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2017年07月17日

乳がんと向き合う(7月15日放送)

先月フリーアナウンサーの小林真央さんが34歳の若さで乳がんで亡くなられたニュースは全国に大きな衝撃を与えました。
この乳がんは国内の女性の11人に1人がかかると言われていて、年間一万人以上の方が亡くなっており、県内でも一昨年の一年間で107人の方が命を落としています。
今週は、10年間乳がんと向き合い続けた画家 藤野ア子さんにお話を伺いながら「生きることの意味」を考えていきます。

宮崎市の絵画教室「現代っ子センター」。ここで絵画の指導をしているのが、画家の藤野ア子さんです。
父親の忠利さんと一緒に子供たちに絵の楽しさを伝えています。

現代っ子センター

藤野ア子さんが指導をしている様子

はつらつとした笑顔で子供たちを指導するア子さんですが、実は10年前に検診で乳がんであると宣告されました。
右脇の下に1.2センチのしこりが見つかり、リンパ節に転移がある浸潤がんでした。

ガンが見つかった時

その時の気持ちをア子さんはこう語ります。
いったいどれくらい生きられるだろう?というところが始まりで、きょうあす死ぬのかなって・・・極端だけどやっぱりそういうのを考えた。」

 

UMKでは10年前から乳がんと戦うア子さんを取材してきました。
手術と7ヶ月にも及ぶ抗がん剤治療で、味覚障害や抜け落ちる髪の毛など乗り越えなければならない副作用との戦いで、まさに苦しみ抜いた10年間でした。

「元気だった時は車に乗って仕事に行って夜遅く帰って・・・それが当たり前だったが、薬の副作用で全く自由が利かない身になった時に、自分一人では何もできないということを気付かされた。」と話します。

常に走り回っていたアグレッシブなア子さんにいきなり訪れたベッドでの生活でした。
そこでア子さんはあることに気づきます。

入院していた病室に飾ってあった絵が日に焼けて色が褪せている様子を眺めていると、自分の命もその絵のように薄く薄くなっていって消えていくのではないかと思ったそうです。
すると父親の忠利さんが一枚の絵を持ってきてくれました。
その絵を見ていると自分が描いた絵なのに不思議と元気が湧いてきたそうです。
それから辛い時も身体が痛い時も、ずっとその絵がア子さんに語りかけてくれたそうです。
その時ア子さんは色の力に気付かされます。

ア子さんが描いた絵

ア子さんに力をくれたのはやはりでした。
画家 藤野ア子ががんとの戦いを表現した一冊が、絵本「ア子さんのリボン」です。

絵本「ア子さんのリボン」

絵本「ア子さんのリボン」

 

2010年には、髪が抜け落ちるという辛い体験をきっかけに「AKOバンダナショップ」をオープンしました。
色鮮やかな布たちは、患者さんに明るく前向きな気持ちになって欲しいという願いが込められています。

AKOバンダナショップの店内

バンダナには結ぶ部分には長い布をつけ、うなじ部分が隠れるように工夫されています。

バンダナの工夫されている部分

そして、体験した人にしかわからない辛さや苦しみを人々に伝え、乳がんへの理解を深めてもらおうとア子さんは病魔と戦いながらも活動の場を広げていきました。

ア子さんの活動の様子

がんと向き合い歩んできた10年を支えてきてくれたのは、やはり家族でした。
「みんな言わないけれど、家族の方が大変だったと思う。今思えば家族の行動を見ていると、出口の見えない暗い道をただひたすらまっすぐ行かなきゃならず、自分よりも辛かったと思う。」とア子さんは話します。

父親の忠利さんは「本人が辛かったら家族も辛い。乳がんは家族の応援が一番の支えになると思う。
だけど、家族は乳がんになった経験で話はできないので、本人ではないからわからない部分もある。
そんな時にどうして?と聞いたり、責めたりしないで自然な形で見てあげる、見過ごしてあげることが家族の応援だったのではないかと思う。」と話します。

2017年7月12日、宮崎県立美術館にア子さんの姿がありました。
この日は乳がんの手術からちょうど10年目の特別な日です。
先月の検診で、がんと向き合ってきたア子さんに主治医が告げた言葉は「乳がんの完治」でした。

この10年間を振り返ってア子さんはこう語ります。
「主治医から乳がんの完治を伝えられ、その瞬間はぽかんとした気持ちだったが、日が経つにつれて完治したんだなという実感が湧いてきて良かったなと長いトンネルを抜けた感じがした。自分の弱さや甘さを知って、自分の極限がどこなのかを常に考えてきた10年だったと思う。」

ア子さんは健康のため、3年前から週に2回ダンススクールに通っています。
みんなで一緒に声を出してとてもストレス発散になるというダンスをア子さんは生き生きと踊ります。

スクールでダンスを踊るア子さん

体調管理のため積極的に何にでもチャレンジするア子さんですが、手術の後遺症との闘いは今でも続いています。

この日、ア子さんはリンパケアサロンにいました。
リンパを切除した時の後遺症で重いものを持ったり寝ている時などに腕が痺れてくる症状を和らげるために、現在も定期的なケアが欠かせないそうです。

リンパケアをしてもらっている様子

 

乳がんと共に生きてきた10年。
藤野ア子さんは最後にこう話してくれました。

経験談をスタジオで話すア子さん

「自分の場合過労がきっかけで病院にかかったところ、40代になるのでそろそろ婦人科系の検診を受けたらどうかと勧められて受けたことがきっかけだった。

がんを告知されたその時は、なんでもっと早く・・・と、もどかしい思いでいっぱいだった。

乳がんは早期発見の方が薬の投与も少しで済み、手術する場所も費用の面でも少しで済むので全てを考えても早期発見が良いと思う。

10年経って完治と言われたけれど、自分はこれでがんとサヨナラしたという気持ちではなくてこれからも自分の身体に気をつけながら、絵を描く仕事を通してがんになった人たちにそれぞれのスタイルや生き方や完治した時の喜びを伝えていきたいと思う。

「昨日今日告知された方は今、本当に辛いと思う。告知されてしまったら決めなくてはならないことが山ほど出てきて本当に大変だと思う。一つ一つ落ち着いて乗り越えて欲しいと思う。」

宮崎県は現在、乳がん受診率がたったの5.5パーセントしかありません。
今回のこのア子さんのメッセージを胸に刻んで、みなさんも自分ために、家族のために定期的な検診を受けてください。

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