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噴火に負けず、豊富な湧水活用で特産品開発へ ワサビ約40株の試験栽培を開始
2025年09月25日
霧島連山の麓・宮崎県高原町。雄大な山々が作り出す天然のろ過装置によって、町には枯れることのない美しい湧水が流れ続けている。この豊富な水資源を活用した特産品開発を目指し、約40株のワサビ栽培に挑戦中だ。
【動画】豊かな水資源を活用して「ワサビ」つくりに挑戦! 東京の不動産会社から人材派遣で宮崎へ
高原町の湧水でワサビ栽培に挑戦
小林市出身の野田真也さん39歳。2024年、東京の不動産会社から企業版ふるさと納税の人材派遣で高原町役場にやってきた。
その傍ら、2025年2月から個人で約40株のワサビ栽培をスタート。でも、なぜ「ワサビ」だったのだろうか?
高原町役場 野田真也さん:
ワサビは基本的には水だけで育てていく。水質が良いか悪いかが左右している。高原町は畜産とか農業がすごく盛んだが、特に水がきれいで、それを利用した特産品の開発ができたらいいなと思って栽培に取り組んでいる。
清らかで豊富な水資源があるからこそできるこの取り組み。しかし、ワサビ栽培にはきれいな水だけでは不十分という。
高原町役場 野田真也さん:
年間通して16℃以下の水温が良い。ここは湧水を引いてきていて年間通して一定の16℃。ぎりぎりのラインだけど、栽培が可能なんじゃないかということで取り組んでいる。
年間の平均気温や標高など、ワサビの栽培にはいくつもの厳しい条件があるとされている。高原町の環境はその条件に近いことから、野田さんはワサビ栽培を決意した。
取材に訪れたカメラスタッフがすりおろし器を持参し、味見できないか聞いてみると「いやいや、まだ人間でいったら赤ん坊なのでまだ食べられないです。あと、1年から1年半待っていただければ...」と野田さん。
自然の厳しさとの戦い、そして「宮崎わさび」への夢
豊かな自然に後押しされて始まったワサビ栽培。しかし、目の前に立ちはだかったのも自然だった。
「新燃岳の噴火によって、葉っぱの表面などに灰が付着して光合成が出来なくなるので灰を洗い流したりしている」と野田さんは話す。
高原町役場 野田真也さん:
新燃岳の噴火が続いていて、どうしても町にとってマイナスのイメージを与えがちだが、こういった水の資源というのは山の恩恵があるものなので、マイナスのイメージではなくてプラスのイメージで皆さんに伝えていけたら。この環境で育つのであれば『宮崎わさび』みたいなブランドにしていきたい。
自然に感謝し自然と共に作る野田さんのワサビ栽培への挑戦は、まだ始まったばかりだ。