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2018年03月19日

JR九州ダイヤ改正 過去最大規模の列車減便(2018年3月17日放送)

今回の特集はJR九州のダイヤ改正について詳しく特集します。
3月17日、JR九州のダイヤ改正が行われ県内でも大幅な減便が行われました。
今回のダイヤ改正で、JR九州の全22路線で117本を減便。県内では3つの路線で16本の列車の減便となりました。
こちらが県内のJR各路線と今回のダイヤ改正で減便対象となる列車の数です。
日豊本線で7本、吉都線で6本、日南線3本、計13本が減便となります。

JR九州のダイヤ改正の内容

 

今回の大幅な減便のダイヤ改正を行ったJR九州と困惑する利用客、そして周辺自治体を取材してきました。

JR九州の青柳俊彦社長は今回の減便を盛り込んだダイヤ改正について「今回適正をはかるということで、利用客の実態に合わせた形で列車本数を設定させてもらいました。是非とも地元の理解を得て、今回のダイヤ改正を実施していきたいと考えています。」と述べました。

JR九州の青柳俊彦社長の会見の様子/宮崎県 河野知事の会見の様子

 

それは突然の発表でした。JR九州は、3月17日付のダイヤ改正で過去最大規模の減便となるダイヤ改正を発表しました。県内の各路線も減便の対象となり、沿線の自治体に衝撃が走りました。このダイヤ改正について宮崎県 河野知事は「将来同じような形で減便であったり、本当に維持されるんだろうかという不安は持っています。そこを我々としてはしっかりJR九州にお伝えをすることが大事だと思っています。」コメントを発表しました。

 

今回のダイヤ改正についてJR側から沿線自治体への詳しい事前の説明はなく、県などはダイヤ改正の見直しをJR九州に求めました。

そのJR九州が今回のダイヤ改正で大幅減便に踏み切った理由。
それは人口減少と高速道路の延伸による利用客の伸び悩みです。
1987年に民営化したJR九州はこの30年間で列車の本数を1.8倍に伸ばしましたが、利用客は1.3倍とほぼ横這いの状態が続いています。
昨年度の売り上げは駅ビル開発やホテル事業など関連事業が好調で、過去最高となる447億円の黒字を計上しました。しかし、本業の鉄道事業はJR発足以来赤字が続いています。

JR九州列車本数と輸送人員/駅ビル

 

「実質87億円くらいの赤字と認識しています。この赤字幅をいかに縮小させることが大きな仕事だと思っています。
一つは収入を増やしていくこと。いかに沢山の利用していただくお客さまに利用していただくかということ。そして今回改正が行われたように、経費削減。この二つを進めることによって、この赤字の87億を少しでも改善していくことが鉄道事業にとって一つの大きな要素だと思っています。」とJR九州鉄道事業本部の古宮洋二常務は話します。

2016年に株式を上場し、純然たる民間会社として再出発を果たしたJR九州。
今回のダイヤ改正で鉄道事業の赤字を減らし、今後もローカル路線を存続させていきたい考えです。

「本数が減ることで電車を動かす電気代、ディーゼル車を動かす燃料代を削減する。そして乗務員(運転手、車掌)の人数も減る。今回のダイヤ改正で数億円の経費削減を見込んでいます。現在は九州全体で90億くらい使っているのでそのうちに3パーセントくらいかなと思っています。」と話しています。

JR九州鉄道事業本部の古宮洋二常務

 

さらに鉄道の利用促進にも繋げようとJR九州は先月、宮崎交通と共同で宮崎駅西口の駅ビル開発の計画を発表しました。
この会見でJR九州鉄道事業本部の田中龍治専務は「JR九州の宮崎県宮崎市の陸の玄関口である宮崎駅前がこんなもので良いのかというのが、開発をやろうと決意した一端です。」と述べました。
宮崎駅西口の駅ビル開発は、2020年秋の完成を予定しています。

JR九州鉄道事業本部の田中龍治専務/宮崎駅西口の駅ビル

 

