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明治のハイカラな洋風意匠が光る建築「願心寺(がんしんじ)」本堂が国の重要文化財に指定へ 和洋折衷の斬新なデザインが魅力

2026年11月05日

明治39年に完成した和洋折衷の斬新なデザインが魅力の宮崎県都城市「願心寺」の本堂。建築史における高い価値が認められ、国の重要文化財に指定される見通しとなった。禁制(きんせい)や廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)といった過酷な歴史を乗り越え、門徒たちの思いがつむいだ120年の歩みに迫る。

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和洋折衷の建築様式をもつ本堂

明治時代、社会が大きく変化していく中で建てられた浄土真宗本願寺派「願心寺」。

地方での浄土真宗の歴史を知る上でとても価値が高いと、文化庁の文化審議会から評価を受けた 。

本堂は斬新な形態や細部にこだわった彫刻などが特徴だ。都城市教育委員会の栗山葉子さんに案内していただいた。

栗山葉子さん:
特徴の一つが前方にある門のような構えの向拝(こうはい)という部分。本堂に立派な門のようなものがついているのが特徴です。本来であればこの部分は開放的になっています。願心寺の場合は左右、それから正面に壁をつけておりまして、閉鎖的な空間としております。

向拝の部分には、十二支をはじめとした繊細な彫刻も施されている。

栗山葉子さん:
また本来、障子などである扉が、ガラス扉となっております。非常にハイカラというか、斬新な造りになっていると思います。

天井は「折り上げ天井」という格式の高い建築様式で、天井の中央部分が一段高くなっている。本堂の、参拝者がいるところでこのような構造であることは珍しいという。

さらに、豪華なシャンデリアも非常に特徴的だ。和の寺院に洋のシャンデリアがあることが非常に珍しい。

本堂の外観にも特徴的な部分がある。

栗山葉子さん:
お寺に特徴的な和風の火灯窓と、三角形のペディメントと呼ばれる洋風建築の上げ下げ窓を備えています。この時代の建物があまり残っていないのと、寺院にあって洋風のものを用いているところが非常に珍しいです。

先人の苦労と今後の展望

明治時代の文明開化の影響を受け、洋風のデザインやシャンデリアを取り入れたとても斬新な本堂だが、完成に至るまで過酷な歴史をたどってきた。

願心寺 大河内隆之住職:
旧薩摩藩では私どもの念仏の教えが島津氏の統治の原則に反するという、「人間は平等」ということが藩の統治に邪魔をしたということで、長い間、禁制下におかれました。

願心寺 大河内隆之住職:
禁制がとけて廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の波をくぐり抜け、ご本山本願寺がこの地に開教の歩みを進めました。この建物を造るときに、霧島山麓から門徒総出でケヤキの木をひいてきて、7年という歳月を経てこの伽藍(がらん)【寺院】を完成させました。当時の方々の思い、そして本堂が完成した時の喜び、いかばかりだったろうかと拝察します。先人の思いに応えてこの地とともにこの本堂を守っていきたいと思っています。

栗山葉子さん:
都城市として建造物が国の重要文化財になるのは2件目です。大変喜ばしく貴重なことと思っています。お寺は広く地域に開かれておりますので、ぜひお寺の本堂を見ていただいて、建物に由来する地域の歴史に興味を持っていただければありがたいです。

完成から120年という長い年月を刻み、今もなお地域に開かれている願心寺。当時の人々の熱い思いや、時代を映す美しい建築に触れに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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