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風評被害を乗り越え観光復活へ 新燃岳の警戒レベル引き下げで迎えた秋の行楽シーズン

2025年11月25日 18時20分

今年7年ぶりに噴火した新燃岳。
宮崎県高原町では、夏に広がった風評被害を乗り越え、観光の回復に向けて新たな一歩を踏み出しています。

今年6月、7年ぶりに噴火した新燃岳。
噴火警戒レベルは3に引き上げられ、火口から約3kmの範囲が立ち入り規制となりました。
10月17日、気象庁は火山活動の低下が認められるとして、噴火警戒レベルを火口周辺規制の「2」に引き下げました。

(九州大学地震火山センター 松島健教授)
「住民がどうしなければならないのかっていうのは、元々2kmの範囲は立ち入り禁止になっていますし、レベル3の時も3km、4kmは立ち入り禁止になっているわけですから、それを守って頂ければ別に生活に対して特別な避難行動を取る必要はないという風に考えております」

しかし、6月23日から10月17日までの噴火警戒レベル「3」の期間、高原町は観光面で大きな打撃を受けました。

火山灰による実害はほとんど無いにも関わらず、SNSなどで「危険ではないか」という誤ったイメージが広がったためです。

火口から約8km離れた皇子原温泉健康村では、7月だけで宿泊のキャンセルが約200人。火口から約9km離れたたかはるゴルフクラブでも利用者が2~3割落ち込むなど、風評被害は町全体に及びました。

(戸高涼平記者)
「火口から約8km離れたこのキャンプ場でも、この夏大きな影響を受けたということです」

新燃岳近くの湖畔で自然を満喫できることで人気の御池キャンプ場。
しかし今年の夏は…

(奥霧島温泉郷 内村雅樹社長)
「7月くらいから影響が出だしたんですけど、宿泊の方のキャンセルが相次いで何十件というレベルで入ってですね。それがずっと続いて、特にテントの宿泊が特に来られない状態で例年の3分の1以下になっていたので、収益としても営業面にも堪えてきついものがありましたね」

そのような状況の中励みとなったのは、内村さんが別に運営する皇子原公園に遊びに来たお客さんでした。

(奥霧島温泉郷 内村雅樹社長)
「釣り堀とかアトラクションとかありますが、そっちのほうに来る人たちは、”なんだ、普通に遊べるじゃないか“って…泊りだけで来る人じゃなくて、遊びで日帰りで来る人たちも、”結局そこまでは(噴火の)影響はなかったのか“って来たら分かる、という感じで、続けてまたリピートしてもらったりして、かえって味方になってもらうというか...ファンになってくれたみたいな感じはしましたね」
「(予約が)0みたいな週末も9月あったので、今までないことだった。10月は戻ってきたのでよかったなって。ホッとしたというところがあって、みんなに見捨てられたんじゃないかなという気持ちもあったので」

観光客の落ち込みを受け、高原町はこの夏、地元の事業者支援や高原の魅力を発信するため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付を募ってきました。

(高原町産業創生課 森山業課長)
「地元の業者を応援したいという声を本当に感じてくれて、目標額を3カ月で突破できたので本当にありがたいなと思っていて、この事業を構築して、高原に来ていただいて、寄付してくれた人たちに”頑張っているよ“とかメッセージを届ければなと思っています」

集まった寄付は、町内で使用できる共通利用券や町の観光PRに使うことが検討されています。

今後の新燃岳の火山活動について専門家は…
(九州大学地震火山センター 松島健教授)
「大きな直接的な被害を及ぼすような噴火では今回もなかったわけですから、活動が小さくなったというわけであって、大きな変化はないですし今まで通り生活していただいてもいいと思います」

一方、事業者は新燃岳との今後の向き合い方について…

(奥霧島温泉郷 内村雅樹社長)
「離れられないので、この場所でやっていく以上は、怖がるばかりじゃなくて、何かもう少し踏み込んで、避けるばかりじゃない何かがあればいいなと思いましたね」

観光客に対しては、「高原町の豊かな自然を五感で楽しんでほしい」といいます。

(奥霧島温泉郷 内村雅樹社長)
「鳥の声とか、野鳥の森とかあるので、静寂を楽しんでもらえればなと、風の音とか水の音とか、一番かなと思いますね」

火山と共存してきた高原町。
風評被害を乗り越え、赤く染まる山々の季節とともにさらなる観光の回復を目指しています。

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