UMKアナウンサー日記 岩下克樹
2010年07月04日
大切なのは、2つの『熱』。
大学を卒業してから1年と3ヶ月経ちますが、未だに忘れられない感覚が有ります。
アルバイト先のお好み焼き屋で培った“焼きの感覚”です。
僕が働いていたのは、店員が鉄板で焼き上げた商品をお客様の目の前に運んで
提供するスタイルのお店。
ベッドくらいの広さのある特大鉄板の前でサウナのような熱気に包まれながら、
一人の人間が一生のうちに食べる数の恐らく数十倍もの量を焼いていた日々。
職人気質の店長にビシビシしごかれながら鍛錬したその感覚は、今でも鮮明に覚えています。
そしてその感覚はフラッシュバックのように今でも訪れるもので、
その時は無性にお好み焼きを焼きたくなる衝動にかられるのです。
先日、その欲求を満たしてくれる場所に出会いました。
宮崎市内にあるお好み焼き屋さんです。
店内に漂うお好み焼きの香り。
あちらこちらのテーブルから聞こえる、ジューっという美味しそうな音。
このお店は自分で焼けるスタイルだという事もあり、張り切って注文しました。
僕、お好み焼きの腕に関しては結構自信があります。
焼くに至る手順や具材、更にお好み焼きの美味しい食べ方にまでの徹底したこだわりは、
アルバイト中に身につけた感覚をそのまま守り続けているのです。
お店の方が運んできたヘラは一人1枚ですが、これは僕にとっては不満足。
本格的に焼くには1枚では足りません。
美味しく焼くのに必要なヘラは、実は2枚。
たかがヘラだけど、されどヘラ。
左手のヘラの役目と右手のヘラには別々の役割がちゃんと有るのです。
(長くなるので省略させて頂きます!)
しかし、お店の方に追加のヘラを頼むのはちょっと忍びない。
という事で目の前の友人のヘラを借り、いよいよ調理スタートです!
華麗なるバチ裁きならぬ“ヘラ裁き”で美味しく焼きあげるお好み焼き。
テーブルに設置してある『焼き方マニュアル』は、申し訳ありませんが出番無しです。
我流の焼き方で鉄板をイッパイイッパイ使い、懐かしい感覚を思いっきり楽しみつつ
完成していきます。
家庭だと鉄板も無いし、ホットプレートでは焼き辛いのが難点。
お好み焼きの美味しさを引き出すには、
やはり、お店に有る様な鉄板で豪快に焼くのが一番なのです。
調理の様子を見ていた友人は「すごーい!美味しそう!!」というリアクションを連発。
そう言えばあの頃、お好み焼きから立ち昇る湯気の向こうに
お客さんのホクホクした笑顔を見ながら焼くのが何よりも好きだった。
それが楽しくて、朝から晩まで汗を流し、お好み焼きに没頭する日々。
商品を焼き焦がして怒鳴られた新人時代も、
上達を褒められて照れくさかったリーダー時代も、
厨房のあの大きな鉄板は僕をずっと見ていたし、夢中にしてくれました。
『鉄板の熱』に加えて、一枚一枚のお好み焼きにかける『情熱の熱』がいかに大切か。
僕があの鉄板との日々で学んだ事は、いつまでも熱を失わず、心の中に残り続けています。
さて、懐かしい想い出という特別な味付けも加わり、10分ほどかけて
お好み焼きは完成しました!
アッツアツのまま口に運ぶと、表面の香ばしさ・ソースのコク深さ・野菜のジューシーさが
一気に思考回路を支配し、至福の瞬間が訪れるのです。
あぁ、いまこのブログを書きながらでも、鼻腔をくすぐるあのフワッとした香りが思い出され、
無性に食べたくなってしまう!
やはり、お好み焼きは美味しいんです。
そして、作り方を始めとした“美味しいお好み焼き追求”は、自分で簡単に、
しかも楽しく実践できるもの。
いやぁ、奥が深い、深い。
今後、僕の“焼きたい欲求”が起こる度に、そのお店に通う事になりそうです。





