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2024年06月03日
線状降水帯の発生予測 府県単位の発表に(2024年06月01日放送)
ここ数年全国で甚大な被害をもたらしている線状降水帯。
今回は今週から始まった予測情報の新たな運用をお伝えしました。
線状降水帯とは?
次々と発生した発達した積乱雲が数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞し大雨をもたらす現象のこと。
暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が非常に不安定となり積乱雲が発達。
上空の強い風が発生した積乱雲を風下へと移動させていくため、ほぼ同じ場所で線状にわたって強い雨の領域が現れます。
去年8月県内に大雨をもたらした台風6号では県の南部山沿いと北部に線状降水帯が発生。
24時間雨量が日之影町で387.5ミリ、椎葉村で375ミリ、小林で352ミリと8月の観測史上最大となり、各地で土砂災害や浸水被害が起きました。
線状降水帯が山地にかかると土砂災害の発生の危険度が急激に高まったり、河川の上にかかった場合は急激に水位が増加し氾濫の発生の危険性が高まったりなど災害発生の危険度が急激に高まるという特徴があります。
全国的に線状降水帯による豪雨災害が増加
2017年、福岡や大分で甚大な被害をもたらした九州北部豪雨。
2018年の西日本豪雨では広島や岡山などで200人を超える犠牲者が出ました。
線状降水帯によって甚大な被害が頻発していることから、気象庁では2021年から線状降水帯の発生を知らせる情報提供を開始。
2022年からは線状降水帯発生半日前予測の運用を始めました。
線状降水帯の発生予測が細分化され、府県単位での発表が開始(5月27日 ~)
線状降水帯発生の半日前予測はこれまで全国を11ブロックに分けた地域単位で発表され、宮崎は九州南部などの区分でした。
5月27日からはさらに細かく分けられ府県単位での発表になりました。
従来の2倍の計算能力を持つスーパーコンピュータを導入したことにより、高解像度の予測がこれまでの10時間先から18時間先まで可能となるほか、降水量予測をもとに災害の危険度も把握できるようになりました。
- 【話:宮崎地方気象台 小堀賢司防災気象官】
宮崎県という形で呼びかけることによって、より自分のこととして感じていただいてより情報を効果的に活用いただけるのではないかと考えています。
府県単位の発表になっても予測の的中率は4回に1回程度とこれまでと変わりません。
気象庁では今後さらに予測の精度を高め、2029年には市町村単位での情報提供を目指していきたいとしています。
線状降水帯の発生予測が発表された時の行動
まだ雨が降っていないタイミングであっても、これから大雨の危険性が高まるため、避難できる準備や心構えをしておくことが必要。
気象情報や自治体が発表する避難情報をこまめに確認しながら、河川の付近や崖や裏山が近くにある場所など比較的危険な場所にお住まいの方は、あらかじめ 親戚や知人のお宅に避難しておくことも検討してください。
気象予報士の酒井さんによると、今年の九州南部の梅雨入りは例年より遅くなる見込みで、6月中旬頃と予想されています。
また3カ月予報では梅雨の時期にあたる6月7月の降水量が平年並みか多くなる予想です。
天気予報に加え注意報警報などの気象庁からの情報、そして自治体からの避難情報などをこまめに確認して早め早めの対策を心がけてください。