番組表
2025年07月14日 18時20分
公文書専門官に聞く 企画展「マッカーサーと現代日本の夜明け」
続いては特集です。
こちらはダグラス・マッカーサー。
GHQ最高司令官として戦後日本の民主化を進めた人物です。
このマッカーサーに関する歴史資料を通して日本の民主主義や平和について考える企画展が宮崎市のみやざきアートセンターで開かれています。
(マッカーサー記念館 ジェームス・ゾベル公文書専門官)
「彼は何千冊もの本を読む人でとても好奇心に満ち溢れていた」
夫人と映る写真やトレードマークのコーンパイプ。
(来場者は)
「マッカーサーが飛行場に降りたあの姿は凄く印象に残っている」
「私もクリスチャンなので、日本を民主的に統治したんだと感じた」
みやざきアートセンター。
ここでは、先月28日からダグラス・マッカーサーを通して平和について考える「マッカーサーと現代日本の夜明け」が開かれています。
今から80年前の1945年8月、日本はポツダム宣言を受諾。
終戦後、マッカーサーは連合国軍最高司令官として日本に進駐しました。
当時絶大な力を持っていた四大財閥の解体や女性参政権の導入など、経済、政治、社会の面で民主化を目指し大改革を行いました。
その人柄についてアメリカ・バージニア州にあるマッカーサー記念館公文書専門官のジェームス・ゾベルさんは…
(マッカーサー記念館 ジェームス・ゾベル公文書専門官)
Q・どんな人だった?
「彼は軍人として育てられた。彼は人生のすべてを軍人として過ごした。とても賢い人で、陸軍士官学校をトップの成績で卒業した。彼は様々な人種、宗教、国の人たちへの理解があった」
マッカーサーは日本の民主化を目指すにあたって日本国憲法の草案の作成にも携わりました。
(マッカーサー記念館 ジェームス・ゾベル公文書専門官)
「これはマッカーサーが憲法に入れるべきと考えた3つのポイントです」
象徴天皇制、戦争放棄、非民主的制度廃止日本が二度と戦争の道を歩まないようにすることなどを盛り込みました。
また、マッカーサーのもとには要望や意見、感謝の気持ちなど国民の声が手紙という形で大量に寄せられました。
みやざきアートセンターによるとその数、およそ4万通に及びます。
(オカファーエニス豪アナウンサー)
「読んでみると、きょうは雨降りです。お友達と学校へ行くところです。雨合羽を着ているのがさなえです」
「日本国民の声を憲法を作るにあたって広く聞いていたというのがわかる」
(マッカーサー記念館 ジェームス・ゾベル公文書専門官)
「アメリカと連合国が来て日本に民主化を強制していればそれは長くは続かなかったでしょう。マッカーサーは民主化には日本人の主体性が必要であることを知っていたのです」
実は、この企画展、マッカーサー記念館の所在地アメリカバージニア州にあるバージニアビーチ市と宮崎市の32年にわたる姉妹都市関係がきっかけで企画されました。
(宮崎市バージニア市姉妹都市協会 石田達也会長)
「天孫降臨の地・宮崎とバージニアも最初に清教徒が流れ着いて建国の第一歩になった町。お互いの国が始まった地域から平和について考えるのもすごく意義深い」
(マッカーサー記念館 ジェームス・ゾベル公文書専門官)
「これは過去に起こったことではありますが、今につながることでもあります。なぜなら、あなたが今享受している民主主義について理解するためには、その原点を知る必要があるからです。宮崎市が伝えたかったのはそういうことだと思います。私たちも力になれればとても嬉しいです」
戦後80年の節目に日本の民主主義の原点にたどりつけるこの企画展。
マッカーサーに関する膨大な資料の中から日本にこれまで持ち込まれなかった貴重な写真や資料などが展示されています。
「マッカーサーと現代日本の夜明け」は8月17日までみやざきアートセンターで開かれています。
入場料は一般600円で中高生は300円、小学生以下は無料です。