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南海トラフ地震は12月が多い...専門家「たまたまです」 冬の深夜は被害が拡大しやすい 防災グッズも「衣替え」を!
2025年12月09日

本格的な冬の到来を迎え、災害時の低温や乾燥による火災のリスク、避難の遅れといった冬特有の要因が被害を拡大させる可能性がある。防災グッズの「冬仕様」への見直しについて、宮崎公立大学准教授(観測地震学)・宮崎県の地震専門部会委員の山下裕亮さんに話を聞いた。
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南海トラフ地震、12回中5回が12月に発生
まずは「南海トラフで過去発生した大規模地震(内閣府)」のリストを見てみる。

白鳳南海(684年)、仁和南海(887年)、永長東海(1096年)、康和南(1099年)、正平南海(1361年)、明応東海(1498年)、慶長(1605年)、宝永(1707年)、安政東海(1854年)、安政南海(1854年)、昭和東南海(1944年)、昭和南海(1946年)
このうち5つの地震には、ある共通点があるという。

それは、「12月に発生している」ということだ。
永長東海(12月17日)、安政東海(12月23日)、安政南海(12月24日)、昭和東南海(12月7日)、昭和南海(12月21日)
12月の発生が多いことには、何か理由があるのだろうか...?
宮崎公立大学 山下裕亮准教授:過去の地震を並べてみると、12月が多くなっていますが、これは「たまたま」なんです。あくまでも「たまたま」なので、12月に地震が起こりますよ、ということを今から言うわけではありません。ですが、これをきっかけに、「冬の地震の備え」について、考えていただきたいと思います。

内閣府が2025年3月に公表した「南海トラフ巨大地震による宮崎県での被害人数想定」では、「冬の深夜」に地震が発生した場合、死者数は最大3万9,000人に上るとされる。
「夏の昼」の場合と「冬の夕方」の場合は、いずれも約2万7000人の想定となっており、「冬の深夜」とは1万人以上の差がある。
なぜ「冬の深夜」に被害が大きくなるのだろうか?3つの理由が挙げられる。
一つ目は、冬の寒さによる低体温症や風邪、感染症の流行。
二つ目は、空気が乾燥し、火災が発生・延焼しやすい環境であること。
三つ目は、就寝中の発生により、避難行動が遅れてしまうこと。
山下さんによると、この3つの理由のうち3つ目の「避難行動が遅れる」ことが、津波が来たときの被害拡大に最も影響を与えるという。
冬の防災グッズ ここが見直しポイント
本格的な冬を迎えた今、多くの家庭で準備されている防災バッグの中身が「冬仕様」になっているか、確認が必要だ。

常備しておきたいグッズとして、まずは定番の防寒グッズであるカイロ。普段の買い物ついでに購入できるため、常に一定量を備蓄しておくと良いだろう。また、インフルエンザなどの感染症が流行する冬場には、マスクやアルコール消毒液も重要となる。

さらに、寒い冬の夜には温かい食事が心身を落ち着かせる。「携帯用加熱袋」は、カセットコンロのようにかさばらず、缶の飲み物やパックご飯などを温めることができる便利なアイテムだ。

使い方は、付属の発熱剤を袋の底に置き、その上に温めたいものを入れ、約80mlの水を注ぐ。

すぐに発熱が始まり沸騰、約15分で温まる仕組みだ。

児玉アナが持とうとすると、「あ、熱いですね」という反応。温かい食事は避難生活において、体だけでなく心の安らぎにもつながるので、こういうものがあると良いと感想を述べていた。

また、女性は手足の冷えに悩む人が多い。もこもこ素材の温かい靴下などは普段使いだけでなく災害時にも役立つ。こうした防寒具は意外と見落としがちなので、今一度見直していただきたい。
防災グッズも「衣替え」を
冬は災害による被害のリスクが拡大する時期。忘年会などで、家族が別々の場所にいる時間が増える時期でもある。この機会に冬の衣替えとあわせて、防災グッズも「衣替え」してほしい。











