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国道220号線は、日南海岸沿いを南北に走る人気のドライブルートです。青い海と変化に富んだ海岸線が続くこの道沿いには観光スポットが点在していますが、中でも古くから日南海岸を代表する名所として親しまれているのが鵜戸神宮です。
断崖の洞窟の中に本殿が鎮座し、石段を下りて参拝する「下り宮」という珍しいスタイル。眼前に太平洋の荒々しい海岸が広がるその景観は、他の神社ではなかなか味わえない非日常感があります。
今回は、実際に鵜戸神宮を訪れて参拝してきた様子を紹介します。
日南海岸を走り抜けて、いざ鵜戸神宮へ

国道220号線を南へ走ると、日南海岸ならではの景色が続きます。青島を過ぎたあたりから海岸線の表情が変わり始め、「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状の奇岩が海沿いに広がる独特の風景が現れます。サンメッセ日南を過ぎてさらに5分ほど走ると、道路沿いに鵜戸神宮の大きな鳥居が見えてきます。
鳥居をくぐり、漁港を過ぎると、岬に沿った道に入ります。右手には海が広がり、鬼の洗濯板の独特な岩場が海岸線に沿って続いています。急な上り坂に差しかかり、登りきって下り始めたところで視界が開けます。岬の先端に向かって切り立った断崖と、その足元に白波が打ちつける荒々しい海岸線。そして、岬の先へと延びる参道と朱塗りの建造物が目に飛び込んできます。
駐車場に車を停めたら、ここからは徒歩での参拝です。参道には石造りの急な階段がいくつもあり、足元が滑りやすい箇所もあるため、歩きやすいスニーカーなどで訪れるのがおすすめです。ヒールやサンダルだと少し大変かもしれません。
準備ができたら、さっそく参道へ向かいましょう。
青い海と朱塗りの社殿。本殿を目指して歩く

駐車場から歩き始めると、まず目に飛び込んでくるのが鮮やかな朱塗りの楼門です。堂々とした佇まいの楼門をくぐると、その先には朱色の欄干に沿って参道が延びています。左右に広がる緑と、その奥に見える海の青。神社でありながら、どこか南国を思わせるような空気が漂っているのが鵜戸神宮の特徴です。

楼門のすぐ隣には神門があり、開け放たれた門の向こうにはヤシの木と水平線がのぞいています。朱色の門枠が額縁のようになって、青い海と空を切り取るような景色。参道を歩き始めた時点で、この先への期待感が自然と高まっていきます。
ここからいよいよ、本殿へと向かう石段が始まります。
石段を下りた先に広がる、断崖の絶景と洞窟の本殿

楼門をくぐってさらに進むと、目の前の景色が一変します。眼下に広がるのは、切り立った断崖と太平洋の荒々しい海岸線。そして、朱色の欄干に沿って下っていく石段の先に、巨大な洞窟の中にすっぽりと収まった本殿の姿が見えます。これが鵜戸神宮の「下り宮」。石段を下りて参拝するという、全国的にも珍しいスタイルの神社です。
石段はかなり急で、足元も滑りやすい箇所があるため、手すりにつかまりながらゆっくり下りていくのがおすすめです。ただ、一段下りるごとに海が近づき、潮の香りと波の音が強くなっていく感覚は、この石段でしか味わえないものがあります。
石段を下りきると、断崖にぽっかりと口を開けた洞窟の中へ。ここに鵜戸神宮の本殿が鎮座しています。頭上には荒々しい岩肌がそのまま天井となって覆いかぶさり、その下に精緻な装飾が施された朱塗りの社殿が佇んでいます。自然の造形と人の手による建築が一体となった、ここでしか見られない光景です。

まずは本殿に手を合わせて参拝を。洞窟の中は外とはまるで空気が違い、静かな厳かさに包まれています。
鵜戸神宮の由来は日本神話にさかのぼります。祀られているのは、初代天皇・神武天皇の父にあたる日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)。神話では、山幸彦と海の神の娘・豊玉姫が結ばれ、身重となった豊玉姫がこの地を訪れて出産したと伝えられています。本殿が鎮座する洞窟は、その産屋の跡とされる場所です。安産や縁結びのご利益で知られているのも、この神話に由来しています。

洞窟の入り口から差し込む光が岩壁や社殿を照らし、外の太平洋の青さと相まって、どこか別世界に足を踏み入れたような感覚を覚えます。

洞窟の奥に進むと、天井の岩肌に入り口から差し込む光があたり、厳かで幻想的な雰囲気が漂っています。むき出しの岩の造形と朱塗りの社殿、そこに差し込む自然光が重なるこの空間は、鵜戸神宮でしか味わえない景色です。
願いを込めて投げる「運玉」に挑戦

