番組表
「在来のヤマメ守りたい」放流に頼らぬ環境作り 小丸川で進む人工産卵場の造成とヤマメの繁殖行動を確認
2026年01月11日

紅葉の美しい晩秋、「渓流の女王」と称されるヤマメが産卵期を迎えた。しかし、近年の相次ぐ大雨や台風によって清流に土砂が流入し、ヤマメの生息環境は劇的な変化を強いられている。環境の変化に立ち向かうべく、宮崎県の小丸川では在来のヤマメを保護するための新たな取り組みが始まっている。
【動画】"渓流の女王"ヤマメを守る! 晩秋の上小丸川でヤマメの産卵場づくり
晩秋の清流・小丸川とヤマメ
木々が鮮やかに色付く11月初旬、小丸川の源流域では、ヤマメが産卵場所を作る姿が見られた。

(11月の小丸川源流域)
秋の終わり頃に産卵期を迎えるヤマメは、尾びれを懸命に動かして川底を整える習性がある。

(尾びれを使って産卵場所を整えるヤマメ)
ヤマメは、砂利や小石が敷き詰められ、水の流れが良い場所を産卵場所に選ぶ。

(苔が剥げた川底)
ヤマメが整地した場所は苔が剥げ、川底が白く浮き上がる。
かつては清流として知られた小丸川も、現在は台風や大雨による土砂や石の流入に悩まされている。
ヤマメの産卵場づくり
本来の産卵場所が失われつつある現状を受け、10月には上小丸川漁協と九州各地から集まった釣り人が協力し、人工産卵場の造成に乗り出した。

人工産卵場の造成は、川底を平らに整えた後、産卵に最適なサイズの小石を厳選して川底に敷き詰め、ヤマメが産卵しやすい環境をつくる。

(川底に敷く小石の選別をする人たち)
協力して小石を選別していく。

(川に小石を撒く人)
産卵場を造成する場所は、以前はヤマメが産卵していたが今は石や砂が流入して近年産卵していない場所だ。

(産卵場の川底)
作業開始から3時間。産卵に適した川底ができあがった。

(上小丸川漁協の長友智紀理事)
上小丸川漁協理事 長友智紀さん:
近年の研究で、放流が思ったより効果がないと分かってきていることと、小丸川特有の遺伝子を持ったヤマメがまだ残っていることが分かったので、在来のヤマメを守りつつ、効果的に増殖ができる方法ということで産卵場を造成した。
2週間後に確認された成果
作業から2週間後。

造成された場所でヤマメの産卵行動が確認された。

長友さんは、「ペアを作っているヤマメが見られたので、多少なりとも効果はあったのかなと思う。試行錯誤しながら継続していきたい」と話す。

(小丸川の環境再生に向けて協力する参加者たち)
放流だけに頼らず、自然に近い形で繁殖を支える人工産卵場の造成は、今回で2回目。ヤマメが自然の中で繁殖し続けられる環境づくりに向け、着実な一歩が刻まれている。











