活性化策をディスカッション。
このような旅行の受け入れは、都農町にとってもメリットがあると中川さんは話します。
- 【話:まちづくり会社イツノマ 中川敬文さん】
(活性化策は)「私が考えた」とか「これは地元の人たちと話したんだ」ということがあると、自分ごとになってくる。都農町の人口がこれから増えていくとは考えにくい時に、「関係人口」と言われるように、そのファンを作るというのがすごく大事だと思うんです。
小林市の修学旅行受け入れ
地域にとってもメリットのある修学旅行の受け入れ。
自然豊かな小林では、小林市・えびの市・高原町の農家30軒が参加する「北きりしま田舎物語推進協議会」が、2013年から農家民泊で修学旅行を受け入れています。
今から8年前、番組では関東からの修学旅行の受け入れを取材しました。
横浜デザイン学院高等課程の生徒達が農家民泊で田舎の魅力を満喫。
多い年にはおよそ2000人を受け入れ、地域の魅力を発信してきました。
しかし、新型コロナの影響で県外からの受け入れは減少。
そんな中、対象を県内の中学生に絞って受け入れを続けてきました。
この日は宮崎西高附属中の体験学習
田舎暮らしを楽しみながら地域の自然や食文化などを学ぶ農家民泊。
受け入れ農家があたたかく出迎え、それぞれの宿泊先では笑顔と交流の輪が広がります。
小林市の蛍の名所「出の山公園」を訪れた生徒達は、雨水を蓄える森の役割など「水資源」について学び、実際に湧水を味わいました。
現在県外からの修学旅行の受け入れを再開。再び多くの子供達が農家民泊を利用することが期待されます。
- 【北きりしま田舎物語推進競協議会 福本 誠作 会長】
生活する、一緒に収穫する、ご飯作る、一緒に食べるというのを県外から来てもらって、宮崎の良さをもっと知ってもらう。
それが一番のこれからの目的かなと思ってます。
受け入れる地域にとっては、魅力発信に繋げる機会となっている修学旅行。
学校にとっては自ら調べる探求心が加わることで、より学生生活の思い出が色濃くなるのかもしれません。