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2018年06月11日

No.49 クリエイティブディレクター 田中淳一さん@延岡市出身(2018年6月9日放送)

今回のヒューマンは、地方の魅力を全国に発信している延岡市出身のクリエイティブディレクター田中淳一さんです。
クリエイティブの力で地方の魅力を引き出す田中さんのアイディアの源、そして故郷延岡への思いに迫りました。

クリエイティブディレクター田中淳一さん

 

有名シェフが延岡産の素材を使った料理でお客さんを持て成す、北浦の海に浮かぶ「筏の上のレストラン」や真っ赤に染まった日本一の山に見立てた「宮崎牛の富士山」など、強烈なインパクトで地域の宝にスポットを当てるこれらの動画を手がけたのはクリエイティブディレクターの田中淳一さんです。

田中淳一さんが手がけた動画

 

先月東京で開かれた自治体マーケティング広報フォーラムでは田中さんが講師を務め、「地域活性クリエイティブ講座」は全国の自治体関係者で満席となりました。
「入念に計算されたクリエイティブ作りをやられているなという印象を受けた。」「動画が面白く、その自治体のことも理解できてセミナーを受けてモチベーションが上がった。」など、参加者の人たちは田中さんの講座にとても刺激を受けた様子でした。

自治体マーケティング広報フォーラム

 

地方(Local)を時代の人気モノ(POPS)に!

地方(Local)を時代の人気モノ(POPS)に!

 

クリエイティブの力で地域の魅力を掘り起こす田中さん。
その仕事の原点は故郷延岡にありました。
今回は田中さんの故郷、延岡の牡蠣家さんで美味しい牡蠣を頂きながらお話を伺うことにしました。
北浦産の岩牡蠣は大きくて厚みがありプリプリでとてもジューシー。これも故郷の宝です。

牡蠣家さん

 

初めに「筏の上のレストラン」について、田中さんの表現したかったことを聞いてみました。
「延岡市に食のイメージが全くなかったのでまずはすごく驚かせたかった。そこで無謀とも思える北浦の沖に筏の上にレストランを作りました。」と田中さんは話します。
そもそもクリエイティブディレクターとはどんなことをするお仕事なのかを聞いてみると「まずはコアになるアイデアを作ることが第一。そして作ったアイディアを実現するためにクオリティを維持しながら最後まで管理すること。そのアイディア実現する人たちが大変だと思う。」と話します。
実際に「筏の上のレストラン」は田中さんの故郷 延岡市民の協力があり実現することができました

筏の上のレストランの撮影風景

 

1970年2月延岡市に生まれた田中さん。
幼少の頃は県北の海や山などの大自然と戯れながら育ちました。
思いついたら形にしないと気が済まない子供だった田中さんは好奇心旺盛な幼少時代を過ごしました。
幼い頃から「普通が嫌だと思っていたかも知れない。普通ってなんだろう・・・。」と思っていたことが今の仕事につながっている一つの意識だと田中さんは感じています。
人とは違う何かを表現したいと考えるようになった田中さんは早稲田大学を卒業後、大手広告代理店の旭通信社(現 アサツーディ・ケイ)に入社します。CMのキャッチコピーを考えるコピーライターからキャリアをスタートさせました。
新人コピーライター時代はなかなかOKが出ず、朝から夜中まで仕事をしていた日々が続きました。
しかしある日突然自転車に乗れるように、自分でわかるようになる瞬間があったそうです。
それまで100本コピーを書いていたものが、7本しか書いてないのに7本全てOKになる日が突然やって来たと話します。
そして38歳でCM制作と統括するクリエイティブディレクターに抜擢されます。
当時田中さんと仕事をしていた同僚は「面白いモノや一番良いモノを突き詰める、いいモノに真っ直ぐなところが良いところ。そういう仕事の仕方がクライアントさんの信頼に繋がっている。」
コアアイディアを開発するスピード感と的確さが本当にたけている。ブレないでコレと出す人だった。プランニングの時間を確保していい表現を考えることができたんだと思う。」と話します。

田中さん

クリエイティブ部門のエースとしてほぼ全ての業種の企業CMを手がける忙しい毎日。しかし田中さんに大きな転機が訪れます。
それは、故郷宮崎で発生した口蹄疫と東日本大震災でした。
「故郷で起きていることと今自分がやっていることに繋がりがないのかな・・・と感じていたところに、東日本大震災が起きた。その時に一生懸命企画してやっていたCMが全部AC(公共広告)に変わった。
自分の仕事は何だろうみたいな・・・自分がこれまで徹夜しながら一生懸命やってきた職業能力は世の中の何の役に立っているのかすごく突きつけられた。その時に社会と自分がやっていることを繋げていきたい衝動が生まれた。」と田中さんは当時感じた気持ちを振り返ります。

 

