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消費税分「5%還元」に沸いたあの日 寿屋・ダイエー・ボンベルタ...不況に挑んだ小売店の意地とは【榎木田朱美の宮崎アーカイブ・1998年】

2026年04月14日

テレビ宮崎の榎木田朱美社長がアナウンサー時代に手掛けた取材とアーカイブ素材から、「今」につながる様々な出来事をひもとく特別企画。今回は1998年の「消費税還元セール」から、当時の物価高対策を振り返ります。

【動画】消費税分「5%還元」に沸いたあの日 寿屋・ダイエー・ボンベルタ...不況に挑んだ小売店の意地とは【榎木田朱美の宮崎アーカイブ・1998年】

今から28年前。1998年の宮崎の街は、「5%」をめぐる熱い戦いの渦中にありました。今回のアーカイブは、当時アナウンサーだった榎木田朱美社長がリポートした「消費税還元セール」の記録です。(1998年11月放送)

不況を吹き飛ばせ!百貨店・コンビニの決断

1997年、消費税率が3%から5%に引き上げられました。その翌年、長引く不況で冷え切った消費を呼び戻そうと、宮崎の街はある「熱狂」に包まれていました。

榎木田朱美アナ:
消費税還元の動きは県内の量販店にも広がっています。こちらのデパートでは今週の金曜日から消費税5%分の割引を行います。このセール、不況の中、消費者のハートを掴むことができるのでしょうか。

宮崎を代表する小売店各社は、自らの利益を削ってでも消費を呼び戻そうとする「決死のセール」に打って出ました。期間限定ながら、消費税相当の「5%」を割引したり、商品券を配布したりすることで、消費者に還元しようという試みです。当時のニュース原稿には、今では懐かしいあの店、この店の名前が並びます。

ボンベルタ橘: 「生活応援セール」と銘打ち、レジで5%を直接割引
ダイエー宮崎店: 1万円の購入で「500円」の商品券を配布
宮崎寿屋百貨店: 5000円の購入で「510円」の商品券を配布(5%以上の還元!)
セブン-イレブン: 県内66店舗で5%還元セールを実施

榎木田朱美アナ:
ここ最近の不況の風というのは厳しいですか?

百貨店の担当者:そうですね。本当に、お客様はそこそこ来ていただいているのですが、売上の単価が、1つのお買い上げ金額が、非常に落ちてきているという実態があります。食品コーナーの中でも、「お買い得価格」から、さらにその5%の還元ということですので、非常に期待をしています。

百貨店の担当者:内需の拡大と言いますか、需要の拡大を促進することを我々は目的として、今回、「お買い物券企画」というものをやらせていただきます。この企画を実施することによって、お客様に支持していただけると確信しています。

買い控えの続いていた消費者が一気に動いた

そしてやってきたセール初日、街は買い物客の熱気であふれていました。このうちダイエー宮崎店の商品券は有効期限が1月末に設定されていました。年末年始商戦につなげたいという狙いもあったようです。消費税分を削ってでも消費を刺激し、不況を乗り切りたいという各社の戦略に、消費者からは歓迎の声が聞かれました。

買い物客:

(還元セールは)嬉しいですね。やっぱり子供もいますので。

大歓迎です。他のところも、どんどんやってほしいですね。

でも、一番ありがたいのは消費税を下げてもらう事です。

セール効果は絶大 高額商品は50%増も

このセールの効果は絶大でした。セール開始5日後の報告では、ダイエー宮崎店で前年比30%増、ボンベルタ橘で40%増、セブン-イレブンでも15~20%増という驚異的な数字を記録。特に家電や家具などの高額商品は50%も伸びました。

買い控えを続けていた消費者が、この機会をいかに待ち望んでいたかが浮き彫りになったのです。

榎木田朱美社長(現在)の回想

当時を振り返り、榎木田社長はこう話します。

【キャスターとして大事にしていた「消費者の手ざわり感」】
キャスターになって、「宮崎の消費者の手ざわり感」を最も強く感じたのが、この消費税還元セールの取材でした。3%から5%への増税は当時非常に衝撃的で、県内経済も冷え込んでいました。だからこそ、各社が手を携えてセールを打ち出し、買い物客の皆さんが「買い控えていたけれど、今こそ買おう」と動く、その直結した反応を目の当たりにしたことは忘れられません。

【時間をかけて何度も現場へ】
還元セールは期間限定ですが、その後の景気がどうなるのか。私たちはキャスターとして、ニュース番組として、しっかり見続けなければならないという思いで、時間をかけて何度も現場へ足を運びました。子育て家庭がどれだけ家計を切り詰めていらっしゃるか。市民の皆さんの切実な声とお財布事情を聞き歩いた経験は、私の経済感覚の原点になりました。消費と景気は、常に寄り添って追い続けなければならないテーマだと今も確信しています。

【変わりゆく中心市街地への思い】
当時はボンベルタ橘、寿屋と、中心市街地に活気ある店舗がたくさんありました。今はその多くが姿を消し、街の風景も変わりましたが、映像の中にあるあの熱気は、間違いなく宮崎の元気の象徴でした。今のニュースでも、県民との距離を一番近くに感じられるような、現場の声を大切にする取材を続けてほしいと願っています。

2026年:消費税めぐり「国民会議」

1998年当時、私たちが負担に感じ、買い控えにつながっていたのは、「3%から5%への増税」でした。2026年現在、消費税率は10%(軽減税率8%)となり、さらに世界的な物価高騰が私たちの生活を直撃しています。政府は飲食料品の消費税を2年間に限ってゼロにすることを検討するため、「国民会議」を設置しました。

当時は「500円の商品券」が大きな買い物への起爆剤になりましたが、今では卵1パックとわずかな野菜でその金額に達してしまいます。時代が変わっても、「少しでも生活を良くしたい」と願う消費者の思いは、今も変わりません。

「あの日、あの時」の宮崎。あなたの記憶にある消費税と税率アップは、どんな意味を持っていましたか?

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