参拝を終えたら、鵜戸神宮の名物「運玉投げ」に挑戦してみましょう。本殿前の広場から崖下を見下ろすと、荒々しい岩場の中にひときわ目を引く大きな岩があります。これが「霊石亀石」。豊玉姫が海の宮からこの地へ来る際に乗ってきた亀が石になったと伝えられている岩で、その背中に注連縄で囲まれた枡形のくぼみがあります。

運玉は「運」の文字が刻まれた素焼きの小さな玉で、5個で200円。手のひらに乗せると思ったよりも小さく、軽い。これを願いを込めて亀石のくぼみに向かって投げ入れます。ルールは、男性は左手、女性は右手で投げること。見事くぼみに入れば願いが叶うといわれています。
ただ、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。亀石までの距離は約12メートル。風の強い日などは特に、小さな運玉は思ったように飛んでくれません。周囲では歓声や笑い声が上がっていて、参拝客がそれぞれ真剣に、でも楽しそうに挑戦している姿が印象的です
入っても入らなくても、断崖の上から太平洋に向かって玉を投げるという体験そのものが、鵜戸神宮ならではの思い出になります。
境内のあちこちにいるうさぎを探してみよう

境内を歩いていると、あちこちでうさぎの像に出会います。鵜戸神宮の神使はうさぎ。御祭神の名前に含まれる「鸕鷀(う)」が「卯」、そして「兎」へと転じたことに由来するといわれており、古くから縁の深い動物として親しまれています。
本殿近くの洞窟内には、金色に輝く「撫でうさぎ」の像があり、撫でると病気平癒や開運のご利益があるとされています。

参道沿いにも石造りのうさぎ像が点在していて、中には誰かがかぶせたのか、小さな帽子をちょこんとのせたうさぎも。荒々しい断崖と神秘的な洞窟の中に、こうしたかわいらしい存在がいるのも、鵜戸神宮の魅力のひとつです。

参拝のあとは「RAINFOREST CAFE」でひと休み
鵜戸神宮の参道沿いにある「RAINFOREST CAFE 三ツ和荘」は、参拝後の休憩にぴったりのカフェです。石段を登り降りした後の一杯のコーヒーやアイスは格別。隣接するお土産コーナーもあるので、参拝の余韻を楽しみながらゆっくり過ごせます。
特に暑い季節には、涼しい店内で冷たいドリンクやスイーツを楽しみながら、ひと息つくのがおすすめです。鵜戸神宮を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
参拝のあとは日南の海の幸を。おすすめの食事処2選
鵜戸神宮を参拝したあとは、近くの食事処で日南の海の幸を楽しむのもおすすめです。
磯料理 大海(たいかい)

鵜戸神宮から車で約5分。目の前に白い砂浜が広がる、創業30年以上の磯料理の老舗です。すぐそばに漁港があり、伊勢海老をはじめとした新鮮な魚介が名物。海鮮丼やチキン南蛮といった手頃な定食メニューもそろっています。
観光客にも絶大な人気で、長い行列ができることも珍しくありません。入店はレジ前の用紙に名前を書いて順番待ちするスタイルで、待っている間にメニューを見ることもできます。お店の目の前には砂浜が広がっているので、順番が来るまで浜辺を散歩しながら待つのもおすすめです。回転は比較的早いので、並んでいても諦めずに待ってみてください。ランチは11:00〜13:30ラストオーダー、定休日は木曜日。
シャンシャン茶屋

鵜戸神宮から宮崎市方面に少し戻った、日南市伊比井にある海沿いの食堂です。国道220号線の伊比井潮風トンネルができたことで現在は旧道沿いに位置しており、トンネル手前を右折して入る形になります。見逃しやすい場所にありますが、窓からは伊比井浜の白い砂浜と日南海岸を一望でき、開放感のある店内で食事を楽しめます。
名物のジャンボエビフライやチキン南蛮はボリュームたっぷりで、日南ドライブの食事にぴったり。人気店のためランチタイムは混み合うことも多いので、早めの来店がおすすめです。営業時間は11:00〜19:00。
海沿いを走って、鵜戸神宮に会いに行こう
断崖の洞窟に佇む本殿、眼前に広がる太平洋の絶景、そして運玉投げの楽しさ。鵜戸神宮は、ほかの神社では味わえない体験が詰まった場所です。
日南海岸のドライブルート沿いにあるので、サンメッセ日南とあわせて巡るのもおすすめです。参拝のあとは周辺の食事処やカフェに立ち寄って、日南の海の幸も楽しんでみてください。
歩きやすい靴と、カメラを持って。次の休日は、日南海岸を走って鵜戸神宮へ出かけてみませんか。
≪施設詳細≫
- 名称:鵜戸神宮
- 所在地:宮崎県日南市大字宮浦3232
- 定休日:なし(年中無休)
- 営業時間:6:00〜18:00(正月のぞく)
- 駐車場:無料(第一・第二・観光駐車場の3か所あり)
- 公式サイト:https://www.udojingu.or.jp/
※ 掲載している情報は全て取材当時のものです。ご了承ください。