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「お前たちすまんかったね」と泣き崩れて… 口蹄疫終息から15年 生産者と後継者 教訓生かし将来へ

2025年08月27日 18時20分

県内の畜産を大きく揺るがした家畜伝染病・口蹄疫が終息して、8月27日で15年が経ちました。

口蹄疫の教訓を語り継ぎ、これからの防疫や畜産振興の取り組みにつなげようと、県庁で意見交換会が開かれました。

(木城町の畜産農家 篠原寿さん)
「空になった牛舎を見た時、私の父は「お前たちすまんかったね。本当にすまんかった」とその場で泣き崩れてしまいました。口蹄疫を経験した中で、一番つらい瞬間でした」

意見交換会には、口蹄疫に直面した畜産農家や畜産を学ぶ高校生や大学生など、オンラインを含めるとおよそ400人が参加しました。

会では、発生から終息まで口蹄疫を振り返った後、家畜伝染病の検査体制や情報共有の徹底など生産者と行政の連携を深めることで強化してきた農場防疫の取り組みが紹介されました。

(尾鈴ミート 遠藤太郎社長)
「個々の農場では乗り越えられなかった壁も、連携することで打ち破れた。これらは単なる復興では得ることができなかった、私たちの15年間の大きな財産」

(宮崎大学 畜産草地科学科 櫻川美咲さん)
「病気の蔓延を防止するためには、市民の理解や協力が必要。口蹄疫を含めた家畜伝染病の恐ろしさを宮崎市民に広めて知ってもらうことが大切。それが、畜産の将来のあるべき姿」

中には、家畜伝染病を効果的に防ぐ方法を研究テーマにしたいと話す学生も…。

(宮崎大学 獣医学科 久保田美空さん)
「再生医療に着目して、畜産業に生かしていけないかなと思っている。畜産業は安全性の保証が難しく、再生医療が進んでいないのが現状。6年間、獣医学だけでなく、幅を広げて農学全般に広げていけたら」

また繁殖農家を目指す生徒は、防疫の重要性を再確認していました。

(高鍋農業高校 畜産科3年 高須煌聖さん)
「牛の体調、早期発見できるように…普通の風邪でもほったらかしたら…」

(本部農場 本部博久社長)
「消毒が一番大事。病気になってからじゃ遅い。治療よりも予防、そっちの方が大事」

(河野俊嗣知事)
「15年前の経験を教訓に、よりスピード感を持って、より大きく構えて小さく抑えるということをその後本県の口蹄疫対策のみならず、鳥インフルエンザも含めて全国で進んでいる。引き継いでいくこと、前に進んでいくこと、それを意見交換会で確認できた」

終息から15年。口蹄疫を繰り返さないだけでなく、教訓を生かして県内の畜産環境をより良いものにしていく歩みが進んでいます。

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