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トカラ列島近海の群発地震 鹿児島大学や宮崎公立大学などの研究チーム 海底に地震計を設置
2025年08月26日 18時20分

6月21日から活発な地震活動が続いているトカラ列島の近海。
26日午後にも震度3の地震がありました。
今月3日、宮崎公立大学の山下裕亮准教授が地震計を沈めに行きました。
その狙いと、宮崎に住む私たちが今後注意しなければならない点について聞きました。
鹿児島県の奄美大島と屋久島の間にあるトカラ列島。
この近海で6月21日から8月12日までの間に、震度1以上の地震が2200回以上起こっています。
発生の原因がはっきりと分からないこの地震。
8月3日、地震に詳しい宮崎公立大学の山下裕亮准教授がこのトカラ列島近海に、10個の地震計を沈めに行きました。
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「これからトカラ列島近海に設置する予定の海底地震計です」
この取り組みは、鹿児島大学や宮崎公立大学など8機関15人の専門家研究チームが行ったものです。
(オカファーエニス豪アナウンサー)
「今回地震計をトカラ列島近海に沈められた理由は?」
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「トカラ列島って島が一列に並んでいる。そうすると、地震がどこで起こったかを知ることが実は結構難しい」
「海底に地震計を設置して、地震がまずどこで起こっているか調べようという所が一番の狙い」
気象庁によると、7月20日頃からトカラ列島近海での規模が大きな地震の回数は減少しているということですが、山下准教授は油断できないとしています。
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「あの地域に限っていえば、以前からあったというのは事実。ただ、今回は特に大きかった」
「ある程度経験則の範囲内に収まっていたが、今回に限ってはそれを突き抜けてしまったので、本当にこの後どうなるかわからないという状況」
山下准教授は「今回のトカラ列島近海の地震は、南海トラフ巨大地震との関連性は考えにくく、特定の地域で集中的に多発する群発地震」だと話します。
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「群発地震っていうのは、始まりはちょこちょこ始まるが、どこがピークかわからない。気づいたら終わってる」
「長い期間続くので、先が見通せない不安といつ揺れるかわからない恐怖。これが群発地震の一番怖い所」
では、この地震から私たちは何を教訓にするべきなのでしょうか?
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「1968年に起こったえびの地震。これも群発地震だった。同じように群発地震で震源が非常に浅かったので、震源のすぐ近く直上の地域は非常に強い揺れに何度も見舞われたということがあった」
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「どれくらいの活動期間、そしてどれくらいの地震が最大で起こるのかなんてことも、残念ながら今の科学で事前に予測することは不可能」
「宮崎でも実は、今回トカラ列島で起こったのと似た活動が過去に起こっているんだとぜひ知っておいていただきたい」
「そういった、群発地震活動が起こるポテンシャルはあるんだと考えていただけたら」
山下准教授が所属する研究チームは、今回沈めた10台の地震計を11月に回収し、今後、この地震がマグマに由来するものか調査する予定です。