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「レチノールを使用したら肌がヒリヒリしてしまった…」このような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
肌にハリ・弾力を与えて、さまざまな肌悩みにアプローチしてくれるということで、近年注目を集めているレチノール。その一方で、使い方によっては肌がヒリヒリしたり赤みが出たりする「A反応」が起こることも。
本記事では、レチノールで肌がヒリヒリしたときの対処法を解説します。
レチノールとはどんな成分?

レチノールは、ビタミンAと呼ばれるビタミンの一種です。肌のターンオーバーを促進する作用が強く、肌にハリ・弾力を与えます。シミやシワ、ニキビなどさまざまな肌悩みに対してもアプローチする成分です。
1980年代、レチノールから「レチノイン酸(トレチノイン)」と呼ばれる成分が開発され、ニキビ治療薬として使われていました。その後、化粧品としても応用できるようにレチノール が改良され、一般向けの化粧品にも配合されるようになり、ここ近年で注目を集めています。
レチノールを塗るとヒリヒリするのはなぜ?

レチノールは肌に多角的にアプローチして美肌に導いてくれる一方で、使用後に肌がヒリヒリしたり、皮剥けや赤みが目立つようになったりすることも。これは、レチノールによる「A反応」が起きているサインです。
A反応とは、レチノールを使用した際に起こる一時的な肌の反応のことを指します。レチノールは、肌の細胞の生まれ変わり「ターンオーバー」を促進する働きが強いのが特徴です。そのため、レチノールをスキンケアに取り入れるようになると急激に肌の代謝が上がり、まだ表面に出る準備ができていない肌の細胞が一気に押し上げられたり、バリア機能が一時的に乱れたりして、ヒリヒリ感やかゆみ、皮剥けが起こります。
通常、A反応は数日〜数週間程度で落ち着くので、そこまで焦る必要はありません。
レチノールを塗ってヒリヒリしたときの対処法

レチノールで肌がヒリヒリする原因がA反応だということは分かりましたが、レチノール初心者の人はどのように対処すればいいのか悩んでしまいますよね。
ここでは、レチノールの使用で肌がヒリヒリしてしまったときの対処法をお伝えします。
抗炎症作用のある成分を一緒に使う
A反応をやわらげるのにおすすめなのが、抗炎症作用のある成分です。抗炎症作用のある代表的な成分として、グリチルリチン酸ジカリウムやナイアシンアミドなどがあげられます。
グリチルリチン酸ジカリウムは、強力な抗炎症作用を持つことで知られ、A反応によって起こる肌荒れをやわらげ、悪化を防いでくれます。ナイアシンアミドも同様に抗炎症作用があり、加えて肌のバリア機能もサポートします。
低濃度のアイテムに切り替えて使用頻度を下げる
レチノールの濃度が低いアイテムに変更するのも一つの手です。肌がレチノールに慣れていない状態で、レチノールが高濃度で配合されているアイテムを使用すれば、反動でA反応も大きくなってしまいます。ちなみに、レチノールにもさまざまな種類がありますが、最初は「レチノール誘導体」から試してみるのがおすすめ。レチノールの安定性を高めたものなので、A反応も穏やかな傾向です。
また、使用頻度は毎日ではなく、週に2〜3回程度を目安に。A反応が出ないようになってから、使用頻度を増やしていきましょう。
保湿を徹底する
レチノールは肌のターンオーバーを促進することで古い角質を排出し、肌の生まれ変わりを助けますが、その過程でバリア機能が一時的に低下し、乾燥・ヒリつき・赤みが生じやすくなります。
そのため、保湿は今まで以上に徹底すること。セラミド・スクワラン・ヒアルロン酸など、保湿力が高い成分も一緒に使用することで、A反応も落ち着くといわれています。レチノールを塗った後は保湿力の高いクリームなどをプラスして、乾燥を全力で防ぎましょう。
ヒリつきがひどい場合は使用を中止して皮膚科に
肌のヒリヒリ感やかゆみ・赤みがひどい場合は、レチノールの使用をストップし、皮膚科医に診てもらいましょう。肌の状況によっては、スキンケアだけでなく治療薬を使用しなければならないこともあります。
レチノールを使うときのスキンケアのポイント

最後に、レチノールを使うときのスキンケアのポイントを紹介します。
化粧水→レチノール→油性の保湿アイテムの順番で
レチノールは、基本的に化粧水で肌を整えた後に使うのがおすすめです。レチノールは油性成分のため、化粧水の前に塗ると、油膜によって密閉されて水分が肌に浸透しづらくなる可能性が…。
化粧水で肌に水分を与えてレチノールを重ねた後は、保湿力の高いクリームなどをプラスすることで、乾燥から肌を守ることができます。
日焼け止めを忘れずに
レチノールは紫外線に敏感な成分。レチノールを使用する場合は、必ず日焼け止めを使用して紫外線を防ぎましょう。日焼け止めを使用しないと、紫外線によって肌の上のレチノールが化学反応を起こし、肌にダメージを与えてしまう可能性があります。
継続的な使用を
レチノールは継続的に使用することで、肌の変化を感じられる成分。肌のターンオーバーには28日〜40日程度かかるため、レチノールの使い始めはなかなか肌の変化を感じられないことも多いです。
レチノールを使って「なんとなく肌のコンディションがいい気がする」と感じるのに、2〜3ヶ月程度かかるともいわれています。低濃度・少量からスタートして、継続的に使用することが美肌につながると覚えておきましょう。
まとめ
今回は、レチノールを使用してヒリヒリしたときの対処法を紹介しました。レチノールによるヒリヒリ感はA反応が原因。一時的な反応なので大きな問題はありませんが、スキンケアの方法や一緒に使用する成分によって、A反応を抑えることも可能です。本記事を参考に、A反応をなるべく最小限に抑えて、快適にレチノールを使用しましょう。