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熊本地震から1ヶ月 苦渋の廃業を迫られる「生業再建」の深い苦悩
2026年09月08日

最大震度7の地震発生から1カ月が経過した熊本県。被災地では、周囲を励まそうと営業を再開させた飲食店や、もう一度農業にチャレンジする親子がいる一方で、巨額の復旧負担から長年続けた農家の廃業という苦渋の決断も生まれている。現地取材から、今なお続く「生業(なりわい)」再建の深い苦悩と、いま求められる息の長い支援の姿を追った。
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八代市の商店街で灯る希望
熊本県の集計によると、8月28日時点での犠牲者は災害関連死の疑いがある人を含めて38人に達し、住宅被害は5万3802棟に上る。今なお2400人余りが避難生活を余義なくされている。

八代市の本町アーケード街では多くの店舗が被災し、地震発生から時間が経った現在もシャッターを下ろしたまま臨時休業となっていた。

8月16日、アーケードの一角で中華料理店「太楼」を営む武部小太郎さんは、自らの店舗も被災する中で商店街の人々を励まそうと炊き出しをしていた。
太楼 武部小太郎さん:
2週間くらい経つので、もう前向いて頑張らないといけないなと思って。どっかに行こうかなと思ったけど、自分もここで商売してるので、まずはここの人たちを元気づけられたらなと思って。

その後、武部さんは地域の人々の協力を得て食材の調達などの準備を進め、地震から約1カ月が経った8月25日に店舗の営業再開を果たした。
度重なる被災を乗り越えるイチゴ農家
八代市に隣接する人口約1万人の氷川町では、特産品にも大きな被害が出ている。

イチゴ農家では苗を植える土台が大きく崩壊。

イチゴ農家 境一樹さん:
これはどうにもできないですもんね。本当こればっかりは。
イチゴ農家の境さん親子は、10年前の熊本地震で自宅が全壊。2025年8月、熊本県に甚大な被害をもたらした大雨では、農機具が浸水するなどの被害を受けた。
追い打ちをかけるように発生した今回の地震。それでも親子で続けてきた農業を守ろうと前を向いている。
イチゴ農家 境利晃さん:
今年復旧するために、クラウドファンディングだったりとか利用するところを利用して、チャレンジしていくしかないのかなと。
150年続く家と作業場が被災し廃業を決断
一方で、苦渋の決断を下す事業者も。

い草農家の中島匠さんは、今回の地震で築150年の実家と作業場が全壊した。

い草農家 中島匠さん:
正直うわ~としか思わなくて。なるようにしかならないかなと、家族みんなで話してた。

道路側に大きく傾いた小屋の2階から、7月に収穫したばかりのい草約30トンを運び出した。

通常、収穫したい草は1階の作業場でゴザにして出荷するが、傾いた小屋の1階での作業は難しく、今年収穫したい草はそのまま出荷することに決めた。
い草農家 中島匠さん:
小屋は物価高とかでいくら補助金が出てもたぶん何百万という手出しが必要なので、払えないかなという話はしてた。家も建て直さないといけないので、どっちにしろ家が優先になるので、い草はもうしない。

さらに地震による断水の影響で、田んぼに植えたい草の苗は半分以上が枯れていた。
い草農家 中島匠さん:
水が全くこない状況。ざっと見て半分以上が枯れてるんで、もうどうしようもない。米とかほかの作物とかも視野に入れて、何かしら作っていって、生活できたらいいかなと思っている。
問われる息の長い支援
熊本県によると、農林水産業における被害額は1543億円余りに上っている。
専門家は、地震の揺れによって田畑の地殻や地下水脈が変動したことが被害を拡大させており、影響が長期化するおそれを懸念。
農林水産省は農家への支援策を順次発表しているが、自宅と職場の双方を失った被災農家からは「復旧費用の9割程度が公的補助で賄われなければ再建は到底不可能だ」という切実な声が上がっている。
避難生活の解消に向けた住まいの確保だけでなく、個々の事業者が直面する窮状に寄り添った、持続的かつ実効性のある復興支援策の実行が強く求められている。










