番組表

2025年05月15日 18時47分
”令和の米騒動”の今こそ考える 生産者と消費者いっしょに守る米作り
続いては特集です。
まずはコメ価格の推移をごらんください。
4月28日から5月4日までの1週間に販売されたコメ5キロあたりの平均価格は4214円でした。
前の週と比べると19円下がり去年の12月以来、18週ぶりの値下がりとなりましたが、前の年の同じ時期と比べるとプラス2108円とおよそ2倍です。
そんな中、消費者が農家の経営を支えお得な価格で新米を受け取る新たな取り組みが宮崎市で始まりました。
販売価格の想定は5キロ1875円と全国平均と比べ半額。
その仕組みについて取材しました。
5月10日、宮崎市高岡町で行われた田植え。
一見、普通の作業と変わりませんが…農家と消費者が連携し持続可能な稲作を目指す、新たな取り組みが始まりました。
(米農家 西村国義さん)
「ただ出来たものを食べるのでなく、俺の田んぼだと感じてもらえればというやり方」
稲作農家を60年以上続ける西村国義さん78歳です。
米の価格低迷に加え、苗や肥料代などが値上がりし、ここ数年赤字が続いてきました。
(米農家 西村国義さん)
「去年の10月は新しい価格で、何千円か上がっていたので、農家としてちょっとは潤うかという感じ」
「おととしまでは赤字だった」
赤字にならず米作りを続けられる仕組みは無いか
西村さんは県内で地域作り活動を行う初鹿野聡さんとタッグを組み今回スタートした新たな仕組みがこちら。
田植えを前に苗や肥料などの必要な経費を消費者から集め、農家側が黒字になる金額を確保。
農家は安心して米作りを行うことができる一方、消費者は10月の稲刈り後、収穫量に応じ新米を受け取ることができます。
2024年7月時点で1アール当たりの経費を約1万2200円と試算し、黒字が見込める1万5千円で協力者を募集したところ11人が手を挙げました。
(米農家 西村国義さん)
「大きな黒字にはならないと思う」
「ただ、今までのコメの生産からすると、かなりいい単価にはなる」
(初鹿野 聡さん)
「(消費者も)最初はただ安いとかが入り口です」
「そこで言ったのは(略)持続可能という事」
「消費者、生産者で分けるのでなく、全体を一緒に守っていく」
1万5000円の負担額に対し、40キロ程の新米を受け取る事ができ、5キロ換算では1875円、現在の店頭価格と比べて格安です。
この日は新米の収穫を楽しみに資金を支援した消費者も田植えに参加しました。
(参加者)
「自分の食べるお米の田んぼが見えて生産者の顔も分かるのは安心材料」
「宮崎はお米の産地なので支えて行けるのはうれしい」
消費者が農家の経営を支える新たな支援策を地域に広げていこうと、西村さんは金額は変えず、来年以降も取り組みを続けたいとしています。
(米農家 西村国義さん)
「うまく収穫出来て、買ってもらった人たちと一緒に味わいたい」
「来年もまた引き続き、増えていけばいいかな」
改めてこの仕組みについて説明します。
まず農家側が苗や肥料などの必要な経費1万5千円を消費者から集めます。消費者は10月の稲刈り後、収穫量に応じた新米を受け取ることができます。
順調にコメが育った場合1万5000円の負担額に対し、40キロ程の新米を受け取る事ができます。
5キロ換算では1875円と格安で、農家側、消費者側ともにウィンウィンの関係で持続可能なコメ作りが実現できる可能性が高まります。