一方で、大幅な減便に困惑しているのがJRを利用する住民と沿線自治体です。

JR日豊本線 延岡市北川駅。時刻は午前11時。
今回のダイヤ改正で午前11時以降、北川駅に停車するのは19時48分の佐伯行きのみとなります。
今回のダイヤ改正で、延岡駅と大分県佐伯駅との間が大幅に減便された日豊本線

北川駅に停車する列車は普通列車の上下8便が3便に減便されました。

延岡市北川駅

 

沿線の住民は「多分困るんじゃないですかね。自分たちは車があるから良いけど、車を運転できない高齢者は不便になるのではないかなと思う。」と話します。

延岡市より北にある4つの駅でJRの利用実態を調査した延岡市によると、高齢者が多く通院や買い物でJRを利用しており、障がいのある方が施設への通所でJRを利用しているとのことでした。
突然の減便の発表に「プロセスを見直して欲しい。」と延岡市はJR九州にお願いをしたとのことです。生活の足として鉄道を利用する住民がいる以上、延岡市では沿線自治体とともに今後もダイヤ改正の見直しを求めていく方針です。

 

今回のダイヤ改正で、もっとも多くの列車が減便されたのが都城と鹿児島県の吉松を結ぶ吉都線です。
昼間の便を中心に上下合わせて6便の列車の定期運行がとりやめとなりました。

今回のダイヤ改正で運行がとりやめになる吉都線の列車に乗車してみました。
10時18分都城駅発の列車には、出発時では乗客は7人で明らかに空席の方が多い状況でした。
吉都線は小林市やえびの市を経て終点の吉松駅まで1時間30分ほどかけて結びます。

吉都線

この日の乗客は「子供が電車や乗り物が好きで乗せてみたいと思って乗せました。」「小林市でアルバイトをしているので利用しています。この列車が無くなったら、次が午後1時になるのでそれまで待たないといけなくなるので不便になります。」「通院のために利用している。この電車だけは頼りにしていたので困ります。」と話していました。
しかし、終点まで空席が目立つ車内。これがローカル路線の現状です。

11時46分吉松駅に到着。
ここまで乗って一番多い時の乗客の数は10人くらいで、ローカル路線の現状を実際に感じました。ただ乗っている方々にはそれぞれこの時間帯じゃないといけない理由がありました。特に高齢者の方々にとって大切な交通機関だということをまざまざと感じました。

吉都線の減便に大きな衝撃を受けたのが、小林市です。
今、駅前の活性化事業を進めている小林市。去年小林駅と一体となった複合施設「KITTO小林」がオープンしました。来年3月までに駅前が新しく生まれ変わる予定です。
宮崎交通のバスセンターもKITTO小林に移転するなど駅を中心とした町づくりに取り組んでいる中でのダイヤ改正でした。

KITTO小林

小林市役所 企画政策課の押川逸夫課長は「バスセンターも移転し列車も来るので交通の結節点にしようと取り組んできました。その中で3往復の減便で今までの利用客が離れていってしまうところが心配です。」と話します。

 

そして吉都線の減便は夜間の定時制高校に通う生徒たちから通学の手段を奪いかねない事態を招きました。
県南・県西地区で一校しかない都城泉ヶ丘高校には吉都線を利用して通学する生徒たちがいます。
今回のダイヤ改正でJR九州は最終便(午後9時45分発)の運行とりやめを発表しました。

都城泉ヶ丘高校

都城泉ヶ丘高校の長津和彦校長は「夜間に学校で学ぶ生徒たちが通っているので、帰りが午後9時過ぎになることを考えると最終便が無くなるということは帰宅する手段が無くなることになり、非常に困惑し一大事だなと感じています。」と話します。このため学校側はJR九州に対しこれまで通り最終便の運行を続けるよう求めました。
その結果JR九州は最終便を平日限定の臨時列車として運行することを決めました。

「当分の間は臨時便で出していただけると思うけれど、実際の利用者数がさらに減ってきたらJRの中でも減便がまた議論されるんじゃないかと思うと不安が残ります。子供たちが学びたいという思いで学校に通っている生徒が一人でもいれば存続は是非していただきたいと思います。」と長津和彦校長は話します。

