番組表
高校生が開発 子供の服薬を助ける「ヒーローアイス」
2025年08月05日 18時20分
子育て中のお父さんお母さんを助ける取り組みです。
こちら「ヒーローアイス」という4日から販売が始まった新商品なんですが、普通のアイスではないんです。
実は、このアイス、薬と混ぜて食べることで薬が苦手な子どもの服薬を助けるアイスなんです。
この商品、宮崎県内のある人たちが開発したんです。
その人物とは…。
(早瀬純哉記者)
「苦いお薬がおいしく変身!ヒーローアイスと、かわいいキャラクターが描かれています。実はこのアイス、こちら、都城西高校の生徒が作ったんです」
「よろしくお願いします」
「ヒーローアイス」を開発したのは都城西高校3年生の大路古都寧さんと重留咲良さんです。
開発のきっかけは…。
(都城西高校 大路古都寧さん)
「(小学校)2年生だったいとこがいて、その子が粉薬を飲むのを嫌がって家族が困っている姿をみて何とかできないかと思ったのがきっかけ」
去年の4月から探究学習の授業で開発への取り組みが始まりました。
でも、どうしてアイスクリームになったのでしょうか…。
(都城西高校 重留咲良さん)
「地域の酪農家を応援したいというのがあって、宮崎は酪農で有名だが赤字で厳しい状況。そこを応援したいというのがあって、(牛乳を使う)アイスになった」
こうした2人の熱意に感銘を受けたのは川南町アリマン乳業の三浦社長。
「ヒーローアイス」の製造・販売を担い、開発から2人をサポートし続けました。
(アリマン乳業 三浦崇社長)
「(最初)ダイレクトメールが来たが、そこから熱量が違うなと思って(協力した)。忙しいはず。試験や修学旅行、文化祭もあって、その中で、あの子たちは自分たちはこうしたいというのがあって、丁寧に仕事をしてくれる」
さらに2人からの依頼を受けて九州医療科学大学も協力。
粉薬と試作品のアイスを混ぜて食べ比べ、アイスの味や適量を調整しました。
(九州医療科学大学 薬学科 木村博昭学科長)
「子どもの場合は苦みを感じやすくなっている。それを冷たさでごまかして苦い薬を飲ませるというのはいいアイデア」
2人は試食を重ねる中で、アイスの冷たさが舌の感覚を鈍らせることや、甘みが苦さを軽減する効果があることを確認しました。
今年3月に実施したクラウドファンディングでは目標金額15万円の2倍を上回る約35万円を集め、4月には商品化が決定。
この日、初めて2人のもとに商品が届きました。
「かわいい~かわいいね」
(都城西高校 大路古都寧さん)
「はじめて目の前で見て、あざやかでかわいいなと思う」
(2人の担任 松永健教諭)
「まさか商品開発して売るところまで行くとは思っていなかった」
(同級生)
「2人ともフワフワしているが、行動力があってそこがすごい。探究のことになったら、2人ともこだわりをもって誇りをもってやっている感じが伝わってくる。尊敬する」
届いたばかりの「ヒーローアイス」。
その効果をさっそく試してみました。
(都城西高校 重留咲良さん)
「子どもが飲む解熱剤なんですけど、なめてみてください」
(早瀬純哉記者)
「いただきます。苦い。めちゃくちゃ苦い」
大人が飲んでも苦い粉薬。ヒーローアイスに混ぜて食べてみると…。
(早瀬純哉記者)
「いただきます。全然苦くない。アイスの冷たさが薬をうち消してくれています。口いっぱいにチョコレート風味が広がっておいしいです」
「ヒーローアイス」は8月4日から専用のネットショップで販売が開始されました。
現在は「ミルクチョコ味」と「豆乳チョコ味」の2種類ですが、今後フレーバーを増やす予定だということです。
(都城西高校 大路古都寧さん)
「ひとりでも多くの子どもたちが笑顔で薬を飲めるようになってほしいなという気持ちと、このアイスがストレスになるその時間を倒すようなヒーローになってほしい。子どもお薬のことで困っているお父さんお母さん、ぜひ試してみてください!」
2人は来年が大学受験ということで、大路さんは、大学では地域創生を学ぶ学部、重留さんは、薬学部を目指しているということです。