クリエイティブの可能性を信じて生まれたアイディアが「てをつなごう だいさくせん」でした。
被災地の子供たちに笑顔を届けようと人気キャラクターが手をつなぐラッピング列車を企画しました。
田中さんのアイディアに賛同した多くの人たちがボランティアで参加しました。
人気キャラクターたちが手をつないだ三陸鉄道の列車たちが被災地を走り抜けていきました。

てをつなごう だいさくせん

その時の様子を田中さんは「仮設テントからずっと手を振ってくれていた親子の姿が未だに目に焼き付いていて、その時にこういうことで社会と関わっていけたら自分のいる場所が、自分が築いてきた職能が、何かに役立てるのではないかと実感した大事なワンシーンでした。」と話します。
それをきっかけに田中さんの仕事の考え方が変わり、クリエイティブが足りていない地域や場所に今まで培ってきた自分の職能を生かしたい、ローカルのために何かクリエイティブでやりたいと強く思うようになったそうです。

 

そして東日本大震災から三年後の2014年、田中さんは独立を決意しました。
地方にクリエイティブの力を届ける新たな挑戦がスタートです
原宿にある田中さんのオフィスでアイディアを生み出す源を聞いてみました。
あまり悩まないという田中さんは、話しを聴きながらノートに走り書きをしてアイディアを構築していくそうです。

田中さん

 

この事務所から田中さんの名前を一躍有名にしたある町のPR動画が生まれました。
宮城県登米市のPR動画Go!Hatto 登米無双」です。
地元の伝統料理「はっと」を守るために立ち上がった一人の女性トメさんが謎の軍団と闘うアクションムービーです。
のどかな田園風景が広がる宮城県登米市。13年前に平成の大合併で誕生したこの新しい町の名を知る人はほとんどいませんでした。登米市では「うまし、たくまし、登米市」というキャッチコピーを作り、それを宣伝できるような力強い作品を田中さんにお願いしたそうです。初めはとても斬新でびっくりしたそうですが、田中さんから「やるからにはインパクトです。」との話しがあり、その言葉を信じてやってもらうことになりました。 登米無双の動画再生回数は約115万回を超え、2017年に観光映像大賞を受賞
メディアの取材も殺到し登米市の名は全国に知られるようになりました。
実際に登米市に訪れてもらって登米の良いところを知ってもらい、最終的には住んでもらいたい。」と登米市もこの動画に期待の思いをのせます。

観光映像大賞を受賞の様子

 

様々な地方のプロモーション手がける田中さんが大切にしていることは、その地域の唯一無二のものを見つけ、その時代を見極めた手法でアイディアを決めること
これまでに田中さんが手がけた地方のプロモーションは、鳥取市や愛媛県松山市など25県に及びます。今も知名度不足やブランディングに悩む地方自治体からの依頼が殺到し、全国を走り回る日々を過ごしています。その移動中も企画を考える田中さんですが、ゼロから1を生み出す時は全て朝の時間帯しかしないそうです。それはお昼を食べてしまうと不純なものになったような気がして、クリアではない気がするからだそうです。

 

山形県山形市。地方都市にある芸術系の大学にも田中さんの姿がありました。
田中さんはこの大学で未来のクリエイターを育てる為の講師も務めています。映像学科で非常勤講師を務めている田中さん。この日は山形の特産品を映像で表現する実習に取り組む学生たちを指導していました。
学生たちが考えた絵コンテに細かいアドバイスをしながら指導します。それに対し「色々なクリエィティブな仕事があるけれど、どこに行っても田中さんのような企画力は必要なので今日は良い体験をさせてもらいました。」と学生たちは話します。

田中さんが多忙な中非常勤講師をする理由は、自分が学んできたものを映像業界に入っていく若者にちょっとでも役立てれば良いなという思いからでした。田中さんの故郷と同じくらいローカルな山形で業界を目指して勉強している子供たちのことはちょっと放っておけないと話します。
来年春にこの大学を卒業する教え子の一人がPOPS初の新入社員として入社する予定です。

東北芸術工科大学:講義の様子

 

地方(Local)を時代の人気モノ(POPS)に!
クリエイティブの花を地方に咲かせる田中さんの挑戦はまだまだ続きます。

最後に田中さんの今後の夢を聞いてみました。
「今25都道府県くらい仕事をしているが、まずは47県全部仕事をしてみたいなと思う。よく地方を元気にするのはよそ者・若者・ばか者と言うけれど、外の人からみると地元の人が何とも思っていないものも”え!すごい!こんなモノあるんだ ”みたいなところはどんどん外の血も入れて自分たちの価値を大事に見つけて欲しいと思う。」と話してくれました。

地方創生のスタート地点をゼロから生み出す田中さんの存在。
多様なプロモーションに取り組む地域が求めるクリエイティブなディレクション。
地方を元気にする田中さんの活躍をこれからも期待しています。

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