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すぐにはできない事業承継 44年愛される老舗寿司店、81歳店主が高齢で事業承継を決断 引継ぎ支援センターの協力を得て後継者探しへ
2025年09月27日
宮崎市で44年愛されてきた老舗寿司店「寿司処万惣」の81歳の店主が後継者を探している。長年地域に愛されてきた店の味と歴史を繋ぐため、事業承継・引継ぎ支援センターの協力を得て、新たな担い手を探す。後継者不足は県内の中小企業全体の高齢化という課題を反映しており、事業承継への関心が高まっている。
老舗寿司店「万惣」、後継者探しへ
帝国データバンクによると、2024年の県内の経営者の平均年齢は60.2歳と高齢化が進んでいる。事業承継はすぐにはできない。準備から完了までに5年から10年かかると言われていて、県事業承継・引継ぎ支援センターでは事業承継にむけて計画的な準備が必要と呼びかけている。
宮崎市清水町にある老舗寿司店「寿司処万惣」。
極屋さんは福岡県などで修行後、宮崎に移り43年前に「万惣」を開業した。
長年培ってきた技術で握る寿司は、多くの市民に愛されてきた。
「二十歳でこの道に入った。一人前になるのには10年、基礎を勉強したらあとは恥をかきに行く」と、職人としての道を振り返る。
「宮崎に福岡から来て、3年勤めて福岡に帰るつもりが住めば都。『あ〜宮崎いいな』って」と宮崎に根を下ろした極屋さんだが、「高齢でもあって自分に後継者がいないからね」と、後継者不在の現状を語る。
妻と共に決断、事業承継・引継ぎ支援センターの協力を得て
共に店を支えてきた妻の華子さんも体力的に続けることが難しくなり、二人で話し合って後継者を探すことを決断した。
万惣 極屋廣繁さん:
商工会議所にずっと入っていて、商工会議所のある部長さんから「万惣さんこういう(事業承継)支援センターがあるよ」って、こういうところ(センターに)早く「後継者をお願いします」ということを言っておいた方が「すぐには中々見つからないよ」と言われた。
極屋さんは、事業承継後は寿司屋にこだわらないという。
「44年間愛してきたこの店をうまく使ってほしい。開店の時からの常連さんいるよ、何人も。その人たちが『あ〜ここ万惣やったがね』ってそういう思いもある。自分がポンっと来た時に『親父さん頑張ってるよ』とか声かけてくれるとうれしいでしょ、ふるさとは」と、店への想いを語った。
妻の華子さんも「自分の好きなように変えてもらってもいい」と話す。「(Q.この場が残ればうれしい?)そうよね、あとは仕方がない。時代も違うし」
後継者不足、県内企業の課題
多くの人に愛されてきたまちの名店で、店主の高齢化で後継者を探している店は他にもある。
延岡市大貫町にある「中山邸晨翁蕎麦」。
都城市上町にある「くいだおれなにわ」も同様の状況だ。
どの店も苦労して店を築き上げてきた。早く事業承継の準備を始めることで、その味や経営が次の時代につながる。
事業承継については、宮崎県事業承継・引継ぎ支援センター(0985-72-5151)に問い合わせを。