NOW ON AIR !

番組表
HOME ニュース

2025年06月04日 18時20分

「命を守る対策」6月から職場での熱中症対策義務化 建設現場では

6月から職場での熱中症対策が強化されます。
熱中症の恐れがある人を早期に発見し、迅速かつ適切に対処する事が企業などに義務付けられます。

去年1年間に宮崎県内で発生した熱中症による労働災害は172人で、前の年の1.7倍と大幅に増加しました。

県内では去年8月、延岡市の道路工事の現場で50代の交通誘導員男性が熱中症で死亡する事故も発生しています。

熱中症対策で義務化された1つ目が体制整備です。
熱中症の症状を訴えたり恐れがある人を見つけた場合に備え、連絡先や担当者を決めておく必要があります。

2つ目の「手順作成」では症状の悪化を防ぐため作業をやめて体を冷やしたり医療機関に搬送するなど、処置の方法を定める事などを求めています。
対象となるのは、気温31度以上の環境などで連続1時間以上、又は1日に4時間を超えての作業が見込まれる場合と示されています。

対策を求められる企業の取り組みを取材しました。
日南市で行われている東九州自動車道の建設現場です。現在4つの企業が工事に携わっています。
こちらでの作業員を守る熱中症対策、まずは、こまめな水分補給に加え1時間に1回は10分間の休憩を実施し、冷えたスポーツドリンクやゼリーなどが休憩所に用意されています。

(作業員)
「こまめな水分、塩分補給ですね」
「ちょっとでも具合が熱っぽいとか、気分が悪くなったら(作業員に対して)言ってくださいと」
「現場が鉄板とか敷いてあって照り返しで普段より暑く感じるので、(水分補給は)欠かせないです」

また、作業員には所属する企業からファン付きウェアが支給されます。
さらに、必要に応じて腕時計式センサーも着用。体の中心部分の温度が上昇し熱中症リスクが高くなるとアラームで知らせる仕組みです。

(横河ブリッジ日南油津大橋作業所 長田修監理技術者)
「夏の猛暑での作業になると頻繁にアラートがなって、音とLEDの光と振動で知らせてくれる機械となっています」

6月から始まった熱中症対策の義務化に伴う新たな取り組みも…。

(横河ブリッジ日南油津大橋作業所 長田修監理技術者)
「6月から導入されたもので連絡体制と実施手順。熱中症の疑いがあるとまずは全員で涼しい場所に連れていって、意識がありますか、自分で立てますか確認しながらそれが出来ないようであれば迷わず119番の救急車を要請」

また、熱中症の早期発見のため事務所内で監視しているのが現場の責任者が着用する移動式カメラの映像です。
作業員に熱中症の疑いが無いか確認でき、6月からはカメラ着用での巡視回数を増やし積極的に状況把握を行います。

(横河ブリッジ日南油津大橋作業所 長田修監理技術者)
「現場にいなくてもどこからでもアイパッドとか通信環境があるところであれば作業員さんの表情が確認できて熱中症の予防、早期発見につながると思います」

今回の対策義務化を受けて、熱中症発生時の処置手順についても作業員への周知を徹底。
工事に携わる企業全てが責任を持って対策を実施するため予防管理者を明確化しました。

(横河ブリッジ日南油津大橋作業所 長田修監理技術者)
「今までも出来る限りの熱中症対策に取り組んできました。それぞれの会社、責任者作業員が今まで以上に熱中症に対する対策に取り組み命を守る対策を取っていく事が重要と考えています」

今回の義務化で対策を怠ると6カ月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金となります。
国は企業などに対し、職場の巡視やバディ制の導入など熱中症の症状がある作業者の積極的な把握に務めるよう、呼びかけています。

6月6日(金)

6月5日(木)

6月4日(水)

6月3日(火)

6月2日(月)

5月30日(金)

Top