それぞれ小林市と都城市高崎町から吉都線を利用して定時制高校に通っている生徒たちは「もう学校やめようかなと思いました。親に送ってもらえばガソリン代もかかるし、兄弟にも迷惑をかけるからやめようかなと思いました。」「最終便が残ってとりあえず良かったです。平日最終便を運行してくれるのはとてもありがたかったです。電車を利用しているのは自分たちだけじゃないので、できれ
ば臨時じゃなくてこのままずっと運行して欲しいのがお願いです。」と話します。

3月17日付で大幅減便のダイヤ改正に踏み切ったJR九州。
今後はより一層利用客の立場に寄り添った鉄道の運行が求められます。
JR九州は「3月17日以降お客様が利用されていろいろな声があがってくると思います。
地元の市町村からもいろいろな声があがってくると思いますので、もう一度全部を見て全体を見ながら一番最適なダイヤは何かを勉強していきたいと思っています。」と話します。

今回の大幅ダイヤ改正の課題は本当に難しく、JR九州は民間企業なので企業として黒字を目指さないといけないということもあり、また一方で一般住民の足である公共交通機関としての立場もあり、そのバランスを探っていくことが非常に大変なことだと思います。
JR九州の青柳社長はローカル路線の配線は考えていないと名言しています。

 

また今回、真っ赤に生まれ変わった日南油津駅から中継で日南市﨑田市長に今回のダイヤ改正について、またローカル線が生き残るため維持していくためのヒントがどんなものなのかお話を伺いました。
﨑田市長のお母様は駅でお仕事されていたことがあり、ご自身も幼い頃からよく通っていたのでJRに特別な思い入れがあるそうです。

日南油津駅から中継

はじめに今回のダイヤ改正が日南線にどんな影響を与えたのかをまとめてみました。
様々な影響がある中で、宮崎→志布志間の運転取り止めが部活動をしている学生たちに影響があることや、油津駅発車の始発が30分遅くなる影響で朝の課題に間に合わないという声があがっています。

このように大きな影響を日南線にも与えていることがわかりますが、JR九州によると様々なデータを調べ今回の減便に踏み切ったということです。

しかし実際の日南の利用状況は平成元年と比べると半分以下になっているのが現状です。
利用促進のためJR九州では地域の自治体と様々なタイアップをしていきたいと考えています。
JR九州は「ローカル線にはいろいろな観光資源があることを認識しています。まだまだ発掘されていない観光資源もあると思いますので、そういうこと含めて列車を利用する利用客を増やしていきたい。

地元にとっても列車を利用してたくさんの人に来てもらうことは両方にウィンウィンがあると思うのでそういうことは地元と話しをしながら積極的にやっていきたい。」と考えています。

それに対し日南市﨑田市長は「具体的にはこのカープ駅を塗っていただいたことが大きな協力だと思っています。これから駅にテーマを持たせたり色々な思いが繋がるようなものをおしかけていったりしていきたいと思います。去年南郷町でもマンゴー町と改名するということもありましたが、地元の企業やホテルもまたやりたいという話もあり、一つ一つ積み上げていきたいと思います。」と話します。

また油津駅の塗り替えはただ塗っただけではなく、塗る前にファンの方にカープへの思いを書いてもらいました。一月かけて市民と作り上げたこの油津駅の発信の仕方は、全国的にもとても珍しい発信の仕方だと言われています。
また去年10月には日南線への愛を詰めたテーマソングもできました。
「この歌をきっかけに市民の心をもう一度日南線に繋げていくような仕掛けをしていきたい。また日南市役所では宮崎出張は日南線を利用したり、災害でも必要な路線だということを市民の皆さんに知っていただいて今後の利用促進につなげていきたいと思います。」と﨑田市長は話します。

日南油津駅から中継

 

確かに今回のダイヤ改正は生活の足を直撃するものでした。一方で人口が減少していく中ローカル線をどう維持していくか、沿線自治体にとって本当に大きな課題と言えます。
今後、様々なヒントやアイディアが必要となる時代なのかもしれません。
そしてJR九州と利用者が互いに積極的に意見を出し合い、持続可能な公共交通のあり方を探っていくことが求められると思います。

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