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抹茶ブームの裏で煎茶文化に危機が 原料の「荒茶」入札価格は前年の約2倍に 生産転換、農家減少...お茶業界に起きているうねりとは

2026年06月29日

私たちの身近にある「お茶」。宮崎県が全国4位の生産量を誇る、煎茶や深蒸し茶などの原料となる「荒茶」の価格が、過去最高を記録している。茶の販売業者では仕入れ価格の高騰により、商品の内容量削減を余儀なくされるなど、経営への影響が深刻化している。

【動画】変わるお茶業界 抹茶ブームの裏で煎茶が危機

荒茶価格が過去最高を記録

宮崎県内のお茶生産が大きな転換期を迎えている。4月に実施された荒茶の初入札会では、平均価格が1キロあたり8583円に達した。前年と比較して約2500円高く、過去最高値を更新した。

新富町で50年以上の歴史を持つ日本茶専門店「新緑園」では、約2ヘクタールの茶畑で年間約6トンの荒茶を生産する一方、不足分を外部から仕入れている。

例年は、4月から7月にかけて1年分の荒茶を仕入れているが、今年は異変が起きているという。

新緑園 黒木信吾社長:
今年は仕入れ価格が非常に高いので、例年より在庫も少ない。価格が今年は高くなると予想はしていましたが、ここまでは予想していなかったので、今後は急ピッチで販売の作戦を練り直さないといけないなと感じている。

茶商でつくる団体の会長も務める黒木さんによると、一番茶の荒茶の平均入札価格は1キロあたり約4000円と、前年の約2倍にまで上昇したということだ。

てん茶への生産シフトが加速

価格高騰の要因は、生産農家の減少と、抹茶ブームに伴う 「てん茶」への生産転換にある。

宮崎県内の荒茶生産農家は10年前には597戸あったが、2025年には約4割の340戸まで減少した。

一方で、抹茶の原料となる「てん茶」の生産量は急拡大している。県内の生産量は2024年の182トンから、2025年は304トンへと約1.7倍増加した。JAみやざきによると、平均価格も入札を開始した2024年と比較して、2026年は約3倍に跳ね上がっている。

世界的な抹茶需要に応えるため、新緑園では2025年秋に抹茶加工機を導入した。

同社にも国内外からの問い合わせが急増しており、黒木さんはこの大きな抹茶市場のうねりに対応するため、製造・販売体制を強化していると話す。

苦渋の決断と今後の展望

しかし、煎茶などの既存製品は、原料高騰の影響を免れない。新緑園では抹茶を含む約100種類、年間約50万袋の商品を販売しているが、2026年の新茶からは、仕入れ価格の高騰を受け、低価格帯の商品を減らして対応。また、100gで販売していた商品を80gに減らさざるを得ない状況だ。

新緑園 黒木信吾社長:
高値といわれている荒茶の価格が、今後はスタンダードなものになっていくと考えている。お茶も、消費から流通、全ての面において、変化している真っ最中だと思う。そこにいかに対応していくかが、企業の力になると思うので、諦めずに前向きにやっていきたい。

煎茶と抹茶、そのバランスを取りながらの工夫が続く中、企業としていかにこの変化へ対応していくかが、今後の存続を左右する鍵となる。

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