
MONE編集部では永井友梨さんをインタビュアーに迎え、ここ 宮崎で様々な分野で活躍している女性のリアルな姿を紹介します!
撮影:MONE編集部
宮崎県内の大学を卒業後、野菜のネット販売のアルバイトや野菜を扱う企業のバイヤーを経て、新富町の地域商社こゆ財団の立ち上げメンバーとして新富ライチのブランド化や商品開発などを手がける。2022年には合同会社OtO(オト)を設立。宮崎野菜プロデューサーとして生産者のフォローや商品プロデュース、加工商品の販売などを行い、宮崎野菜の魅力を県内外へ発信。
Beauty Japan 2023 日本大会Career部門でグランプリ受賞。
新富町で畜産農家に生まれ、4人兄妹の長女として育った黒木さん。 幼い頃からトラクターに乗ったり、芋やごぼうを家族で掘ったりと、農業は日常の中にあった。
「台風の際、雨の中みんなでハウスを剥ぎながら、絶対に農業には関わらないぞと思っていました」
高校卒業後は宮崎市内の大学に進学。 在学中に口蹄疫が発生し、風評被害の影響もあり畜産農家を営む実家に帰れず、市内で飲食店のアルバイトを始めた。
「食べ物って人を幸せにするんだって実感したんです。『美味しいわね』って言ってもらえるのがやりがいで、食と人と関わる仕事をしたいと思うようになりました。」

口蹄疫復興イベントに参加したことをきっかけに、高鍋町のキャベツ農家さんと出会う。
「キャベツが売れない」と聞き、「こんなにおいしいのにもったいない」と感じた黒木さんは、在学中に取得した野菜ソムリエの資格を活かし、農家を訪ね取材して飲食店で「百姓トーク」というイベントを企画。
様々な野菜にフォーカスする中で、白菜のサラダの美味しさに驚いたという。
「白菜っていつもスープやお鍋で食べたりするんですけど、煮詰めなくても美味しいって知って。食べ方を変えるだけで魅力的なものができる。私が伝えることによって、そのお客様が次に連れてきた方に伝えてくれるという連鎖が、私の中では楽しい。好きなことを仕事にさせてもらってるっていう感覚でした。」
大学卒業後は青果物の流通会社で流通を学び、野菜を扱う企業でバイヤーとしての経験を積んだ黒木さん。
新富町が設立した地域商社の立ち上げメンバーとして声がかかり、ふるさと納税の商品開発や新富ライチのブランディングを担った。

「新富町では、一人の農家さんが一種類の野菜を作られていることが多い。お客様に数種類の野菜を届けるために、一日何kgくださいといろんな農家さんに声をかけさせて頂き、梱包や袋詰めをして一つの箱にいろんな農作物を詰めこんで送る、という活動をしていました。ゼロから一人でやっていくのはすごく大変だと分かっていたので、スタッフさんやパートさん等を集め、組織化して一緒に盛り上げていました。」
「台風や水害等の自然災害で大変なことが多い中でも“なんとかなるやろ”と作り続ける姿を尊敬しています。やはり私たちの命を作っているのって農業じゃないですか。それを支える人たちが輝けるステージを作っていきたい。」

ずっと付き合っていきたい人たちだからこそ、時には辛辣な意見を伝えぶつかることも。それも、リピーターを増やし、流通の循環を一緒に作っていくための大切な関わり方だととらえている。
2022年、黒木さんは会社を設立。
現在は宮崎野菜プロデューサーとして、ライチのブランディングを進めるほか、地元・新富町の農産物を東京の飲食店と取引するなど首都圏への流通づくりに加え、“キッズ野菜ソムリエ”の育成にも取り組んでいる。
「4歳から資格を取れるんですよ。野菜の食べ比べを通じて、子どもたちが食に興味を持ち、その姿が農家さんの励みにもなっています。大人だけでなく、子どもから食を広げたいと思っています」
宮崎県産のものを見たらまず食べてほしいと話す黒木さん。宮崎の食の魅力を発信する取り組みは、ますます広がりを見せている。

多忙な日々の中でも、子どもと向き合う時間は大切にしている。
両親も農業で忙しく、黒木さん自身もおじいちゃん、おばあちゃんっ子だったことから、子どもにとっての祖父母の存在は欠かせない。
「私の家は役割分担があって私はお金を稼ぐ人(笑)。両親の力を存分に借り、家族の協力があってこそ私は仕事に集中できています」
子どもが甘えてきたときには100%で返し、心を満たし合っているという。
「なかなか次のステップに出るのをためらう女性が多い。でも、今好きなことがあるなら、“自分はこれが好き”“これを仕事にしたい”って言葉にして、どんどん伝えてほしい」
黒木さんは自身の経験から、言葉にすることで仲間も集まり、できることが広がると感じている。
「一人より二人三人と増えていくと、“ここは自分が得意だからやるよ”って助け合える。私の商品開発も、多くの方の協力があってこそ。だからこそ感謝を伝えるのも大切。それもまた“言葉”なんです」
黒木さんには、野菜農家をプロデュースできる人をもっと増やしたいという想いがある。
「もちろん取引する野菜の種類を増やしたいというのもあるし、やっぱり“おいしい野菜に出会いたい”っていう気持ちが大きいんです。食の楽しさって、人と出会うこともそうだし、おいしいものに出会うと心がキラキラっとする。そんな体験をもっと多くの人に届けたいし、一緒に広げていく仲間を作りたいですね」
「″何かあったらさゆみちゃんでしょ″って言ってもらえる存在になりたい。宮崎の食のことなら私に声をかけてもらえるように、パッと思い浮かぶ存在になれたら、とても嬉しいです」

≪取材協力≫
- 合同会社OtO
宮崎野菜プロデューサー
黒木さゆみさん - 📷 Instagram:@sayumi.0108