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2018年09月03日

高千穂鉄道 その光と影・残された線路が導く未来(2018年9月1日放送)

今年の夏も県内各地で盛り上がりを見せた数々の観光スポット。その一つが高千穂町です。
今回はその高千穂町の住民の足として活躍していた旧高千穂線についてお伝えします。
実はこの高千穂線は、2005年の台風14号の被害によって廃線となってから今年でちょうど10年になります。
廃線という悲しい歴史を持つ高千穂線が、今は10年経った現在の高千穂町の観光を支えています。そんな高千穂線の今を取材しました。

高千穂で舞われる夜神楽。
弟伊邪那岐の悪行を嘆いた太陽の神天照大神が天岩戸に引き篭もり、世の中が暗闇に包まれてしまいます。
困り果てた八百万神々は岩戸の前で舞い、何事かと岩戸を開けた瞬間、力の神天手力雄が一気に岩戸を開け世の中に光が戻ったという天土岩戸神話。

高千穂

 

そんな神話の残る宮崎有数の観光地高千穂町
中でも高千穂峡には今年も多くの観光客が県の内外や海外から訪れ、人気の貸しボートには多い時で4時間待ちの行列ができるほどです。
そして今、もう一つの人気スポットとなっている場所があります。
高千穂あまてらす鉄道」です。
往復2.5キロの線路を自然を感じながらゆっくり走り、かつて東洋一高いと言われた高千穂鉄橋からの眺めを堪能できるスーパーカートです。

スーパーカート

 

しかし、この鉄道には悲しい歴史がありました。
当時TR高千穂鉄道は、清流五ヶ瀬川に沿って延岡市から高千穂町までの全長わずか50キロを19の駅で停車しながら1時間半かけてゆっくりゆっくり走っていました。
国鉄時代一時は廃止対象路線になりますが、1989年に国鉄から第3セクターとして運行を引き継ぐことになりました。
住民の足として愛される鉄道でした。
しかしそれでも赤字は続きました。
沿線の過疎化や少子化、それにバイパスの開通もあって年間60万人いた利用者はみるみる減少。
年間7000万円の赤字を出しながらの苦しい経営でした。高千穂線は再び存続の危機を迎えていました。

TR高千穂鉄道

 

そして2005年、宮崎県を襲った台風14号。五ヶ瀬川が氾濫し、高千穂鉄道を無残な姿に変えました。
想像をはるかに超える被害の大きさで、高千穂鉄道は台風による被害総額を約26億円と発表しました。
荒ぶる神のいたずらは赤字経営が続くローカル線にとっては厳しすぎるものでした。

2005年・台風14号

 

当時高千穂鉄道の運転手だった齋藤拓由さんは小さい頃から乗り物が好きだったこともあり1995年高千穂鉄道に入社しました。
はじめは運転することに精一杯の毎日。しかし日を追うことに運転手としての誇りと高千穂鉄道の魅力を感じるようになりました。
「低い位置で走る高千穂鉄道は低い分だけ周りの景色がよく見えて、四季折々を感じることができる。」と高千穂鉄道の魅力を誇らしげに話してくれました。

運転手を生涯の仕事にしよう、そう心に決めた矢先の出来事でした。
停まったままの鉄道。廃線へと向かっていく流れの中、住民たちが立ち上がります。
高千穂鉄道存続を願うチャリティーライブが行われ、地元の人々によって駅や列車の大掃除が行われました。
また高千穂鉄道を語る沿線住民の集いでは、地元の子供たちを列車に乗せて走る約束をしました。

齋藤拓由さん

そして約束通り、齋藤さんは子供たちを招待しました。
駅の構内をたった200メートルほどの運転。これが齋藤さんにとっての最後の仕事となりました。

子供たちを招待

 

そして高千穂鉄道は断腸の思いで経営を断念します。
齋藤さんを含む40名の職員全員が解雇。
旧国鉄時代から70年間続いた高千穂鉄道は廃線という形でその扉を閉じることになりました
高千穂鉄道の廃線が決まると直ちにレールの撤去が始まりました。残された線路も今は雑草が生い茂り、景観を誇っていた鉄橋も今はほとんど利用する人もいない遊歩道へと変わっていました。
高千穂鉄道を解雇となった齋藤さんも家族を養うため単身で福岡の甘木鉄道に再就職していました。

 

19あった駅でただ一つ残された高千穂駅。
廃線となった2008年にこの駅を借り受け、ある会社が立ち上がりました
生い茂った線路の草刈りから始め、暗闇の中の線路に少しずつ光が差し込みはじめます。会社の名前は、高千穂あまてらす鉄道
高千穂あまてらす鉄道の高山文彦社長は「廃線を迎えた時にここでみんなで車両を洗った。その時にあるおばあさんが ”私たちが乗らんかったから潰してしまって”と涙していた。それはみんなの思いだったんじゃないかと思い、この記憶はずっと残していこうと思った。そこで記憶を目に見える形、トンネルや橋、ホームを活用していつまでも走らせるということで残していこうと思った。」とそのきっかけを話します。

高千穂あまてらす鉄道の高山文彦社長

はじめは手押しの木製トロッコを押す形で営業開始し、その後エンジン付きや座席数を増やした物に改良され、そして昨年3月、3500万円をかけて30人乗りのグランド・スーパーカートを導入しました。
こうした努力が報われて、あまてらす鉄道は平成27年度からついに黒字経営に転じたのです。
閑散としていたホームは人で溢れ、平成29年度には来場者数も2600人から今や4万3000人に増えました

あまてらす鉄道

そして鉄道の警笛と共に齋藤さんも7年ぶりにこの場所に帰ってきました
高千穂鉄道の歴史をアナウンスしながら齋藤さんはグランド・スーパーカートに乗り込みます。
「景色が綺麗でイルミネーションが綺麗だった。色々な趣向があって楽しかった。」「良い思い出になった。」と県内外から訪れる観光客にも喜ばれています。

あまてらす鉄道:齋藤さん

 

順調に光を取り戻しつつある鉄道。しかしまだまだ課題は残っています。
毎年、枕木交換に300万円の経費がかかります。完成から50年近く経つ鉄橋の塗装費用も数億円かかると言われています。
一度は闇に包まれた鉄道が今、人々の力でその光を取り戻そうとしています。
「鉄道のすばらしさを伝え続けたい。」「いつか鉄道の復活を信じたい。」
そう願いながら、神話の郷に生き残った鉄道は完全に光を取り戻すまで走り続けます。

高千穂あまてらす鉄道:お問合せ

<グランド・スーパーカート>
料金:高校生以上1,300円/小中学生800円/未就学児400円
運行時間:午前9時~
TEL:0982-72-3216
https://amaterasu-railway.jp

<列車運転体験>
距離:往復900m
料金:一人10,000円(要予約)※普通自動車免許か自動二輪免許をお持ちの方
TEL:0982-72-3216
https://amaterasu-railway.jp

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