番組表

2025年06月25日 18時20分
「留学生に悪影響な政策が進められないのが望み」大学や留学生へ圧力強めるトランプ政権 宮崎県内の学生は

自由や多様な価値観に惹かれ、世界中から学生が集まるアメリカ。しかし、トランプ大統領の留学生受け入れに関する発言を巡り、教育現場では、混乱が続いています。こうした事態に留学を予定する宮崎県内の学生も不安を感じています。
6月4日、ハーバード大学へ留学しようとする外国人の学生などについて、「アメリカへの入国を制限する」と宣言したアメリカのトランプ大統領。
外務省によりますと、アメリカの大学などに留学する際に必要な学生ビザについては、ビザの取得に必要な面接の新規受付が5月下旬から一時停止されたままです。
宮崎公立大学4年の西村颯斗さん。8月から5カ月間、アメリカへ留学することが決まっています。
西村さんは、面接の受付停止前にビザを取得できましたが、トランプ大統領の発言一つで対応が変わる状況に、「留学中にアメリカから強制送還されないか」など不安を感じています。
(宮崎公立大学4年 西村颯斗さん)
「怖いですね。自分の身になって考えると、せっかく留学に行ったのに強制的に帰らされるのは酷。留学生に悪影響な政策がトランプ大統領の機嫌などで進められないのが望み」
大学や留学生に圧力を強めるトランプ政権。その背景について、国際政治に詳しい宮崎公立大学の谷口美代子教授に聞きました。
(宮崎公立大学人文学部 谷口美代子教授)
「エリートの象徴である大学に対して攻撃をすることによって、トランプ自身あるいは支持者層に対して訴えるというような政治的イデオロギー色の強い現象だと考えている」
また、トランプ政権は、留学を希望する学生について、SNSの投稿内容の審査を示唆しています。
(宮崎公立大学人文学部 谷口美代子教授)
「おそらく反ユダヤ的、親ガザ、パレスチナ的な発言をしているだとか、リベラル色の強い発言をしていることに対しては、非常にネガティブな審査になるのではないかと想定される。ビザを取って渡航できて、学生生活を送ってもどんな理由でビザ停止の対象になるかわからないという意味では心理的な影響は大きい」
ここからは取材したオカファーアナウンサーとお伝えします。
(オカファーアナウンサー)
トランプ大統領の発言によって状況はどんどん変わっています。取材したのは6月11日でしたが、6月18日、アメリカ国務省がビザの取得審査を近く再開すると発表。ただし、条件として申請者の全てのSNSの公開を求めました。
この発表に、取材した宮崎公立大学の西村さんは「入国後にチェックされる恐れがあるため、今、非公開のSNSアカウントを公開にしようと考えている。公開することによって個人情報が漏れる心配もあるので、できれば公開したくない」と話していました。
一方、谷口教授によると、世界的に見れば、留学先にアメリカではなく、日本の大学を選ぶ学生が出てくる可能性もあるということです。
アメリカ留学の継続が難しい学生への対応として、宮崎公立大学は、「希望する学生がいれば学内で協議の上、受け入れる」。宮崎大学も「学生は受け入れる。学生交流の協定校なら入学料、授業料も免除」と表明しています。