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路上駐車防止への取り組み 宮崎県内の検挙数この10年で6分の1に減少  個人宅の空き駐車場活用も 

2025年10月01日 18時20分

10月1日は、路上駐車や無断駐車についてお伝えします。
取材した森山記者です。

【森山記者】
よろしくお願いします。

【児玉キャスター】
森山さんは、この取材をしようと思ったきっかけがあったそうですね。

【森山記者】
先日、私が旅行から帰ってきたところ、借りている駐車場に無断で車が停まっていました。この時「夜だから管理会社とは電話が繋がらない」「だからといって警察に連絡していいものなのか」と迷いました。

警察によりますと、こうした無断駐車や路上駐車に関する110番の件数は、昨年度590件と、過去10年間で最も多かったそうです。

一方、県内の「放置駐車違反」の検挙件数は、過去10年間で約6分の1に減っています。
路上駐車が減っている背景には、約20年前に始まった警察の取り組みがありました。

路上駐車する車に目を光らせているのは、駐車監視員です。

駐車監視員制度は、2006年の改正道路交通法で始まったもので、警察からの委託を受けた駐車監視員が、放置車両の確認と標章の取り付けを行います。

この日は、活動を始めてすぐに放置車両が…。
駐車監視員は写真を撮り、駐車禁止の標識からの距離を測って標章の取り付けを行いますが、今回は途中で運転手が戻ってきたため、口頭注意で終わりました。

(駐車監視員)
「車通りの少ない狭い道路で停まっている車が多かったり、交差点が非常に多いです」

路上での違反駐車、事故につながることもあります。

(宮崎県警交通指導課 米澤秀紀理事官)
「県内でも、駐車車両のかげから歩行者や自転車が飛び出してきて、車とぶつかってしまう事故が起きていたり、交差点付近で(駐車車両が)死角になって、出会い頭で車同士がぶつかってしまう事故もたくさん発生している」

【森山記者】
路上駐車は、宮崎市中心部の道路だけでなく、住宅街でも多く見られます。宮崎市の自治会では、住民が協力し合って、路上駐車を減らす取り組みが行われています。

宮崎市の東宮2丁目です。371世帯が加入する花の森自治会で、3年前から始まったのが「花の森パーキング」です。

(花の森自治会 米原仁美さん)
「駐車場のスペースが空いている家と、来客や工事車両などで、どうしても駐車スペースが必要になった方とのマッチングをするようなシステムになっています」

「花の森パーキング」では、駐車場を借りたい人が管理人(=自治会の役員)に借りる日時と台数を伝えます。
管理人は、駐車場を貸し出す人に連絡。確認が取れたら借りたい人に許可を出します。
駐車場を借りたい人は、防犯上の観点から、自分の車を貸してもらった駐車場に停め、来客の車や工事車両などを自宅の駐車場に停めます。

料金は3時間100円、1日最大300円。
これまでに48件の利用があったということです。
この取り組みが始まった背景には、住民の家族構成の変化がありました。

(花の森自治会 米原仁美さん)
「以前は、小学生や子供たちがいっぱいだったのですが、だんだん成長してきて、車に乗られるようになって、駐車スペースが足りなくて、路上駐車をするお宅なども見受けられるようになりました。自治会としては、皆さんの困ったところを、どうにかして改善していければと思っているので、そのひとつが花の森パーキングです」

全国では、こうした空いている駐車場に着目したビジネスも。大阪のakippaでは、2014年に、アプリで駐車場を貸し出したり、借りたりできる、予約サービスを立ち上げました。

県内でも約100件の駐車場が貸し出されていて、累計6500回以上利用されたといいます。

(akippa森村優香さん)
「宮崎空港の近くにある駐車場だったり、野球のキャンプ場の近くで貸し出されている人がいたりする」

【佐々木キャスター】
取材のきっかけは、森山さんが無断駐車されたことだった思うんですが、路上駐車と無断駐車では対応は変わる?

【森山記者】
・公道に停められた車は警察に連絡を。
・借りている駐車場に無断駐車された場合は 
1:車のナンバーを撮影 
2:管理会社やオーナーに連絡し対応依頼
3:それでも車が動かない場合は弁護士に相談を
ということでした。

路上駐車を困りごとで終わらせず、サービスや地域の仕組みを作り、解決していくという姿勢は他の社会課題を解決する上でもヒントになると感じました。

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